任天堂の坂本賀勇氏は海外メディアRevogamers.netに『メトロイド』の制作秘話を語りました。氏は『メトロイド』『スーパーメトロイド』を手がけた、『メトロイド』シリーズの生みの親です。
主人公サムス・アランといえば、任天堂を代表するヒロインの一人。普段はメカニカルなスーツに身を包んでいますが、短時間でゲームを解くと女性であることが判明して話題となりました。
「開発の最初、サムスの性別は決まっていませんでした。開発している間にスタッフと話したのは“ゲームを解いたときにサムスが実は女性だった・・・と分かったら、プレイヤーをびっくりさせるんじゃないか”ということでした。良い考えだと思ったので、我々はこれを取り入れました。偶然にも僕には娘がいたんですよ」
「僕らは面白いゲームコンセプトを作りました。最終的に製品がどういう形になるか分かる前に発売日が決定されました。ゲームはプレイできる状態じゃなかったですが、発売日はあっというまに近づいてきました。初代『メトロイド』のチームメンバーはゲーム開発経験が少なく、僕は数本のゲームに携わったことのある一人でした。僕らは緊急ミーティングを行い、ゲームに何も加えることなく今ある問題を解決できるよう討論しました。このときに決まったのが、迷宮のようなシステムです。パワーアップと秘密のドアとアビリティが新しいエリアへの道を開くんです」
Revogamers.netは「ダウンロードタイトルになるとしても、2Dの『メトロイド』に戻りたいですか?」と問いかけますが、坂本氏はこう答えます。
「2Dの『メトロイド』や、似たようなタイトルの計画も現在はありません。しかし、機会があるか新しいアイデアが浮かぶならきっとそれは楽しいでしょうし、何かしてみたいですね」
『メトロイド』シリーズは海外開発が続いていましたが、海外と日本のサムス像の違いに関してはこう語ります。
「シリーズはしばらく海外にありましたが、いまはルーツに帰っています。『メトロイド』神話の多くの支持者たちは日本への帰還に満足していると思います。サムス像に関しては難しい質問です。皆が『メトロイドプライム』シリーズに関して尋ねますが、これは『メトロイド』の時間軸の一部ではありますが、完全に異なったものです。これらは完全に無関係ですが、サムスのパーソナリティの別な一面を表すものであり得ます。僕は西洋開発のサムスと日本開発のサムスの間に境目を作りたくないんです。僕にとって本当のサムスは、皆さんが『METROID : Other M』で出会うサムスですね」
『METROID : Other M』発売直前に収録されたこのインタビュー、『メトロイド』誕生前夜の熱気が伝わってきますね。