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【TGS2009】クリエイターに直撃『ダンテズ・インフェルノ』は、古典的詩篇から、世界中のティーンが楽しめるようゲームコンセプトを整えたのさ!

昨日開催された、プライベートイベント「EA SHOWCASE TOKYO 2009」では、全体プレゼンテーションの後、開発担当のクリエイターまたはプロデューサーの説明を受けながら、さまざまな作品を手にとる機会が与えられました。

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ダンテズ・インフェルノ
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昨日開催された、プライベートイベント「EA SHOWCASE TOKYO 2009」では、全体プレゼンテーションの後、開発担当のクリエイターまたはプロデューサーの説明を受けながら、さまざまな作品を手にとる機会が与えられました。

そんな中から、ここでは、『ダンテズ・インフェルノ』を紹介します。同作品は、13-14世紀イタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリによる世界的にも著名な叙事詩『神曲』の地獄篇をモチーフに開発されたアクションゲーム。今回は、プロデューサーのJonathan Knight氏が、作品のゲームデザインコンセプトについてたっぷりと語ってくれました。

Jonathan Knight氏アートワーク

―――このゲームはどのような経緯で開発されていったのですか?

Jonathan:まず最初にゲームの舞台を地獄にしようと決めてとき、古代の人たちが考えたものではなく、中世クリスチャン時代に思い描かれた地獄像が理想的だと思ったんだ。とはいっても700年も前の話なんだけどね。そこで中世クリスチャン時代に伝わっている伝説や、彼らが想像する、死後の世界について調べていたところ、いきついたのがダンテの『神曲』だったんだ。更にリサーチを進めるうち、ダンテは、「クリスチャンが描いた地獄像」の中で最も重要な人物だと分かったんだ。ダンテのビジョンは圧倒的だったよ。だから単に彼の名前やモンスターを借りるだけではなく、彼が叙事詩の中で描いた事を出来る限り忠実に描いていこうと決めたんだ。

―――『神曲』を作品のモチーフにするっていうのは本当に大変な事だと思うのですがどうやってデザインを進めていきましたか?

Jonathan:プロジェクトの最初には、実際に叙事詩そのものも読み込んだんだけど、世界観、登場するキャラクター、そして全体的なビジュアルが鮮明に描写されていて本当に驚いた。だから、開発当初は本当に助かったよ。各ステージをデザインしたり、中世ヨーロッパのクリスチャンが考えた死後の世界をゲーム上に再現するというときにね。叙事詩自身は確固たるストーリーがあるわけではないんだ。とても単純さ。だからストーリー展開は尊重しつつ、如何にゲームとしてよりドラマティックなストーリへと適応させていくかということを考えていかなくちゃならなかった。葛藤や、アクションが物語の中でより意味があるものになるようにね。これは、本当にチャレンジングだった。でもそのおかげでかなりエキサイティングな物語にしあげることが出来たよ。


―――『神曲』のダンテは、ヒーローというわけではないですよね?

Jonathan:だから、ストーリ全体を組み直さなくちゃいけなかった。ダンテをアクションヒーローにしなければならないからね。ここで、ベアトリーチェの役割が重要になってくるんだ。『神曲』では、生前死に別れた彼女と死後の世界の旅の中で再開を果たすという物語の流れなんだけど、我々はその話を採用しつつも、よりダイナミックにした。ルシファーによって、誘拐されたということにしてね。ダンテは、自ら地獄へと飛び込み、ベアトリーチェを救いに行くという設定にしたのさ。原作と非常に近いながら、よりアクション重視の物語に仕立てることで、本来、旅人でしかなかったダンテをアクションヒーローにしたのさ。

―――最近は、神話や、地獄などをテーマにした作品も増えていますが、本作品が他作品と違うのはどの部分ですか?

Jonathan:これはいくつもあげられるよ。まずは、世界に存在する二重性さ。それは、このゲームにおいてダンテは矛盾に満ちた非常に複雑な性格だからさ。本心では、正しいことをやりたいと思いながら実は、暴力的で罪深い人もあるんだ。この二重性はストーリ全体に反映されていて、ゲームの中で、プレイヤーは地獄の住人、悪魔とその眷属を倒すときに善悪の選択が迫られるんだ。地獄の住人を罰するか、浄化するかといった選択をね。だから、戦いの最中や、ストーリ展開の中、詩の中に登場する多くのキャラクターと関わる時など、様々な場面で、プレイヤーはファイティングスタイルを選ぶときやパワーアップをする時、聖なる布を選ぶか、悪魔の力をアンロックするか、十字架ビームを使った神聖な戦い方を選ぶか、汚れた方法を選ぶかといった選択を自分でしなくちゃならない。魔法や過去の遺物もそうさ。だからゲーム全体が善悪の選択と関係しているんだ。
この他に、このゲームの独自性はレベルデザインにもある。9つの地獄は、それ自体が「地獄」というひとつのテーマでデザインされているのではなく、9つの違った世界、違った罪を示しており、各地獄ごとのそれぞれの世界感や敵が存在する。「愛欲」地獄ではそれにマッチしたパワフルな世界をデザインしたよ。このように世界的に著名な文学を新世代の人たちに届け、若い人たちの興味を湧き立たせるのはこれまで誰もやったことがない。リリースは特別な日になると思うよ。

―――ゲームをプレイする若い人たちが、原作の魅力を理解させるにはどのようなことをしましたか?

Jonathan:たとえば、ゲームに、ウェルギリウス(詩の中では、地獄、煉獄、天国へと導く古代ローマの詩人)を登場させているんだけど、彼はゲームプレイ上ではあまり重要ではないんだけど、ストーリーテラーとしての役割は果たすようにしてあるよ。彼と話をすると、詩の一部を口づさんだり、ウェルギリウスが現在プレイしている地獄の事象についてその意味を説明してくれる。また、なぜ人が懲罰を受けなければならないのか、といった、ダンテが当時感じていた哲学的思想についても知ることが出来るんだ。


―――Q:デモで見せた「悪魔の赤子」には 度肝をぬかれました。これはどうやって生まれたのですか?

Jonathan:「悪魔の赤子」はクリスチャン世界ではかなり出てくるんだ。ただ、普通のクリーチャーのようにいきなり出現させるということを正当化することが出来なかった。そこで考えたのが乳房から生まれるというアイデアさ。最終ボスのクレオパトラでそれをすることにしたんです。これまでにないユニークなアイデアだと思うよ。僕たちのチームは本当にクリエイティブだ。かなり好きにやらせてもらっているしね。ゲーマーが望んでいるものはとにかくゲームに反映させようとやっているのさ。

だからのこのチームと一緒に仕事するのが大好きだよ。『ダンテズ・インフェルノ』はクリエイティビティのプラットホームと言うことが出来る。愛欲、大食、貪欲など、どのステージも非常にユニークなコンセプトをもとに作りこみが出来るからね。

だから、ブレストをいっぱいおこなって、環境、ストーリ、パズル要素などをしっかりと考えていったんだ。すごく楽しかったよ。

―――そもそも、コンセプトアート自体が、すごくおどろおどろしいのですが、誰が担当しているのですか?

Jonathan:非常に多くのコンセプトアーティストが参加してるけど、一番有名なのは、Wayne Barloweだね。『Hell Boy』や、『Hellboy 2: The Golden Army』を筆頭に、『ハリポッター』シリーズやいろいろな映画に参加しているんだ。その他にも地獄に関するたくさんの絵も描いてきた。だから不気味な世界を描き出す類まれな
想像力で、さまざまなクリーチャーをデザインしてくれたのさ。

―――最後に『ダンテズ・インフェルノ』開発状況を教えて下さい!

Jonathan:来年2月にはやっとリリース出来るんだ。現在α段階が終わって、これからまさにゲームデザインを洗練する段階にはいっている。ビジュアルエフェクトもふんだんに盛り込んでね。バクチェックも進めているし、2月には間に合うよ。

―――ありがとうございました!
《中村彰憲》
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