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『Angry Birds』の快進撃はどこまで続くのか!? 「Green Day」とのコラボ、ショップ、遊園地展開などについて直撃

世界に衝撃を与えた『Angry Birds』とロックバンド「Green Day」のコラボレーション。18日のQVCマリンスタジアムで行われたサマーソニック初日に行われたこの発表に合わせて来日したRovio EntertainmentのPeter Vesternacka氏に直撃しました。

ゲームビジネス 市場
CMOのPeter Vesternacka氏
  • CMOのPeter Vesternacka氏
  • Green Dayとのコラボが実現
  • Green Dayをテーマにしたステージが登場
  • 10のステージをクリアすると独占の新曲が聴ける
  • ピンクバードが新登場
  • 新しいゲームプレイが導入される
  • 可愛らしいアニメーションも
  • 『Angry Birds』の快進撃はどこまで続くのか!? 「Green Day」とのコラボ、ショップ、遊園地展開などについて直撃
世界に衝撃を与えた『Angry Birds』とロックバンド「Green Day」のコラボレーション。18日のQVCマリンスタジアムで行われたサマーソニック初日に行われたこの発表に合わせて来日したRovio EntertainmentのMighty Eagle(CMO)ことPeter Vesternacka氏と日本代表のAntti Sonninen氏に直撃しました。

■コラボレーションは相思相愛でしか成り立たない

本日リリースされたフェイスブック版『Angry Birds Friends』のアップデートで実装されたGreen Dayとのコラボレーション。ケームではGreen Dayのメンバーをあしらったブタや彼らをモチーフにした10のステージが登場。全てクリアすると本作独占の新曲を聴く事が出来ます。

Green Dayが9月、11月、来年1月と2ヶ月毎にリリースする3枚のアルバムに合わせたコラボレーションですが、単なるプロモーションでは無いとPeter氏は言います。「フェイスブックでの展開は始まりに過ぎません。コラボレーションは『Angry Birds』のあらゆる側面で行われます。まだ詳しい事は言えませんが新しいキャラクターでアニメや様々な商品化も行なっていきます。Green Dayはこれをきっかけに新しいファンを獲得するでしょうが、『Angry Birds』もこれをきっかけに新しい世界を切り開いていきます」

『Angry Birds Space』ではNASAとのコラボレーションを行ったRovio。同作は火星探査機Curiocityの火星着陸をテーマにしたアップデートも今秋には実装予定です。「NASAとは非常に良い関係を築けています。月面探査ロボットにも"Mighty Eagle"名前が付けられました」このように一つのパートナーと長期的な関係を築くのがRovioの基本方針のようです。

「コラボレーションは相思相愛でなくてはならないと思います。これまで様々なブランド、商品、企業から『Angry Birds』とコラボレーションをしたいというオファーがありましたが全て断ってきています。Green Dayと一緒になれたのは、彼らが『Angry Birds』の事を愛してくれて、我々も彼らのファンであり、、、しかも"緑のブタ"のキャラクターを容易に思い付けたからです(笑)。とにかく、ビジネスやファイナンシャルな決定ではなく、完全に"楽しいことをやろう"という決定なんです」

『Angry Birds Friends』のアップデートは既に実装済みで、日本からもプレイ可能です。ぜひチェックしてみてください。

■次はリビングが主戦場に

これまで数々のプラットフォームで登場してきた『Angry Birds』。今はスマートフォンとタブレットが中心ですが、Peter氏は次の主戦場はリビングルームになると述べました。

既に発表されているように、アクティビジョンとの提携で、プレイステーション3(Move)、Xbox360(Kinect)で家庭用ゲーム機版がリリースされる予定です。これらはジェスチャー操作で遊ぶ新しい世界を作り出します。また、Peter氏は「特に日本市場という意味では大きく普及しているニンテンドー3DS版も重要な役割を果たすでしょう」とコメント。3D立体視やすれちがい通信に対応する予定です。これらは年内にもリリースされる予定。

さらにスマートテレビの分野でもサムスン電子と提携。数千万台が普及している同社のスマートテレビ向けにゲームを配信するだけでなく、アニメーションも同時に配信。『Angry Birds』の世界がリビングで簡単に楽しめるようになります。

あらゆる全てのスクリーンが『Angry Birds』のターゲットとなり得ます。日本でヒットしている「LINE」向けにも供給されることが発表されています。これについては「まだ発表できることはないが、面白い話し合いをしているので楽しみにしていて欲しい」とのことでした。

■Angry BirdsだけじゃないRovioの今後

『Angry Birds』の大ヒットまでに52本のモバイルゲームを制作してきたRovioですが、ここ暫くは『Angry Birds』に集中してきました。しかし先日『Amazing Alex』(アメージング アレックス)という新作をリリースし、新たなブランド構築にも乗り出しました。

「コカ・コーラがコーラだけでなく、ファンタやアクエリアスなど多彩な商品を出しているように、Rovioも『Angry Birds』だけでなく、色々なブランドをやりたいと思っています。ゲームだけでなく、アニメーションや玩具、遊園地などの展開も『Angry Birds』と同様にやっていきたいと思っています」

また『Amazing Alex』には『Angry Birds』とは一つ違った要素が導入されました。それはユーザーが作ったステージの共有です。『Angry Birds』では数週間毎にアップデートが行われ様々なステージが導入されていますが『Amazing Alex』ではユーザーが自由にステージを作成し、多くのステージが利用可能となっています。その数は僅か1ヶ月で10万に達しようとしています。この「Creation(作成)、Sharing(共有)」という流れが作れたのも大きな意味があるとPeter氏は語りました。

ダウンロード数は非公開ながら「数百万に達していて、とても満足している」とのこと。Rovioが所有する北欧最大のアニメーションスタジオではアニメーションの制作もスタートしていて、今後の展開が期待できそうです。もちろん、その他のタイトルも今後は制作していく予定だとか。

■ゲームの世界を広げていく

Rovioがいま力を入れているのが『Angry Birds』をテーマにした遊園地(テーマパーク)です。非常に大規模なものというよりは、「小規模でローカルな遊び場」というイメージのものですが、既にお膝元のフィンランドを始め、イギリスと中国でオープンしていて、特に中国では数十箇所に建設がスタートしているそうです。

遊園地は日本でも計画が進んでいるようです。「まだ発表できる段階ではありませんが、幾つか関心を持っていただいている人たちと交渉を行なっている段階です」

また、キディショップ原宿店(http://www.kiddyland.co.jp/harajuku/)とフジテレビのオンラインショップ(http://eshop.fujitv.co.jp/fulldesign/B013008/B013008-1.html)ではグッズの取り扱いがスタート。タイトーのゲームセンターではプライズとして登場して人気を集めています。この展開は更に強化していきたい考えです。「こちらも多くの人達と話を行なっている段階で、もっと多くの場所で『Angry Birds』に触れてもらえるようにしたいと思っています」

■いつまでも愛されるキャラクターになるために

単なるゲーム会社ではなく、『Angry Birds』というブランドを軸にサンリオや任天堂のような会社になりたいと公言するRovio。どうすればいつまでも愛されるキャラクターを生み出せるのか聞きました。

「我々はサンリオともパートナーを結ばせていただいているのですが、彼らが1974年に生み出したハローキティは今でも世界中で愛されています。長く愛されるキャラクターにする方法について完璧な答えをまだ持っているわけではありませんので、色々な人達から多くを学びたいと思っています。今のところ実践しているのは常に新鮮さを与えるということです。リリース当初、『Angry Birds』には60程度のステージしかありませんでした。しかし数週間おきにアップデートを重ね、様々なステージを追加し、さらに新しいゲームメカニックも定期的に追加していきました。それによって今なお新鮮なものでユーザーを楽しませようとしています」

今週木曜日23日にリリースされる『Angry Birds Seasons』の最新アップデート「Back to School」ではピンクの鳥が追加されます。ピンクバードはシャボン玉で周りのブロックを包み、高く舞い上がり、そして割れたシャボン玉からブロックが落ちて地上にあるオブジェクトを壊します。今までにないゲームプレイを追加することになります。

可愛らしいピンクバードにはゲームに新鮮さを与える以外の狙いもあるようです。「木曜日には新しいアニメーションと、ぬいぐるみも同時にリリースします。日本ではハローキティのように、このピンク色のキャラクターが人気を集めることも期待しています」



■もっと大きな発表のために、また9月には日本に来るよ

最後に日本のユーザーに一言いただきました。

「日本での人気にとても感謝しています。いま、もっと多くの場所で『Angry Birds』のぬいぐるみなどのグッズが手に入るように努力しているところです。それから、新しく登場するピンクバードがハローキティを好きな人たちに気に入って貰えると嬉しいですね」(Peter氏)

「日本語でやっているツイッターでも、グッズが欲しいという声をよく聞いていました。ようやく、"ここで買えるよ"と案内できるようになって嬉しいです。」(Antti氏)

そして最後に気になる一言。「また9月下旬に来て、日本で大きな発表をする予定です。今年は『Angry Birds Space』とか大きな発表があったけど、もっと大きなものになる予定です。お楽しみに!」
《土本学》
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