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【CEDEC 2009】猿楽庁の橋本長官がゲームのチューニングを語る・・・「ゲームチューニングってなんだろう?」

ゲーム開発で最もその出来を左右するのは、最後のひとひねりとも言われます。その作業を裏方で支えるのが猿楽庁です。同社の代表で、"長官"である橋本徹氏がCEDEC 2009にて「ゲームのチューニングってなんだろう?」というタイトルで講演を行いました。

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【CEDEC 2009】猿楽庁の橋本長官がゲームのチューニングを語る・・・「ゲームチューニングってなんだろう?」
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ゲーム開発で最もその出来を左右するのは、最後のひとひねりとも言われます。その作業を裏方で支えるのが猿楽庁です。同社の代表で、"長官"である橋本徹氏がCEDEC 2009にて「ゲームのチューニングってなんだろう?」というタイトルで講演を行いました。

橋本徹氏

橋本氏は1962年生まれ、80年に大学を卒業し、ファミコンを発売した翌年に任天堂に入社しました。94年に社内のゲーム評価機関であるスーパーマリオクラブに配属になり、95年に退社。97年に任天堂とリクルートが立ち上げたマリーガルマネジメントにて猿楽庁というゲーム評価機関を立ち上げ、マリーガルの解散に伴い2001年に独立しました。

猿楽庁の仕事はゲームを「チューニング」することです。ビデオゲームを面白いものにする、遊び易いものにする、ハイクオリティにする、という仕事内容から、一言で言えば、車や楽器と同じように「チューニング」という言葉が当てはまるのではないかということから、設立に当たってスタッフ全員で話し合って決めたそうです。

■チューニングの仕事とは

猿楽庁の仕事

主な仕事は以下のようなものがあります。

・客観的検証
・制作サポート
・品質管理

企画書の段階では、コンセプトや対象層、そのボリュームなど、コンセプトを固める手伝いが仕事になります。一通りのゲーム内容が詰められたα版フェーズでは、コンセプト通りに表現がされているか、目指すプレイ感覚は実現できているか、遊ぶに耐えうるゲームシステムが構築されているかといった点を検証します。最後にβ版フェーズでは、最終的にコンセプトに合致するものになっているか、ボリュームや難易度のバランスは問題ないか、ゲームの進行がきちんとできているか、そしてバグがないかデバッグ業務も行います。

こうした一連の流れの中で、スタッフにとって最も重要なのは「ポジショニング」であると橋本氏は言います。ゲームは様々な対象層に向けて作られます。その中には未就学児童向けのゲームも存在します。そうしたゲームを適切に判断するには、どれだけ子供たちの心を理解するかが重要になってきます。実際に子供達の声を聞いたり、今の流行や話題に敏感になることが大切だと言います。また、経験は何よりも重要で「チューニング経験値」も求められる仕事だとのこと。

加えて「人間関係」も大いに求められるものであるということです。猿楽庁は、ゲームの制作現場から離れた、外部の第三者として意見を出す立場です。きちんとした人間関係ができていなければ、外部からあれこれ言うことがトラブルの原因にもなりかねません。橋本氏は「良いことも、悪いことも、はっきりと言える関係を作るのが何より大切」と話していました。

面白いゲームにしたい・・・

■スーパーマリオクラブの経験

橋本氏が初めてチューニングらしき仕事に携わったのは、スーパーマリオクラブに在籍していたころ、『MOTHER2』『スーパードンキーコング』といったゲームを担当した頃だそうです。当時のスーパーマリオクラブはゲームの採点をする部署で、デバッグの機能は無かったそうです。しかし、それでは今後厳しいということで、宮本氏からの鶴の一声で橋本氏がデバッグチームを立ち上げる事になり、約10名のスタッフで朝から夜までひたすらデバッグをして客観的な指摘として開発現場にフィードバックするという作業を行ったそうです。

『MOTHER』では、例えば自転車はチリンチリンと鳴らせたい、といった細かい部分まで、当時はEメールという便利なものも無かったので、FAXで届けていたりしたそうです。『スーパードンキーコング』はイギリスのレア社が開発したゲームですが、当初は非常に難易度が高いゲームで、その調整をお願いしたということです。

マリーガル時代には、『ピカチュウげんきでちゅう』や『カスタムロボ』といった子供向けのゲームに苦労し、任天堂開催のイベントでずっと試遊台に張り付いて反応を伺うといったこともしたそうです。『巨人のドシン』では、巨人がどんどん大きくなりすぎて画面からはみ出してしまうという問題点があったのを、ゲーム史上最大のキャラを出したいという飯田和敏氏の希望をかなえるため、巨人のおへそに"ヘンポカメラ"を仕込むことで解決するのではないかといった提案を行ったそうです。

近年では単にチューニングのみではなく、『ちびロボ』では完成後に冊子やTシャツ作りなどのプロモーションの手助けをしたり、5人で作った『アルキメDS』ではプロデューサーの立場でゲーム作りを支えました。

任天堂時代マリーガル時代近年の作品

橋本氏はこれまでの経験を振り返り、クリエイターは作りたいものを作るべきだと思う。ただ、ゲームはインタラクティブなもので、向こう側には遊ぶ人がいます。誰のための、誰向けの、誰が楽しむゲームなのか、それを常に意識する必要があるのではないか、と講演を締めくくりました。
《土本学》

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