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XBLA話題作『Happy Wars』を手がけたトイロジック岳洋一社長インタビュー

Play for Freeモデル採用の大人数マルチプレイアクションゲーム『Happy Wars』を配信した国内デベロッパーのトイロジック。同社の代表取締役社長でありディレクターも務める岳洋一氏にインタビューを行い、開発背景や今後の展開について語ってもらいました。

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XBLA話題作『Happy Wars』を手がけたトイロジック岳洋一社長インタビュー
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先週Xbox LIVE アーケードでPlay for Freeモデル採用の大人数マルチプレイアクションゲーム『Happy Wars』を配信した国内デベロッパーのトイロジック。同社の代表取締役社長で『Happy Wars』のディレクターも務める岳洋一氏にインタビューを行い、開発背景や今後の展開について語ってもらいました。

―――それではまず最初に、『Happy Wars』をこの度リリースして、ユーザーからの反響はいかがでしょうか?
岳: ゲームの中身に関しては、ライトユーザーからコアユーザーまで幅広く楽しんでいただけていると思います。一方で、オンラインマッチングのトラブルで楽しめないという声も多いので、まずはこれに全力で対応しています。

―――『Happy Wars』は発売前にE3やPAXなどでも展示されていましたが、海外からの反響はどうでしょう?
岳: やはり最も多いのは北米のユーザーで、意外なことにメキシコの方がたくさんいるみたいです(笑) 面白いのは地球の裏側にいるブラジルやメキシコのユーザーが日本のユーザーと一緒にマッチングして遊んでいることでしょうか。でも楽しんでもらっているポイントはどの国も同じで、キャラクターがかわいいこと、みんなでワイワイ遊べるということと、マッチングについての指摘が同じようにあります。

―――ゲームは何カ国語にローカライズされていますか?
岳: 日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語の8カ国語に対応しています。

―――マッチメイキングの問題は、おそらく承認手続き等があって直ちには修正できないようにも思えますが、どんな感じでしょうか……。
岳: そうですね、ただ何週間もお待たせしないよう、マイクロソフトとも相談しながら修正作業を進めています。開発現場ではほぼ解決していて、あとは手続きの問題となるので、ご安心いただけると思います。いかんせんトイロジックとしては大規模の開発が初めてということと、リリースしてみないと分らなかった問題がたくさんあるので、今回で全てが解決できるという保証はありません。しかしそうなるように全力を尽くしています。

―――『Happy Wars』のプラットフォームにXbox LIVE アーケードを選んだ理由を教えてください。
岳: 最もオンラインユーザー数の多いプラットフォームということでXboxを選びました。実は『Happy Wars』の企画が立ち上がったのが4年ほど前の話で、その当時は既に『Halo』などでマルチプレイを楽しむユーザーがたくさんいたXbox LIVEと違い、PlayStationでオンラインがどれほど流行るか全く見えていなくて、実際は一択状態でした。

―――開発期間はどれほどになるのでしょう?
岳: 企画立ち上げを含めると4年かかっていて、実際の開発に費やしたのは丸3年近くです。実は開発を開始して3ヶ月の試作バージョンというのがあるのですが、その時の絵が今とほとんど変わっていなくて(笑) ゲームの骨子の部分がほぼ半年で完成しているにも関わらず、その後にマイクロソフトと色々協議を行い、ゲームをより良いものにするために追加になった仕様や削られた仕様があります。そういったことを続けて気付いたら3年が過ぎていました。

実はPlay for Freeモデルも今年の6月に決定したんです。以前から導入の話はあったのですが、最終的に決まったのがその時期でした。実際は去年の年末くらいにリリースできるものはあったのですが、そういった紆余曲折もあり、開発が伸びていました。

―――では開発人数の規模はどれほどでしょう?
岳: 時期によって異なるのですが、今ですと、私を含めて7名ほど、多い時は16名くらいでした。

―――『Happy Wars』を開発・デザインするに当たって影響を受けた、あるいは参考にしたゲームはありますか?
岳: 昔『Ultima Online』にハマっていた時期がありまして、その頃20-30人のギルド同士で戦争することがよくあったのですが、それぞれのキャラクターの出来ることが全く違い、そこから駆け引きが生まれたり、本来生活を楽しむようなゲームだったはずが気づけばコンボのようなアクション性があったりして、いちばん大本を辿るとそういう所になるかなと思います。

あとは『Castle Crasher』のかわいいキャラクターやアクションの気持ちよさなどは参考にしました。ゲームルールに関して言うと、FPSを色々遊んでいて、一番近いのは『Battlefield』かなと思います。要所要所を制圧していく全体のゲームの流れという部分でマルチプレイのコンクエストモードが近いですね。ただ、強く明確に意識したゲームというのはないです。

――― 最初に挙がったマッチメイキングの修正以外で、今後どのようにゲームを良くしていくか、何か追加したり拡張していくか、計画があれば教えてください。
岳: まず前提として、アイテムやマップの追加は今後行われていきます。アイテムは有料と無料の新しいものをほぼ毎週追加していく予定です。マップも近日中に順次配信していく予定です。それ以降に関してはゲームの盛り上がり次第というところです。

また追加ルールにも取り組みたいと思っていて、今ある城の取り合い以外に、全然違う方向性のものを検討中で、実はユーザーさんからの意見も聞いてみたいなと思い計画しているところです。早ければ年内に追加したいと思っています。

―――トイロジックというデベロッパーとして、『Happy Wars』に限らず、今後どういう方向に向かっていくか、どんなことをやりたいか、またXbox以外のプラットフォームの可能性など、何か考えていることがあれば教えてください。
岳: こう言うとトイロジック大丈夫か、と思われるかもしれませんが、結構作っていくジャンルやプラットフォームに関しては節操が無くて、面白そうだなと思ったらどんどんやっていきたいと考えています。トイロジックがこだわりたいのは、まず技術というところを会社で育てて、そこから新しい遊びや「こういうの今まで無かったよね」と言われるようなタイプのゲームを作るのを目指していきたいです。

実はソーシャルゲームなども開発しているのですが、やはりコンシューマー向けの据え置き機に対してはこだわりがあるので、今回の『Happy Wars』のような小・中規模のタイトルを重ねていって、開発力に自信がついたら、いずれは日本からずっしり重たいタイプのタイトルを自社で発売できるようなところまで会社を育てていきたいなと考えております。

―――やはり方向性としてはマルチプレイやオンライン向けの作品になるのでしょうか?
岳: そうですね。昔ながらのアクションアドベンチャーゲームを作るにしても、必ずそこにはオンラインをからめて、人と人が一緒にいるから面白い、というところは外さないで行くと思います。ですので、オンラインアクションゲームと言えば「トイロジックも!」浮かべてもらえるくらいのポジションは狙っていけるといいなと思います。ただ、まだ実績がある会社ではないので、大口を叩かずに(笑)、しっかりとユーザーに評価されるものを作って行きたいですね。

―――それでは最後に、『Happy Wars』をまだプレイしていない読者に向けて何かメッセージをお願いします。
岳: 『Happy Wars』は普段そこまでゲームが得意じゃない人も、本当にゲームが好きな人も、みんなが一緒に遊べるゲームにしたいと思っています。それから、やっぱりユーザーさんからより面白くしていくアイデアを募集してさらに発展させていきたいので、皆さんからの意見や要望もお待ちしています。Xbox LIVEのゴールド メンバーシップをお持ちなら無料でプレイできるので、ぜひまず一度ダウンロードして遊んでみてください。

――― 本日はお忙しいところありがとうございました。

インサイドでは『Happy Wars』のプレイレポートも掲載しているのであわせてご覧ください。

(C)2012 Toylogic Inc. All Rights Reserved. Happy Wars and Toylogic are trademarks of Toylogic in Japan and/or other countries.
《Game*Spark》
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