人生にゲームをプラスするメディア

【ゲームニュース一週間】マイクロソフトが「ごまかし」との戦いに立ち上がる

今週はマイクロソフトがスタートした不正行為者への取り組みが大きな反響を呼びました。

ゲームビジネス その他
今週はマイクロソフトがスタートした不正行為者への取り組みが大きな反響を呼びました。

マイクロソフトはXbox LIVEにて、不正した人の名前に「ごまかし行為者」と付け、ゲーマースコアをリセットすると発表しました。

「ごまかし行為者」の名はXbox360上など様々な場所で確認できますが、利用権が剥奪される訳ではなく、不正なく遊べばゲーマースコアを得ることもできるとされています。

ゲームはルールの集まりですから、様々な回避方法が模索されます。ゲームの黎明期から、プログラムを改造したり、バグを利用したり、果てはゲーム機のコイン投入部分に電気を流してタダで遊ぶ……といった試みが成されてきました。

現在はオンラインプレイにおける改造などを取り締まるというのが一般的なスタンスになっています。オンラインプレイには他者の存在があり、改造はゲームの公平性を損なうものになるからです。こちらがいくら弾を当てても相手は平気。だけど相手がボタンを押しただけでこちらはアウト……こんな状況では、他者と遊ぼうという気も失せるでしょう。

改造や不正との戦いは終わり無きマラソンですが、継続しなければ意味はありません。割れた窓が一枚でもあれば、そこから街の治安は悪化していくのです。

明るい面もあります。限りなくオープンなWindows PCより、Xbox360の不正は敷居が高くなります。Windows PCには様々な機器・ソフトの構成が存在しますが、Xbox360は一般ユーザーにとってブラックボックス。不正の検知もXbox360の方がやりやすいはずです。

マイクロソフトは「Games for Windows LIVE」という概念を提唱。一部のゲームではXbox360とWindows PCの対戦も可能となっています。現在「ごまかし行為者」が付くのはXbox LIVEのみのようですが、これがWindows PCにも適用されるのであれば、不正との戦いがさらに前進することとなります。

マイクロソフトはソフト界の巨人であり、それゆえに華々しい戦果が期待されるでしょう。しかし実際の戦いは日々のコツコツとした努力の繰り返しであり、不正側が先んじることも多いかも知れません。利用権が剥奪されない「ごまかし行為者」の名にどれほどの抑止力があるかも現在では不明です。状況によっては「ごまかし行為者」とのマッチングを避けるようなオプションも考慮されるのかも知れません。

それでも不正との戦いは続けられるべきでしょう。不可能と諦めるのではなく、取締の姿勢を見せるべきでしょう。マイクロソフトが家庭用ゲーム機へ参入する時は、これを無謀とする意見も少なくありませんでしたが、戦い続けることで現在の地位を築き上げました。ですから、今回必要とされる条件は既に満たしているといえるのかも知れません。
《水口真》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. ポケモンが現実世界と仮想世界を繋いでいく、20年目の挑戦・・・株式会社ポケモン代表取締役社長・石原恒和氏インタビュー

    ポケモンが現実世界と仮想世界を繋いでいく、20年目の挑戦・・・株式会社ポケモン代表取締役社長・石原恒和氏インタビュー

  2. イケメンはこうして作られる!「「その口…塞いでやろうか…?」250人のイケメンをLive2D化してわかった、成人男性キャラの魅力的な見せ方」セッションレポート【alive2019】

    イケメンはこうして作られる!「「その口…塞いでやろうか…?」250人のイケメンをLive2D化してわかった、成人男性キャラの魅力的な見せ方」セッションレポート【alive2019】

  3. アーケード版『リズム天国』を触ってきました

    アーケード版『リズム天国』を触ってきました

  4. 【CEDEC 2010】どうやって人を育てる? コーエーテクモの人材育成

  5. 任天堂、ロゴを変更?

  6. コンプガチャはなぜ駄目か? ソーシャルゲーム今後の争点

  7. 目黒将司×LAM 無二の個性派クリエイター対談-「目黒サウンド」「LAM絵」と称される“キャッチーさ”はどう育まれた?

  8. マリオの1コインは370万円の価値あり!? ドルより強いゲーム通貨

アクセスランキングをもっと見る