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「ユニティ アジア・ブートキャンプ・ツアー:東京」開幕 ― チェコの開発者が職人的なこだわりを披露

ゲームビジネス 開発

会場となったベルサーレ神田
  • 会場となったベルサーレ神田
  • ロビーには協賛企業のデモが展示
  • 各セッションは満員御礼で立ち見がでるほど
  • 基調講演を務めたPetr Smilek氏
  • ユニティのフラッグシップ的な存在となった本作
  • 公式ブログからサンプルデモが落とせる
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社は4月12日・13日、ゲームエンジン「ユニティ」に関する技術カンファレンス「ユニティ アジア・ブートキャンプ・ツアー:東京」をベルサール神田で開催しました。

初日は基調講演を含む2トラック9セッションが開催され、約400名のゲーム開発者が参加しました。

ユニティはデンマーク発のゲームエンジンで、2005年のリリース後、急速に成長。4月11日には登録デベロッパーが100万人を突破し、累計ダウンロード数は600万件を越えるまでに成長しました。一昨年より日本でも急速に浸透が進み、昨年秋に開催されたCEDEC2011でもプログラミング・環境部門で最優秀賞に選ばれるなど、プロからアマチュアにいたるまで、幅広い層から高い評価を受けています。

特に今年は国内でソーシャルゲームのスマートフォン展開が本格的に進むと予測されています。そのため3Dのリッチなゲームコンテンツが、iOSとAndroidのマルチプラットフォームで開発できるとあって、大手から中小まで採用事例が急増中。本カンファレンスも2日間で12600円という有償カンファレンスでしたが、会場は非常に盛況で、あらためてユニティの勢いを感じさせました。

会場となったベルサーレ神田ロビーには協賛企業のデモが展示各セッションは満員御礼で立ち見がでるほど


トップバッターとして基調講演を務めたのは、マッドフィンガーゲームズのテクニカルリード、Petr Smilek氏です。同社はiOS&Android向けSF3Dシューティング『ShadowGun』で注目を集めたチェコのベンチャー企業。Smilek氏は「SHADOWGUN: making fast and shiny graphics / 高速でカッコいいグラフィックスの作り方」と題して、ユニティ上でモバイル向けに美麗なゲームを開発する上での秘訣について語りました。

『SHADOWGUN』はE3 2011で話題になった三人称視点シューティングで、昨年9月にリリースされました。ゲームエンジンにUnity3.5を採用し、高度なシェーダーとライティングを使用しつつ、iPad2で60fps動作を実現しています。

同社は2010年に起業し、iOS向けアクションゲーム『SAMURAI』『SAMURAI II』をリリース。当時は4人の開発チームで5ヶ月間のプロジェクトでした。その後『ShadowGun』では開発チームが10名となり、現在は2ライン17名のスタッフで新作を開発中です。全てのプロジェクトでユニティが採用されています。Smilek氏はユニティの採用理由について「マルチプラットフォーム対応で、軽量で柔軟性に富み、シンプルなワークフローが構築できる。さらにコミュニティが活発で、たくさんのプラグインが存在する」と語りました。

基調講演を務めたPetr Smilek氏ユニティのフラッグシップ的な存在となった本作公式ブログからサンプルデモが落とせる


一方でSmilek氏は自社の強みが優秀なグラフィックチームにあると説明し、『ShadowGun』でも三人称視点シューティングとして楽しめるだけでなく、美麗なグラフィックでSF的な世界観や没入感をプレイヤーに提示することがコンセプトにあったと説明。具体的にはエフェクトに注力したと語りました。

もっとも、iPhone4Sや新型iPadといった最新のモバイル機種だけでなく、できるだけ幅広いハードウェア(本作はiPhone 3GSや第3世代のiPod touchにも対応しています)で遊べるようにするには、それなりの「ずる(チート)」が必要だと語ります。そのため、できるだけ多くのユーザーにリーチする美麗なゲームを開発するためには、特にGPUの最適化が必要だと語り、さまざまなノウハウ披露しました。

中でも重要だとされたのはシェーダーの処理です。コンソールゲームだけでなく、スマホ向けゲームでも昨今ではさまざまなシェーダーを用いて、雰囲気のある映像表現が行われるようになっています。しかし、Smilek氏はユニティ上ではフラグメントシェーダ(ピクセルシェーダ)のGPU負荷が非常に高いため、かわりにバーテックスシェーダ(頂点シェーダ)を使用するべきだと語りました。
 
具体的なシェーダーについては、ユニティの公式ブログから『ShadowGun』の最初のレベルのサンプルデモがダウンロードできので、こちらを参照して欲しいそうです。
http://blogs.unity3d.com/2012/03/23/shadowgun-optimizing-for-mobile-sample-level/

また同社の高橋啓治郎氏も講演「UnityでモバイルGPUのパフォーマンスを絞り出す方法」内で「本サンプルには参考になるシェーダーがたくさん含まれているので、ぜひ自分たちのプロジェクトにあわせて、積極的に活用して欲しい」と呼びかけていました。
《小野憲史》

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