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注目漫画「バディ スピリッツ」誕生の裏側に迫る ― 岸本みゆき先生インタビュー

ゲームビジネス 開発

「ヒーローを生み出し育ていく」をコンセプトに掲げ、2011年11月に創刊した漫画雑誌未来形コミック月刊「ヒーローズ」の注目作、「バディ スピリッツ」(脚本:岸本みゆき、作画:gyuo、構成:黒岩よしひろ)。202X年の未来、ロボットが人間にとってかけがえのないパートナーとなった世界を舞台に、警視庁の独立機関として創設されたロボット部隊「SARF(サーフ)」の活躍を描く近未来ロボット・ポリス・ストーリーだ。ストーリーを手がけるのはアニメ・ゲームの脚本家として活躍中の岸本みゆきさん。岸本さんが求める理想のヒーロー漫画とは?
(文・荒川澄)



―――岸本さんが「バディ スピリッツ」の脚本を手がけることになったきっかけを教えてください。

岸本みゆきさん(以下岸本):まずヒーローズ編集部から「ロボット刑事と主人公の“バディ(相棒)もの”を始めたい」と相談を受けました。マンガ雑誌が売れないこの時代に新しい雑誌を、しかも「ヒーローもの」でやろうというコンセプトに共感したというか、男気を感じまして(笑)、ぜひお手伝いさせていただきたいと思いました。そこから企画の打ち合わせが始まり、世界観の設定からキャラクター、各話のドラマの流れを作って、最終的に連載が開始されるまで約1年ほどかかりましたね。オリジナル作品の立ち上げには、やはり毎回産みの苦しみを味わいます。

―――脚本を書くうえで、どのような点を重要視されているのでしょうか。

岸本:月刊「ヒーローズ」のターゲットである20~40代の男性が連想するヒーロー像は、“少年時代に読んだ漫画のヒーロー”や“アニメのスーパーロボット”、“特撮ヒーロー”だと思います。大人の読者が読むからといって、何も作風まで大人向けにする必要もないと思いました。読者がかつて夢中になったTVや漫画のノリを大事にして、彼らに童心に返ってもらうことが大事だろうと考えました。

―――岸本さんは脚本を担当されていますが、黒岩よしひろさん、gyuoさんとの役割分担を教えてください。

岸本:僕が書いたシナリオを黒岩先生がコマ割りまで決めたネーム(下書き)にして、gyuoさんが作画していくという流れです。“脚本”という仕事は、シナリオがあがってしまえばそれまでというわけではなくて、僕はネームも作画もチェックさせてもらっています。たとえばルビなんかは自分で直さないとわからない部分もありますので。黒岩先生にネームを起こしていただいた時も、gyuoさんが作画された後も、必ず見せてもらって、脚本を書いた立場から意見を言わせていただいています。

―――岸本さんが考える「バディ スピリッツ」の魅力とは。

岸本:一番の魅力は、いわゆる「王道」「お約束」の部分を、恥ずかしがらずにキッチリと描いていけるところだと思います。僕たちが子供の頃に胸を熱くさせたヒーローたちの姿を、もう一度世に送り出す。それは単なる“懐古主義”ということではなくて、今の時代に則した形で。「バディ スピリッツ」のテーマは「人間とロボットの絆」ですが、これは昔からやり尽くされてきたテーマで、この普遍的ともいえるテーマをいかに古臭くなく、かつ王道のヒーローとして描けるかが勝負です。

「ヒーローズ」は20~40代の男性がメインターゲットですが、gyuoさんの画力なら女性や10代の若い人たちにも響くと思いますし、僕と黒岩先生でわかりやすいストーリーや演出を見せることができれば、年配の方にも読んでいただけると思います。

―――性別や世代を問わず楽しめるということですね。では、最後に読者の方にメッセージを。

岸本:ラストまでの大まかなストーリーの流れは頭にあるのですが、そこに行きつくまでの過程は、かなり柔軟に作れるようにしてあります。娯楽作品として読者の方にどう喜んでもらえるかが大事だと思いますので、僕自身も読者の視点に立って、毎回「どういう展開ならワクワクするのか・・・」を考えながら作っています。ドラえもんに登場する「ライオン仮面」的なノリですね(笑)。オシシバディやオカメバディが登場するかはわかりませんが、今後も皆さんがハラハラドキドキするようなドラマ作りを心掛けていきますので、是非ご期待ください。


■岸本みゆき 
フリー脚本家。TVアニメ「SDガンダム三国伝 Brave Battle Warriors」では脚本の他、漫画版の構成やプラモデルの設定制作なども担当。
《アニメ!アニメ》

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