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【ゲームニュース一週間】-伸び続けるハイスコア、失われゆくテクニック

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今週はゲームの熱いハイスコア争いが話題となりました。

ニューヨークの外科医Hank Chien氏は『ドンキーコング』の世界記録を106万1700点に更新。従来から約1万点もスコアを伸ばしました。

『New スーパーマリオブラザーズWii』ではサウスカロライナのBrandon LeCroy氏が364万7680点の世界記録を樹立しました。

Steve Wiebe氏は119万400点のスコアで『ドンキーコングJr.』のチャンプに返り咲き。これまでの記録を5万点上回っての勝利となります。

『ドンキーコング』は発売から29年、『ドンキーコングJr.』は28年も経っているのですが、未だに記録が伸び続けるのですから驚異の一語に尽きます。ゲーマーたちの技術というのは永遠にレベルアップしていくものなのかも知れません。

『ドンキーコング』のChien氏は35歳、『New スーパーマリオブラザーズWii』のLeCroy氏が32歳、『ドンキーコングJr.』のSteve Wiebe氏が41歳と年代的にも近いのが面白いところ。いわゆる「働き盛り」の年代であり、経験と反射神経のバランスが取れる時期なのでしょう。

特に興味深いのは『ドンキーコング』のChien氏のプレイ暦です。35歳といえばオリジナル版の発売時に6歳。ついつい「29年間『ドンキーコング』を遊び続けてきた古強者」を連想しがちですが、氏が『ドンキーコング』に初めて触れたのは2006年、スコアアタックを本格的にスタートしたのは2008年のこととされており、わずか2年で世界記録を掴んだことになります。
プレイ暦=スコアでないとするなら、今後も氏のような超新星が続々登場してくる可能性があります。

「旧作ゲームソフトの保存」は一時期と比べると大きく進歩しました。
Wiiのバーチャルコンソールや、プレイステーション3・PSPのゲームアーカイブスなどの取り組みによって、旧世代の名作に触れられる機会も増えています。

しかし「旧作ゲームの腕前の保存」はまだまだ進行していないのが現状です。海外でこそTwin Galaxiesのような団体が公式にハイスコアを認定し、チャンプがGDCなどのイベントでプレイを披露していますが、日本での保存活動はあまり表に出てくることはありません。

シューティングゲームに関してはライブイベント「わっしょい!」がイベント性と競技性の融合を指向、観戦チケットが瞬殺される勢いですが、他のジャンルに関してはここまでの規模のものは難しいようです。

ゲームソフトと腕前が揃って初めて真に「ゲームを保存した」ことになるのではないでしょうか。腕前は人がゲームを遊んだという記録であり、そこにはドラマが発生します。

そうした意味では「ニコニコ動画」のプレイ実況などが「腕前の保存」に近いのかも知れません。特別なスコアラーでない個人のプレイ記録が積み重なることにより、時代性とプレイテクニックの両方が保存できる可能性があります。

「腕前の保存」に関し、ごく大ざっぱにまとめてみましょう。選ばれたプレイヤーのイベント指向・競技指向が海外のTwin Galaxiesや日本の「わっしょい!」。誰でも参加できるものが日本の「ニコニコ動画」となります。

Twin Galaxiesや「わっしょい!」には究極のレコードが、「ニコニコ動画」には一般プレイヤーの記録が集まるといっていいのかも知れません。もちろん、ゲーム史的にはどちらも等価のものであることはいうまでもありません。

「腕前の保存」に関し、メーカーはどう動くのでしょうか。『スペースインベーダー』の作り出したビデオゲームブームから32年。プレイヤーの高齢化などにより、そろそろ永遠に失われるテクニックも出てきそうです。

ビデオゲームは売り切りの商品なのか、時代性とドラマを伴う作品なのか。今後のメーカーの取り組みに期待したいところです。
《水口真》

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