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『ゴーストトリック』開発後記onインサイド(第5回)・・・巧ディレクターそして竹下プロデューサーに聞く

『逆転裁判』シリーズの巧舟が贈る、新感覚ミステリー『ゴースト トリック』。発売から2ヵ月が経ちましたが、もう遊ばれたでしょうか? 序盤からぐいぐい引き込まれるストーリーと触って楽しい作りに魅了された方も多いのではないでしょうか?

任天堂 DS
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『逆転裁判』シリーズの巧舟が贈る、新感覚ミステリー『ゴースト トリック』。発売から2ヵ月が経ちましたが、もう遊ばれたでしょうか? 序盤からぐいぐい引き込まれるストーリーと触って楽しい作りに魅了された方も多いのではないでしょうか?

インサイドでは5週に渡って開発後記として開発チームの皆さんにお気に入りの場面と共に開発を振り返ってもらっていますが、最終回はもちろんこの方々。ディレクターの巧氏と、プロデューサーの竹下氏に登場していただきます。



巧 舟さん(ディレクター)

担当箇所は?
企画原案、ゲームデザイン、シナリオ、演出全般にディレクション…と、かなり自由にやらせていただきました。
メッセージ
このゲームは、『逆転裁判』シリーズとは違った方向性の、新しいミステリーを作りたい…という出発点から考え始めました。その際に選んだテーマが“群衆劇”。登場人物たち全員にスポットライトが当たって、彼らの抱える謎や事件が、最後にひとつの真実に結実する、長編の物語…そんなコンセプトでした。

振り返ってみると、今回いっしょに仕事をしてくれたのは、まさにこのコンセプトをなぞったような制作チームでした。20名のメンバー誰もがこのゲームに密接に関わっていて、“完成”というひとつのエンディングに向かって、一丸になって突き進んできた…そんな、強い実感があります。(“長編”というのも、なんとなくそのとおりで…完成まで、長い道のりでした…)

この原稿を書くために、これまで第3回まで、みんなの書いた文章を読んだのですが…彼らも同じように感じてくれているようで、とてもうれしかったです。

ぼくは、『ゴースト トリック』の企画からゲームデザイン、シナリオまで書いている、いわば“主犯格”なので、このゲームに対する思い入れは当然、キョーレツなものがあります。でも、他のメンバーたちが、今、それぞれ『自分自身のゲーム』として誇らしげに語ってくれているのを読むと、本当に感無量です。

『ゴースト トリック』は、なんというか…チームの愛情を一身に受けた、幸せなゲームだと思います。新谷さん率いるモーションチーム、長嶋さんを中心にした背景チーム、そして杉森くんのサウンド…個性と実力をあわせ持ったスタッフにめぐまれていました。彼らの生み出す素材には、細部まで愛情がこもっていて、ディレクターとして、見せてもらうのが楽しみでした。

また、その影に隠れがちで、なかなか表舞台に出てきづらいですが、本田くん率いるプログラムチームや山川くんたち企画チームの強力なバックアップも心強かったです。オリジナルのゲーム制作に、設計図なんてありません。「操作方法をどうするか?」「ゲーム中の視点をどう設定するか?」…などなど、インターフェイスデザインの植田くんもまじえて、何度も何度も試行錯誤を重ねたのですが…彼らの前向きな姿勢には、いつも助けられました。

そういうチームのエネルギーは、やはりゲームに反映されます。彼らに背中を押されて、制作の終盤、物語はどんどんイメージが広がっていって…ぼくの想像していた以上の地点まで連れていってもらえたように思います。

また、ぼくたち制作チームに、これだけ試行錯誤して、最後まで作り抜くだけの時間が与えられたというのも、本当に感謝しなければなりません。竹下プロデューサーをはじめとして、制作チーム外からも多大なる応援をいただきました。

みなさん、本当にありがとうございました。そして、おつかれさまでした!

これから、世界へ向けて“海外版”の動きも本格化しますが、ジャネットさんを始めとしたローカライズチームのみなさん、海外スタッフのみなさん、よろしくお願いします!

…と。なんだか身内のお礼参りみたいになってしまいましたが、そんな感謝に満ちたゲームが、この『ゴースト トリック』です。

作り手として、「理想のゲーム」とは、作ったヒトも、遊んだヒトもシアワセになれるものだと思いますが、とりあえず、その“前半部分”は成就できたかなと思っています。あとは、後半部分…それは最終的に、みなさんに決めてもらうコトですが…なんにせよ、まずは遊んでもらわらないと始まりません。きっと、なにかココロに残るゲームだと思うので、ぜひ手にとってみてくださいね!
メゾン・ド・ナムアミ701
この部屋は、テストも兼ねて最初に制作しました。少女が本を読んでドーナツを食べたり、子犬が彼女の後を追ってうれしそうに駆け回るシーンを作ったのですが…その、あまりのかわいらしさに、今回はとにかく“動き”にこだわってみよう…という方向性が見えた、記念すべきステージです。
このゲームでは、『登場人物たちの日常生活の裏側に潜む事件や謎を描く』というテーマがあったので、その“日常”をここまで自然に、かつ魅力的に表現できたのは大きな第一歩でした。

竹下 博信さん(プロデューサー)

担当箇所は?
開発チームを取りまとめ、費用やスケジュールの管理を行いつつ、広告や宣伝の企画・立案とその取りまとめを行っています。つまり、面白いゲームを作ってもらって、それをより多くの人に興味を持ってもらって、最終的には買っていただく。
そういう、様々な社内スタッフと、お客様との橋渡しを行いました。
メッセージ
ゴースト トリック をプレイして下さった皆さん、本当にありがとうございます。そして、楽しんでいただけましたでしょうか?発売以来、さまざまな機会にお褒めのお言葉を頂きます。中には、

「とても、面白かったです。いいゲームをありがとうございます。」

という意味のメッセージをいただいたりもします。本来お礼を言うのはこちらなのに!けれど、多くの方に喜んでもらえるのは、本当にありがたく嬉しいことです。


さて。

私は、巧ディレクターとは初めてタッグを組みましたが、それまでは「逆転裁判を作ったヒトかー」とおそらく皆さんが感じたのとそう変わらないであろう、第一印象でした。しかし…

彼はとても働きます。平日は、ほぼ夜中近くまで、しかも毎日です。休日も、会社に出てくることもしばしば。プライベートの方は大丈夫なのだろうか?とちょっとだけ心配になったりするくらい。けれど、それは間違いでした。

創作に没頭している!

この姿勢はチームにもビシビシ伝わっていったことでしょう。スタッフ一同、残業続きにもかかわらず、最後までやりとおしました。みんな楽ではなかった筈ですが、とても楽しんで作っていたように思います。それは、これまでのコメントからも感じ取っていただけるのではないかと思います。

きっかけは、彼の制作に対するひたむきさだったと思います。ただ、それも束の間。スタッフたちが常に楽しんで制作を行う姿勢になったのは、巧ディレクターの生み出すキャラクター像やストーリーが、群を抜いて面白かったからです。

このゲームに関わりたい、この素晴らしいシナリオを昇華したい。

スタッフの皆がそう思ったからこそ、楽しんで苦労をし、一丸となって行ったのだと思います。そしてスタッフは、見事にディレクターの要望に応えたと思います。

作らせてくれた、カプコンに感謝。作り上げた、巧ディレクターと開発チームに、お疲れさま。売ってくれた、プロジェクトスタッフにありがとう。

そして、買ってくれた皆さん、本当にありがとうございました!ゴースト トリックが、あなたにとって最高のミステリーの1本になってくれれば、とても嬉しいです!!
気に入ったシーンは幾つもありますが、カバネラ警部の登場シーンを選びたいと思います。
リンネさんも相当動きますが、「DSでここまで動くのか?!」とアニメーションにビックリした方は多いのではないでしょうか。これを初めて見た時、これはDSの最高峰だ、これは行ける!と感激した覚えがあります。
5週に渡ってお届けした『ゴースト トリック』開発後記はいかがだったでしょうか? まだ遊んだことのない方はぜひ一度触ってみてください。また、既に遊び終えてしまった方も、それぞれのお気に入りショットを見ながらもう一度遊んでみるのも楽しいのではないでしょうか?
《土本学》
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