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【Autodesk×Unity】マトリックスが自社ブランドに挑戦~Androidの『Ragdoll』

デベロッパーとして知られるマトリックス。設立は1994年でコンシューマーを中心に「会社一丸となって、面白いコンテンツをまじめに考え、つくる」をモットーに様々なゲーム開発に携わってきました。

ゲームビジネス その他
デベロッパーとして知られるマトリックス。設立は1994年でコンシューマーを中心に「会社一丸となって、面白いコンテンツをまじめに考え、つくる」をモットーに様々なゲーム開発に携わってきました。セミナーでは同社のコンテンツ事業部 デザイン開発課主任 高崎奈美氏と技術開発課の杉浦祐輝氏がAndroid向けに提供している『Ragdoll』の開発事例について話をしました。

かわいいラグドールで遊べるアプリ


ラグドールとは、ぬいぐるみ人形のこと。マトリックスの開発した『Ragdoll』は可愛らしいラグドールをスマートフォン上で楽しんだり、友達とコミュニケーションを取るアプリです。ライセンスを受けた、ラスカルやグルーミーなどの版権キャラでも楽しめるそうです。現在Android Marketで無料ダウンロードできます。

受託開発を主に行なってきたマトリックス。『Ragdoll』は2010年冬頃に企画書が作られ、開発として「早い(すぐ結果を見せられる) 安い(なるべく予算をかけない) 上手い(やりたいことが実現できる)」みたいなテーマが掲げられ、「面白そうだから」という事でチームが作られたそうです。ただし、自社ブランドでのモノ作りは経験がなく「自社ブランドとして自信を持って出せるものに」という目標はなかなか大変だったそうです。

まずゲームエンジンの選定ですが、「早い 安い 上手い」というようなところから2つが選択肢として挙げられ、Unityに決定。2010年末頃から開発が始まりましたが、当時はまだUnityのコミュニティが国内ではそう盛んではなく、手探り状態だったそうです。

メンバー構成


初期の開発メンバーはディレクターの高崎氏とプランナー、☆プログラマー、☆ゲームデザイナー(テクニカルアーティスト)、ゲームデザイナーの計5人。新人からベテランまで経験はバラバラですが、フラットな関係が築けたそうです。Unity Proを導入したのは前述の☆が付いているプログラマーとゲームデザイナーの2名。この二人の間でデータが行き来し、お互いの役割分担について再度確認する機会になったとのこと。

データ作成の流れモデル(パーツ)データ


データ作成ですが、Mayaを用いてNurbsからポリゴン化。これにより、やり直しがすぐできる環境をつくれたそうです。キャラクター毎にRigをカスタマイズしています。MayaとUnity間のデータの受け渡しにはFBXを使用。Mayaのデータ形式(.ma)を使わなかったのは、受け取り側にもMayaをインストールする必要があるため。

アニメーションデータの作成


流れとしてはMayaでメッシュ、ジョイント、アニメーション(モーション)、UIの一部(動きがあるもの)を作成し、それをFBXにしてUnityにインポート。Unityではマテリアル、Physicsの設定、プレハブ化を行なっています。シェーダーはUnityの「Strumpy Shader Editor」を使ってデザイナーが作成したとのこと。これはノードを繋いでいくだけで作成できるのでプログラミングの知識が不要です。

メニュー周りはUnity標準の「GUI Texture」ではデバイス毎の画面解像度や縦横比の違いで問題が出る場合がある(多様なデバイスが存在するAndroidゆえの苦労か)うえ、Draw Call数が増大するため、サードパーティの開発する「EZ GUI」を採用。これにより、解像度や縦横比で崩れてしまうことがなくなったとのこと。

容量の削減ではテクスチャアトラスを使ったものの、今度はロード時間が増えるという問題が発生。そこでUnityのAssetBundleを使用。まとめやすい単位でAssetBundleを作成。AssetBundleはダウンロードしてローカルに保存され、アプリは起動時にAssetBundleに更新や追加があるかサーバーに問い合わせて必要なものだけダウンロードするという挙動になります。これにより、アプリ本体を更新しなくても一部データの差し替えが可能になります。

その他、フォントは「ひま字フォント」を使用。2048×2048のフォントテクスチャサイズにギリギリ収まるサイズでインポートしたとのこと。ライティングではPixel Light Countを減らすことで大幅な描画時間の短縮があり、『Ragdoll』では2→0にすることで約4割を削減できたそうです。パラメータ管理は膨大になったためExcelで管理し、それをマクロで書き出しインポート。バージョン管理にはSubversionを利用したそうです。

最後に開発を振り返ると、初めてのUnityながらテストプレイの繰り返しの容易さが開発を支えたそうです。「手探りの試行錯誤でしたが、手掛かりとなる情報を見つけて、実装したら直ぐにシーン上で確認ができる、試せる数が多いというのは助かりました。この繰り返しの速さは以前までの環境では考えられませんでした」(高崎氏)

また、Unityのコミュニティの強さも実感したそうです。「フェイスブックの『Unity助け合い所』は凄く助かりました。今まで、クローズドにコンシューマー開発をしていた人間からすると別世界で、Unityの言う『ゲーム開発の民主化』というものを実感しました。仕事中にはネットは出来ないという会社も多いと思いますが、オープン化によって技術の進歩は格段に早まると思います。開発会社も変わっていかなければなりません」(高崎氏) ただし、本開発においては「速い 安い 上手い」の「速い」は達成できなかった(約1年間かかった)として、Unityは使い易い環境だけれども「ビジョンと計画性も大切に」と呼びかけていました。

Unityを使って良かったことつくりましょう!
《土本学》

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