人生にゲームをプラスするメディア

ベセスダの最新作『Hunted: The Demon’s Forge』はUnreal Engine 3を活用・・・「Unreal Japan News」第14回

ダンジョン探索型RPGの名作、『バルダーズ・ゲート』や『Fallout』、『アイスウインド・デイル』といったタイトルを手がけてきたクリエイター達は、アクション指向の強まった現代のゲーマーのために、このジャンルの再定義をしようとしています。

ゲームビジネス 開発
ベセスダの最新作『Hunted: The Demon’s Forge』はUnreal Engine 3を活用・・・「Unreal Japan News」第14回
  • ベセスダの最新作『Hunted: The Demon’s Forge』はUnreal Engine 3を活用・・・「Unreal Japan News」第14回
ダンジョン探索型RPGの名作、『バルダーズ・ゲート』や『Fallout』、『アイスウインド・デイル』といったタイトルを手がけてきたクリエイター達は、アクション指向の強まった現代のゲーマーのために、このジャンルの再定義をしようとしています。inXile社はPC/Xbox 360/Playstation 3向け最新作、『Hunted: The Demon’s Forge』用にアンリアル・エンジン3のライセンスを取得しました。ベセスダ・ソフトワークスから発売されるこのタイトルは、地上とダンジョン内部でのマルチプレイヤーでの冒険にフォーカスしています。



inXileのCEO、Brian Fargoは80~90年代のダンジョン探索ゲーム全盛期をこよなく愛しています。彼によれば、Huntedの最終目標は「現代の技術とアンリアル・エンジンを使って、Playstation 3/Xbox 360/ハイエンドPC向けにダンジョン探索ゲームを作ったら、どんなものになるのだろう?」という問いに答えることだと語ります。

「我々はアンリアル・エンジンを5年ほど使っています」とinXileのゲームディレクター、Maxx Kaufmanは話します。「最高のツールだね。アンリアル・エンジンはものすごい進化を続けているし、特にPS3に関しては目ざましい。EpicがPS3用のツールを開発してくれたおかげで、Huntedをマルチプラットフォーム対応させるのがとても楽になった」

開発チームはEpicのサポートネットワーク、Unreal Developer Network (UDN)を非常に活用しています。Kaufmanによれば、何年もUDNを使ってきたけれど、質問をアップするといつも有意義なフィードバックが返ってくるそうです。「ゲーム開発中にはものすごく助かるよ。大規模な専門家のネットワークがすぐ手元にあるようなものさ」

「Huntedの開発には、アンリアル・エンジン3の機能のほとんどを使用している」とKaufmanは言います。「カットシーンは全てマチネを使っているし、ゲーム中のスクリプト進行イベントの一部でもマチネを使用している」

「このゲームではストーリーが非常に重要なんだ。『Hunted』ではキズメットを使用しつつ、アンリアルと互換性を持つように制作した我々独自のスクリプトランゲージも使用している」

UE3の技術を利用することに加えて、inXileはギアーズ・オブ・ウォーの協力プレイモードからもインスピレーションを得ました。2人用のオンラインモードに加えて、シングルプレイヤーモードでも2人の主人公が激しいアクションを繰り広げます。

新しい要素として、それぞれに固有の武器やスキルを持つ2人のキャラクターを、プレイヤー2人がどちらを操作するか切り替えられるという機能があります。シングルプレイヤーモードをプレイ中、いつでもオンライン協力モードに参加することも可能です。シングルプレイヤーモードで育てたキャラクターをオンラインで使用し、ゴールドやクリスタルを集めて、あとでまたオフラインのシングルモードに戻ることもできます。もちろんオンラインで得た戦利品は全てオフラインへ持ち帰れます。

inXileのMatthew Findley社長は、『Hunted』のカバーシステムも『ギアーズ』からインスピレーションを受けたものだと話します。遮蔽物から遮蔽物へとすばやく移動し、敵の側面を突くというゲームプレイは、『ギアーズ・オブ・ウォー』が初めて採用しシューター・ジャンルでの革命ともなりました。『Hunted』の開発チームはこのゲームプレイを再現しようと試みたそうです。Findleyによれば、『Hunted』の操作性はギアーズと同じくらい良く出来ているので、コンソールゲーマーならすぐにゲームに慣れられるだろう、とのこと。

「たくさんのゲームを見てきたが、我々にとって『ギアーズ』の影響は非常に大きい」とKaufmanは言います。「チーム内でもしょっちゅう『ギアーズ』をプレイしているよ。常に参考にしている。多くのFPSやアクションゲームを見てきたが、『Hunted』がアンリアル・エンジン3を使っていることを考えれば、ギアーズを参考にして多くの優れた点を吸収しようとするのは、とても自然なことだ」

inXileのFargo CEOは、彼が少年の頃から愛してやまないダンジョン探索ゲームというジャンルを、Huntedを通じて若い世代のゲーマーへ訴求したいと願っています。

「昔のダンジョン探索ゲームをプレイしていた頃は、我を忘れて没頭していた」とFargoは語ります。「アクションゲームも好きだよ。でも、遠くから身の毛のよだつような音が聞こえてきて、その正体を確かめるために回廊の先へと進んでいく・・・そんなゲーム中の“間(ま)”が最高なんだ」

inXileにとって、ベテランゲーマーにはお馴染みのダンジョン探索ゲームの雰囲気を呼び起こしつつ、新しい方向へと発展させるという『Hunted: The Demon’s Forge』の開発には、アンリアル・エンジン3が最高の選択でした。

(C) 2010, Epic Games, Inc. Epic, Epic Gamesロゴ、ギアーズ・オブ・ウォー、アンリアル、アンリアル・エンジン、アンリアル・キズメット、アンリアル・マチネは、米国およびその他の地域におけるEpic Games Inc.の商標または登録商標です。その他の全ての商標は、各商標所有者の知的財産物です。All Rights Reserved.
《土本学》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 【CEDEC 2012】開発環境共通化の意義とメリット ― カプコン「MT FRAMEWORK」の場合

    【CEDEC 2012】開発環境共通化の意義とメリット ― カプコン「MT FRAMEWORK」の場合

アクセスランキングをもっと見る