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UDKを使ってみよう!【実践編1】ゲームタイプとレベルデザイン ・・・「Unreal Japan News」第45回

ゲームビジネス 開発

前回アンリアル・スクリプトを簡単に紹介しましたが、アンリアルスクリプトを利用することで様々なゲームのタイプを簡単に構築できます。前回はサードパーソン視点のゲームを作るサンプルでしたが、今回は横スクロールのゲームをサンプルを参考にしながらレベルの構築について見ていきましょう。



■レベルデザインとは
レベルとはなんでしょう?平たく言うとレベルデザインのレベルというのはゲームが行われるマップ(ステージとも呼ばれます)とその上に構築されているギミックやロジックも含んで呼んでいて、遊びの要素を含んだ、というよりむしろ遊びの要素を主眼においたマップのデザインとなります。また最近はレベルデザインという言葉とならんで「レベルデザイナー」という言葉も普通に耳にするようになったと思いますが、このレベルをデザイン(設計・創造)する人達がレベルデザイナーです。

数年前まではレベルデザイナーという職種はあまり日本では一般的ではありませんでしたが、ゲームエンジンを利用することも一般的になり、近年の3D系のゲームエンジンはレベルエディタが備わっていて、このレベルエディタの上でレベルを作ってはテストして、またレベルを修正してはテストして、ということが簡単に凄く早いサイクルで繰り返せるようになっているのですが、面白いゲームを創り上げるためにはこの作業がとても重要である、という思想の元にこのような作りになっています。そしてレベルエディタ上で面白いレベル(マップ)のデザインを行うというこの仕事がとしてようやくレベルデザイナーという仕事として確立されてきたというところです。

※実際には国内でも古くから社内エンジンであったり、社内レベルデザインツールやワークフローを持っていて、レベルをデザインする人たちはいました。これまではレベルデザイナーという単独の職種として確立されいなかったという感じです

前置きが長くなりましたが、実はレベルデザイン、ゲームの面白さを備えたマップを制作する前に考えなければならない大変重要な要素があります。
それは「ゲームデザイン」です。どのようなゲームにするのかが決まっていないと、レベルの作りようもありません。


■ゲームデザインとゲームタイプ
ゲームデザイン、一口に言ってしまうと、どのようなゲームなのかをデザイン(設計・創造)することなんですが、それはそれは奥の深いものなので詳しくは専門書をあたってください、それだけで1冊の本になってしまうようなものです。
ここではざっくりとゲームデザインを構成する要素をあげてみます。

・ゲームの見栄え
・プレイヤーの挙動と操作
・ゲームシステム・ルール

アンリアル・エンジンでは、これらの要素を細かく設計・制御できるのですが、これらの要素をまとめているものとして、「ゲームタイプ」というものがあります。今回はゲームタイプと、ゲームの見栄えとプレイヤーの挙動と操作をコントロールしている部分の関係を見ながらレベルデザインのさわりに入っていきたいと思います。


■ゲームタイプ
実は前回の「UDKを使ってみよう!【基礎編】」でサードパーソン視点を実現するためのドキュメント「基本:ゲーム開発のクイックスタート」ページ中にゲームタイプに関する記述があります。

http://udn.epicgames.com/Three/BasicGameQuickStartJP.html#Gametype(ゲームタイプ)

この中で、このゲームはどのようなタイプのゲームであるかが定義できます。ドキュメント中では

・プレイヤーコントローラー (プレイヤー操作とカメラの指定)
・ポーン (操作キャラクタ)
・HUD (Head Up Displayの略で、画面上に表示される情報)

は、どのようなクラスを使うかという指定をしていますが、さらに詳しく様々な設定をする事も可能です。

詳しくは「ゲームプレイ 技術ガイド」を参照していただければと思いますが、プログラミングの知識がないと難しいかもしれませんので、後々もう少し簡単な説明ができればと思います。
http://udn.epicgames.com/Three/GametypeTechnicalGuideJP.html

それでは、前回の「基本:ゲーム開発のクイックスタート」のサードパーソン視点とは別のゲームタイプの参考例を見てみましょう。

プラットフォーマー スターターキット
(駅のプラットフォームのような土台が横にスクロールしていくようなゲームを欧米ではプラットフォーマーと呼びます)
http://udn.epicgames.com/Three/DevelopmentKitGemsPlatformerStarterKitJP.html

このページの一番下に、コンテンツのダウンロードリンクがあるのですがこちらになります。
http://udn.epicgames.com/Three/rsrc/Three/DevelopmentKitGemsPlatformerStarterKit/PlatformerStarterKit-2011-Oct.zip

このzipファイル中のSPG_GameInfo.ucがやはりゲームタイプの指定なのですが、前回の「基本:ゲーム開発のクイックスタート」よりもう少し長めの記述になっています。


■プラットフォーマー スターターキットのレベルデザイン
プラットフォーマースターターキットをダウンロードしていただいて、実行してみると横スクロールのゲームになっています。実際どうやっているんでしょう?アンリアル・スクリプト上のキモは2点

・カメラを横から見るものに変更(SPG_Camera.uc)
oさらに詳しく説明するとこのカメラ良くできていて、SPGCameraProperties.ucというクラスでパラメータ調整できるようになっていて、ArchType化されたクラスで、簡単にカメラの向きを設定・調整できるようになっています。

・プレイヤーの挙動(SPG_PlayerController.uc)
oカメラの向きに合わせて、カメラから見て左右・上下方向にプレイヤーを移動させます。

これらのクラス中で横スクロールのゲームの挙動の主な部分が制御されているんですが、実際覗いてみるとそれほど沢山のコード量ではありません。レベル上のキモは

・「ブロッキングボリューム」でサンドイッチすることでプレイヤーの移動範囲を制限していることです。

ピンクのボリュームがブロッキングボリュームです


これら3点(カメラ・プレイヤー・ブロッキングボリューム)の制御で、横スクロールのゲームが実現できてしまっています。


■ゲームタイプの変更
では、プラットフォーマー スターターキットのゲームタイプを変更するとどうなるでしょう?サンプルのレベルを開いてみて「表示」(View)メニューの「ワールドプロパティ」(World Properties)で、WorldInfoを開いてみてください。



このWorldInfoの中に「GameType」という項目があり、「Game Type for PIE」というプロパティで、SPG_GameInfoと指定されています。こちらをUTGame (Unreal TournamentのGameType)に指定するとどうなるでしょう?プロパティを変更したらエディタ右上の右向きの緑の矢印アイコン、もしくはF8キーですぐにテストできます。



横スクロールのゲームから一転して、FPSのゲームにあっという間に早変わりしました。でも、左右をブロッキングボリュームでサンドイッチされているので前後にしか移動できませんが、ESCキーでテストプレイを抜けて、エディタでピンクのブロッキングボリュームを選んでダブルクリック(F4キーもしくは右クリックして一番上のメニューでも開けます)してプロパティを開いて、「Collision」の項目中の「Collision Type」をCOLLIDE_NoCollisionに変更してみてください。

ここでまたテストしてみると見事に普通のFPSになりましたね


■その他のレベル構成要素
プラットフォーマー スターターキットサンプルには、その他にもエレベーターや、アイテム等、ダメージ床が配置されているので、独自のゲームを作成していく為にいろいろと参考になる部分が多いのですが、今回は分量も多くなってきましたので次回に譲りたいと思います。時間に余裕のある方は、Classesフォルダに入っている各種スクリプトファイル(*.uc)を覗いてみてください。


■次回予告
次回はさらにレベルデザインの深い説明をしつつ、皆さんの独自のゲームをより効率的に作成できるような機能についてもお話できればと思います。Gamebusiness.jp 「Unreal Japan News(エピック・ゲームズ・ジャパン)」の今後にもぜひご注目ください。

■参考URL
・UDKサイト
http://www.udk.com/>http://www.udk.com/>http://www.udk.com/

・UDKドキュメント
http://udn.epicgames.com/Three/DevelopmentKitHomeJP.html

・UDK日本語フォーラム
http://forums.epicgames.com/forums/408-UDK-Japan

・エピック・ゲームズ・ジャパン tumblr
http://epicgamesjapan.tumblr.com/

・エピック・ゲームズ・ジャパン twitter
http://twitter.com/EpicGamesJapan
《編集部》

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