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【GDC2012】結局ユーザーに愛されるのが収益の鍵・・・フリーミアムで躍進するPopCapの『Bejeweld』

ゲームビジネス 開発

 
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『Bejeweled』というパズルゲームをご存知でしょうか? 画面に敷き詰められた宝石(パネル)を前後左右に入れ替えて、3つ以上同じ種類を繋げて消す、というシンプルなゲームです。エレクトロニック・アーツが買収したカジュアルゲームメーカーPopCapの看板タイトルで10年以上も前から愛されているゲームです。

世界中で愛される『Bejeweled』 発音はビジェウェルドって感じ?


そんな『Bejeweled』はiPhoneで2種類、しかも無料(フリーミアムモデル)と有料(プレミアムモデル)という異なるビジネスモデルで提供されている珍しいゲームとなっています。元々は有料のみでしたが、後に無料版も提供を始めました。そんな本作のフリーミアムへの転換についてPopCapのGiodano Bruno Contestabile氏が語りました。

2つのバージョンが提供されるまでには歴史があります。まずPopCapは、AppStoreがオープンした2日後から有料の『Bejeweled 2』を提供開始しました(2008年夏)。その後、2009年11月にFacebookで『Bejeweled Blitz』というバージョンをリリースしました。これは時間制限ありで特典を競う「Blitz」モードが特徴で好評を博しました。そこでiPhoneの『Bejeweled 2』もアップデートし、Facebookとの連携や「Blitz」モードを導入します。これが2010年4月のことです。

しかし時はフリーミアム全盛期。PopCapは決断します。提供していた『Bejeweled 2』を廃止し、代わりに「Blitz」モードのみの『Bejeweld Blitz』を無料で、「3」の最新ルールなど複数のモードを収録した『Bejeweled』を有料で提供することにしたのです。この入れ替えは2010年12月に行われました。このような流れが話の前提となります。

※ただし残念ながら日本では『Bejeweled Blitz』のみしか提供されていません

■ユーザー拡大がもたらす圧倒的な収益性

フリーミアムとプレミアム(0.99ドル)の2つを提供して分かったのはフリーミアムモデルの圧倒的な収益性です。ダウンロード本数はフリーミアムが1000万回、プレミアムが100万回と10倍の差があり(有料で100万というのはそれ自体は凄い数字ではありますが)、アクティブユーザーは週平均で5倍、さらに売上も5倍だそうです。この数字は現在でも伸びつつあるとのこと。

フリーミアムとプレミアムを用意それぞれの比較iOSとFacebookでの比較


また、iPhoneとFacebookを比べると、iPhoneの圧倒的なパワーが浮き彫りになります。アクティブユーザーはFacebookが3倍あるのに対して、ARPUはiPhoneの方が3倍もあり、1日のプレイ回数も2倍です(平均で52回遊ぶ)。7日後の継続率も2倍で、課金ユーザーの率も2倍です。

Contestabile氏はこの差について、「いつでも遊べるという環境の違いが大きいのではないか」と指摘。「当社の調べではトイレでゲームをする人は非常に多い、大きなビジネスチャンスがある」と冗談を飛ばしていました。また、短いプレイ時間を積み重ねられる「Blitz」とモバイルの相性が良いこと、アップルの課金システムが整備されていることなども要因に挙げられました。

ARPUは減少したが全体の収益は拡大している


Contestabile氏が述べたのはユーザー拡大ことが収益の拡大ということ。フリーミアムを導入したことでARPUは減少しました(有料で買ったユーザーの方が、追加課金も払いやすいということ)。しかし、圧倒的なユーザー数の拡大によってARPUの減少を補って余りある全体の売上の向上があったそうです。

■もっと楽しむために課金する

ちなみに「パズルゲームの課金って?」と思われる方も多いかもしれません。『Bejeweled』で販売しているのは、得点増加など様々な効果をもたらす「ブースト」、召喚獣のようなキャラが助太刀してくれる「レア ジェムス」、これらのアイテムをランダムで獲得できるスロットに挑戦できる「デイリースピン」で、数十セントという安価で購入できるものだということです。広く薄く課金するという方法です。

ブーストレア・ジェムスデイリー・スピン


Contestabile氏は課金に当たって重要なポイントは楽しませることだと言います。「Pay Now!」(今すぐ課金を)というように、課金しないことで遊びの幅を狭めたり、課金を強いることは決してプラスにならないと指摘します。「お金を払わなくても長く遊べ、かつ、お金を払うことでもっと楽しい状態を作り出すのが大事です。面白いゲームは長く遊んでもらえます。長く滞在してもらえます。結局はそれがお金に変わるのです」

『Bejeweled』の次の挑戦はAndroid。とてもチャレンジングな戦いになるとContestabile氏は述べていました。デバイスの数が大きく、課金システムも整理されていません。しかし、スマートフォンユーザーの半分はAndroidであり、沢山のユーザーに愛されることこそ収益の秘訣であるならば挑戦する価値のあるマーケットです。

「フリーミアムには計り知れないほどの可能性があります。今までゲームを決して遊ばなかったような何十億人もの人々がお客さんになるのです。そしてマーケットは全世界に広がります。フリーミアムは市場とお客さんを切り開く可能性なのです」

沢山のユーザーに愛されることが成功に繋がる


ちなみに『Bejeweld Blitz』にはFacebookとの連携がオプションとして用意されていて、連携するとFacebookの友達とスコアを競うことができます。しかしContestabile氏によれば連携率は僅か20%に留まっているとのこと。連携はソーシャルグラフが利用できるようになるという利点もありますが、ユーザーにとっては難しくメンテナンスも難しく悩みの種になるとのことでした。
《土本学》

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