任天堂の岩田聡社長は第70期の定時株主総会における質疑応答で、クラウド・コンピューティングに対する考え方を語っています。
クラウド・コンピューティングとは、おおざっぱに言えば「ネットの向こうにあるPCを借りる」というもの。ゲームの世界においては「自分は最低限度のPCしか持っていなくても、高性能のPCから処理した結果だけを受け取ることで、高スペックを要するゲームを遊べるようになる」といった使い方が可能です。
そのため、従来型の「ゲーム機を売る」というビジネスが崩れるのではないか・・・という懸念もありますが、岩田社長はあらゆる状況にクラウド・コンピューティングが適用できるものではないとの見解を明らかにしました。
クラウド・コンピューティングはネットを介してのやりとりとなるため、これに向いたものとそうでないものがあると指摘。
「私どものやっている娯楽というのは、人が何かをすると機械が何かを返してくれるという、いわば「反応が命」の部分があるんですね」と前置きした上で、「実は私どもがゲーム機の中で使っているさまざまな技術の中には、クラウド・コンピューティングに非常 に向いているものと、それが全く向かないもの、むしろクラウドでやるとお客様は、「ボタンを押したのに返ってくるまでにワンテンポ遅れるので気持ちが悪い」というようになってしまうものの、両方があると考えています」と語っています。
また、クラウド・コンピューティングがゲーム機ビジネスに及ぼす影響に関しては「あらゆる娯楽がクラウド・コンピューティングによって蹂躙(じゅうりん)されてしまうというようなシナリオもちょっと考えにくいと思います。」とコメントしました。
ゲームにはクラウド・コンピューティングに向いたものとそうでないものがあり、クラウド・コンピューティングを全否定する訳ではないが、これを使うにしても自社で設備を持つことはなく、他社と組んでいく・・・というのが岩田社長の姿勢。
「反応が命」という辺りは実に任天堂らしい回答ですが、逆にクラウド・コンピューティング的なゲームデザインを打ち出してくる可能性もあるわけで、任天堂流のクラウド・コンピューティングがいかなるものとなるのかが注目されます。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
その他 アクセスランキング
-
『Ghost of Tsushima』“真のヒロイン”は誰だったのか? 境井仁のモテぶりを振り返る─命の恩人から幼なじみまで
-
ネタバレ注意!『ソウル』シリーズで最も苦戦したボスは?3位『ELDEN RING』、2位『Bloodborne』、やはり1位は...?【アンケ結果発表】
-
『モンハンライズ』マルチプレイで押さえておきたい6つのポイントーみんなで集まって遊んだ日々が帰ってくる!
-
『FE 風花雪月』最推しコンビorカップリング投票結果発表─第3位の“ヒルマリ”を制した第2位、第1位は…!
-
『真・女神転生V』“美人&美少女”悪魔のオンパレード! お預け小悪魔からチラ見せ美女までお届け【フォトレポ】
-
公式Xが投稿の『ポケモン』を信楽焼で表現した作品がすごすぎる!リザードンやロコンなど、ほのおタイプのポケモンが温かみと迫力のある造形に
-
神秘的な海のロマンあふれるおすすめゲーム5選―美しくも厳しい海中世界を大冒険しよう!
-
読者が選ぶ「至高のフリーゲーム」10選!気軽に試して欲しい個性豊かで尖った作品が盛りだくさん!!
-
【今から遊ぶ不朽のRPG】『Arcanum』(2001)
-
「PS2ソフト」は大ヒット作だけじゃない! 個人的に好きなタイトルをただただ語りたい─『ヴィーナス&ブレイブス』など忘れられない6作品を振り返り