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【今どきゲーム事情】『テイルズ オブ ヴェスペリア』樋口義人プロデューサーと、郷田努プロデューサーが開発秘話を徹底披露!

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テイルズ オブ ヴェスペリア
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HD世代機初の『テイルズオブ』シリーズとしてリリースされた『テイルズ オブ ヴェスペリア』(以下、『ヴェスペリア』。 リリース時、Xbox 360(以下、360)が、ソフトや特典が同梱されたプレミアムパックのみならず、普通の本体すら日本中のゲームショップから消えたという一大事件に海外メディアも敏感に反応したのは記憶に新しいところです。 そんな、『ヴェスペリア』は如何にして開発されたのでしょうか?その点について、同作品のプロデューサーである樋口義人氏と、郷田努氏にお話を伺ってきました。

■皆が安心出来る『テイルズ』を作り出していくために

中村:『ヴェスペリア』というタイトルもこれまでとのシリーズとはすこし違うという感じがしますが・・・

樋口: 当時は対応ハードがまだ決まっていなかったんですが、まだ普及が進んでいないであろうHD対応(次世代)ゲーム機ということなら、購入者の年齢層が高くなると推定されていました。また、次のテイルズを開発しようというとき、特にシリーズモノの場合、なにかを変えていきたいと思うのが人情だと思うんです。 だから敢えて雰囲気を変えたというのがスタートです。一番多く操作するであろう主人公を変えてみようというところからタイトルも変わっていったということですね。
中村:たしかにユーリというキャラクターはロールプレイングゲーム(以下、RPG)の主人公としてはこれまでとは違いますよね。

郷田: 『ヴェスペリア』では、メインターゲットを「テイルズ オブ」ファンの中でもすこし年齢の高い20代以降の人たちにアピールすべきだということで、大人でも安心して遊べるテイルズオブ」「いうコンセプトをうちだしました。そのために一般的によく見られるような小さな事でくよくよと悩んでしまうキャラクターというよりは、明朗活発で、他のキャラクターをぐいぐいと引っ張っていける人物を主人公としたんです。後は大人同士の葛藤なども織り交ぜています。互いにわかりあっていても相容れないなどですね。これが非常にうまくいったと実感しています。

樋口: また、ユーリとしての性格をうまく伝えていくには、カウンター的な存在が必要になると考えました。ストーリーなどのすべてをそぎ落としてテーマのみで『ヴェスペリア』のストーリーを考えてみるとそのような人物同士の関係というのは、いろいろな作品にも見られるんです。『踊る大捜査線』シリーズなんかそうですよね。歴史の影にうもれながら活躍する主人公と、その存在を理解しながら表舞台に立って、正しい方向でやっていくキャラクターという・・・。つまりテーマとしては、いままでもあるということです。それに色をつけていって、もちろんファンタジー要素を追加していったらどうなるのか、というところを追及してサブキャラクターも決めていきました。おそらくテイルズ オブだけにあてはめると、これまで主人公だったのは、やはりカロルなんですよ。大人のキャラクターからおこられたり、教えられたりしながら成長していくというのがRPGの王道だとするとそうなります。これは勿論、意図的に僕たちもそのようにしたわけですし、それはファンにも感じ取ってもらっているようです。

樋口義人制作プロデューサー(左)と郷田努プロデューサー(右)


郷田: テーマ自体も「正義を貫く」というどこにでもあるテーマです。

樋口: こんなテーマは面と向かって言うのは恥ずかしいんですが、テイルズ オブだから言える、ということもあります。普段の日常でいうと「何いってんの?」、ということにもなるんですが、テイルズ オブだと臆面もなくいうことができた。ブランドの持つ色に助けられた、ということだと思います。あと、ユーリが主人公のゲームの中で、パーティメンバーの中に敢えてカロルを加えたのは、人間的に成長していくキャラクターも置いていないと、ゲームの中で何を見ていくべきか分からなくなるプレイヤーも出てくるだろうということからです。これはシナリオチームの経験からですね。ただ、ある雑誌の読者からのはがきのなかで、実は小学生、中学生の方が熱量の高いはがきを送ってくるということが分かったんです。結論として、感情移入というよりは、大人であるユーリへの憧れでプレイしたいという人たちがいるということも分かりました。「かっこいい」と感じているということです。そのような意味からも今回、敢えてユーリを主人公にして正解だったと改めて実感しました。

郷田: ユーリの年齢が高いからといって、購入者層に大きな変化があったわけでもないことがわかりました。それに加え、360ユーザーの中でこれまでテイルズ オブを触った事がないひとにも遊んでいただいているとか『テイルズ オブ デスティニー』(以下、『デスティニー』)や『テイルズ オブ エターニア』(以下、『エターニア』)は遊んできたけどここ数年遊んでいないというお客様にも遊んでいただき、面白いと思っていただいているということもユーザーアンケートから確認出来ました。

樋口: 『エターニア』は完成度がとても高く、ある意味今の「テイルズ オブ」の流れを作った区切りとなるような作品だと思っているんです。『エターニア』は、いまで言うところの中期のテイルズの完成系に近いと思っているので、ユーザー層は一回『エターニア』で区切られるとみています。これらの人たちは『エターニア』での経験を忘れずにいまでもプレイしていただいているという印象が強いです。だからとても大事にしたい方々ですね。

郷田: 今回幅広い人に受け入れられたのは、それぞれ思う道があって、どれか一つが正解ではない中でも、対立が起きるというリアルな設定をテーマに据えたのがよかったんだろうなと思います。また、360ユーザーが反応するように、FPS好きの360ユーザーがあまり接していないアニメ的モーションというモチーフ、そして合成要素などの幅広い遊びなどもアピールしてきました。これらの結果、テイルズ オブをこれまでプレイしたことがない方々にも遊んでもらえたんだと思います。 今回、『ヴェスペリア』を遊んだ方の中から「過去の作品をXbox Liveで配信できないのか」という依頼もいただきました。つまりこの機会に他のテイルズ オブも遊んでみたいと思っていただいた方も多数いたということです。僕自身『ヴェスペリア』で新たなユーザー層の獲得を目指していたので、そのような反応は本当に嬉しかったですね。

樋口: 『ヴェスペリア』がテイルズオブのエントリータイトルになって欲しいという思いはありますね。日本のお客様は、あまり2D、3D、リアル、アンリアルにこだわらず、純粋に面白いものを好む傾向にあると思うので、今回、『ヴェスペリア』から入った皆さんには是非、他のテイルズオブシリーズにも触ってもらえたらなと期待しているんです。

郷田: 『ヴェスペリア』がエントリーモデルになりつつあるのは間違いないですね。もともと『ヴェスペリア』はその点について強調してきました。けっこう多くの人がテイルズオブをシリーズものとして捉えていたので、実はどのゲームから入っても安心して遊べるんだという点をしっかりと伝えたかったのです。クロスメディア展開をしたり、積極的にメディアの方々に対応してきたのも、新規のお客様を獲得したいという思いとどういった面白さのある製品なのか理解してもらえるようにしたかったからです。

中村:では、ゲームのシステムについてもお伺いしたいのですが、今回採用したバトルシステムもXbox 360ユーザーを意識して採用したのでしょうか?

樋口: もともと、安心できるテイルズオブという方針で制作を進めてきましたので、基本システムベースでは大きく変更していないんです。リニアモーションバトルシステムは『テイルズ オブ ファンタジア』の際に導入されていたのですが、それが大きく変わったのが『エターニア』の時です。この際、バトルが止まらずに動くようになりました。これによりテイルズ オブ」でのバトルシステムが大きく変わったと私自身は思っているのですが、その後、『テイルズ オブ シンフォニア』(以下、『シンフォニア』)で3Dになりました。ただ、あくまでリニアモーションバトルの基本を壊さない事が前提でしたので、敵は自在に動けるのに対し自分のキャラクターは2軸にしか動けないという仕様だったんです。そこで『テイルズ オブ ジ アビス』(以下、『アビス』)ではフリーランというしくみを追加しました。基本はリニアモーションなんですが、操作を変える事ではじめてキャラクターが自由に動けるようになったんです。ここでまた、ステップとしては一歩進んだのかなと思っています。。実は『テイルズ オブ イノセンス』(以下、『イノセンス』)のバトルシステムは、非常に爽快に遊べるようになっていて、最終的には別物と呼べるような完成度になっているんですけど、ベースはフレックスレンジですし、『テイルズ オブ シンフォニア-ラタトスクの騎士-』も同様です。『ヴェスペリア』においても、そこを大きく変えるという選択肢もあったとは思うのですが、安心して遊べるというコンセプトで考えた結果、『アビス』のフレックスレンジリニアモーションバトルシステムを発展させるという選択をすることにしました。ただ、フェイタルストライクのボタンをトリガーにしたり、ボスごとのシークレットミッションを達成する毎に実績を解除するなど、調整をつけていく時点では360ユーザーをかなり意識しました。僕自身も360を持っているので、実際自分でプレイする中で気づいた事があるたびに仕様を変更したということもありますね。

中村:ゲームシステムでのリスクとリターン、メリットとデメリットはどのようにしてシステムで表現したのでしょう?

樋口: RPGなので、アクションが苦手な方でもレベルさえ上げればどんな敵でも倒すことが出来るようになるという前提はあるのですが、なるべくレベル上げに時間を割かなくてもいいようにしたりとか、また今回は360ということもあるので、全体を若干難しめに設定してあります。すくなくとも『シンフォニア』や『アビス』までは合成というシステムを使用せずとも割とストレスなく、先に進める事が出来たのに対し、今回はスキルや合成をうまく使っていかないとちょっと手ごたえがあるように調整をしました。そこに関しては360を意識していますね。ゲームに慣れている人が多いのであれば、やはり手ごたえがないと、「ヌルいよね」と言われてしまう可能性がある。それはそれでいい場合もあるのですが…

郷田: ただ、モード設定が出来るので、アクションが苦手な人でもイージーモードでプレイさえすれば、クリアすることが出来ます。更に手ごたえを求める人たちのために上のランクも準備されていますし。しかもモードはゲーム中、いつでも好きに変えられるようになっているんです。まあ、テイルズオブのファンはこれまでも知っていたのですが、それ以外のユーザーにとっては、いつでも難易度を変えられるということは衝撃的だったようです。

樋口: いつでも変えられるという仕様はテイルズオブシリーズの途中から組み込まれていたもので、自分自身が関わる前から存在していました。これを見たとき、本当に驚きました。ある意味、僕自身がこれまで考えてきたゲームデザイン論を覆すようなものだったんですが、これも含めてテイルズオブなんだ、とも思ったんですよ。でも一方で、『デスティニー2』のようにバトルが難しめになっている作品にも、熱烈なファンの方がいらゃっしゃるという現実があります。僕も『デスティニー2』のバトルは大好きですし、テイルズオブシリーズはいろんな要素について、多種多様のファンがそれぞれの視点から評価する作品です。一軸で測れないというところが、本当に難しいですね。

■スタッフ全員の意見を取り入れつくりあげられるテイルズオブワールド

中村:今回もゲストキャラクターが他のテイルズオブ作品から多数登場するのですが、キャラを選ぶ上ではどのような配慮をしたのでしょうか?

樋口: 極端な言い方をすれば、誰がどう登場しても、ちゃんと世界に整合性を保つ事は出来るんですよ。登場に関しては繊細なレベルでの調整が必要ですが、不可能ではないです。ただ技術的な話をすると今回ゲームのために用意したモデルの骨構造にあてはまらないとなると登場させるのが難しいですね…

中村:かなりテクニカルは話ですね!

樋口: 一番多いパターンは、キャラクターデザインが固まりきる前に、色々な検証が必要なわけですが、その際に標準的体型のモデルとして作ったキャラクターがゲストキャラクターとして100%登場します。ですから、そのキャラクターが出てもおかしくない設定もゲームにもりこんでいきます。その後のキャラクターは、人気投票の状況であるとか、これまでゲストキャラクターとして登場しているか否か、単純に出ると面白いと思えるキャラクターを選定していきます。たとえば、バルバトスという『デスティニー2』で登場し、『デスティニー』のリメイク版でも登場するキャラクターがいるのですが、今回ちょっと入れたら面白いよねということで入れました。また、ダオス(『ファンタジア』のラスボス)はいままで3Dで出た事がないので、登場させました。僕らとしては、今回はダオスが一番目玉なのかなと思っています。ゲストキャラクターには色々な意味があって、将来に対しての何かの実験的な場合もあります。これらのキャラを登場させる方法としては、これまで、エキストラダンジョンを使う場合が多かったですね。ゲーム世界とは切り離された空間を用意し、そこに次元を超えてやってきたという形です。『ヴェスペリア』ではその他、闘技場に個人個人の力で現れるという設定も用意しました。200人斬りというイベントがあるのですが、その中の中ボスとして登場するんですよね。メインストーリーとは切り離してあるので、ここだったらいいよね、と納得してもらえる場所として選んだ一つが闘技場なんです。シナリオにがっつり絡ませるというのは無理のない範囲でならやるべきだと思っています。例えば『デスティニー2』での主人公、カイルの母親は、『デスティニー』の時の英雄、ルーティなんですが、孤児院をきりもりしていたりして、立派なお母さんになっているんです。ですが、バトルシーンでは普通に戦うキャラとして出てくるわけです。これは別に時空を超えずとも出せるじゃないですか。ただ、そのように限ってしまうとそこに存在しているキャラしか出せなくなってしまいますよね。ストーリーとしてはしっくりきますが、制限という意味では幅を狭めてしまうのでもったいないなと。つまり、ゲーム的に面白いキャラクターをセレクションするというアプローチもありだよねというスタンスですね。今後もこのようなノリで続けていくと思います。登場のさせかたも工夫出来ますしね。なるべく、いままで見たことがないキャラクターとか、敵として面白いキャラを登場させたほうがいいのではと考えています。

中村:テイルズオブシリーズに統一感をだすために、シリーズ中、敢えて何度も組み込んでいる設定などはありますか?

樋口:  聖霊とかですよね。具体的な取り決めはないんですが、これはその時のチームによるんだと思います。今回のチームの場合、聖霊は出したいよね、というのがあって登場させたり、定番となっているモンスターは、ブランド力という意味でも出していったほうがいいと思うので出しています。回復アイテムは全部グミだったり、術とか技でも同様で、たとえば秋沙雨とか、虎牙刃斬は、テイルズオブが作ってきた素晴らしい文化だと思っているので、登場させたほうがいいと思っているし、ファンもそれで喜んでくれると思っています。ですので、世界としては、つながっているわけではないですが、シリーズとしての守るべき、または守った方がいいであろうという要素はあると思います

郷田: 今回はモンスターの出来が良くて話題になっているのですが、あれは『アビス』のモンスターがけっこうベースになっていますね。

樋口: 最近は『アビス』をベースにしているのが多くて、本来、雑魚敵は雑魚敵なので、ことさらに主張しないほうがいいんですけど、ずっと同じモンスターを使いつづける事で、やはりブランドとしての意識にもつながっていくだろうし、というのも最近生まれた文化で、すこし前まではモンスターはシナリオと同じで毎回変えるべきじゃないのという考え方がずっとあったんです。『アビス』位から、その辺も統一したほうがいいんじゃないかと思う人が出てきましたね。モデルは毎回作り直してはいるので、必ずしも省力化には繋がってないのが何とも言えないとこですが。

郷田:  ないんですよね。固定モンスターが。あと、ジングルみたいのも無い。他社のシリーズにはありますよね。レベルが上がったときの。割とそういうところはいままでなかったのを、『アビス』も『シンフォニア』も樋口がやってきたということもあって、「ある程度継承したほうが、いいこともあるよねっ」ていうアイデアから、「いいデザインだったら、それも残そうよ」ということになってきているんだと思います。

樋口: 今後の課題ですよね。ジングルや固定モンスター無しでも、テイルズオブをいままで続けられたということは実はことさら意識をする必要がないことかもしれないし、まだ答えは出せないんですよね。

郷田: ビジネス的にはアイコン(特定の何かを象徴するシンボル)があったほうがいいとは思うのですが、これについてはファンから何か聞いたわけでもないので...今後、これがきっかけになるんだったら、しばらくやってみて、どうなるか様子を見る必要があるかもとは思っています。

樋口: モンスターに関しては、実際、『アビス』で登場したモンスターを『テイルズ オブ シンフォニア-ラタトスクの騎士-』でも使用しているので、その辺がどうとらえられているのか気になります。結局、同じ手間はかかるので、変えたほうがいいのかもしれないし、まだ分からないですね。

中村:あと、トクナガというキャラクターも気になるのですが・・・

樋口: あれは、オマージュ的にやっていて、もともと『シンフォニア』のセレスの執事として登場します。僕もすごく覚えていて、これはたぶん作り手としてのこだわりなんですけど、その後『アビス』のアニスのとなりにくっついていて、後に巨大化するぬいぐるみの名前をどうしようかとしたとき、あり得ない名前をつけようということになって、トクナガにしたんです。その流れで来ているんですが、今回はシナリオ側からトクナガを出そうという提案を受けて登場させました。ただ、メインキャラクターとして出すわけにはいかないのですが、あまりにもマイナーだと分からなくなってしまう。落とし所として考えたのが、船の操作をするキャラというわけです。僕がテイルズをやっていく限り、トクナガも出したいなと思っています。こんな感じで、全部が全部調査の裏付けによる決定ではなくて、現場が多少面白いと思っているものも入れていかないと、テイルズオブの賑やかさにつながらないと僕は感じています。

郷田: テイルズオブの良さって、いい意味で緩さがあって、それがゲーム全体にメリハリを与えていて独特な感じになっているのはありますよね。特徴なんだと思います。テイルズオブシリーズの。

樋口: 「これはテイルズオブじゃないよね」っていう要素をはぶいていっているので、どちらかというと、使える事のほうが多いんですよね。:だから後になって、「こんなのゲームに入れていたの!?」って驚く事がけっこうあったりするんです!しかも教えてもらってなくて、テストプレイをしている最中に、「なにコレっ!」って気づかされる部分も。開発後半になって、「おお!こんなのが入ってたんだ!」と気づく事も多いんです。さすがに製品化されて始めて気づく事はありませんが…そういう、裁量があるんですよね。そしてそれがよく機能している事のほうが多いです。

中村:では、海外を視野に入れた場合、どのような展開を進めていくと思いますか?

郷田: 『ヴェスペリア』の海外での使命は、アニメを再現したようなRPGとしてユーザーに示していくとことです。あとは、アクションバトルですね。海外のゲーマーはムービーシーンが嫌なんですよね。一番盛り上がるところなのに、なんで俺達に体験させないんだ、ということです。日本はいい所だからムービーを見たい、となるわけですが。『ヴェスペリア』は主要なシーンでムービーが入っているので、その点はどうしようもないんですが、戦闘がコマンド式ではなくアクションになっている。更に『ソウルキャリバー』を制作していた樋口がプロデューサーになっている点を強調してきましたし、樋口自ら調整しているという点も伝えてきました。ユーリのジャグリングにしても、何フレームまでOKと調整したりとか、開発後期までやっていましたから。これはユーザーからのフィードバックなんですが、「『ヴェスペリア』は、バトルが飽きない」というのがあります。通常、苦行になる場合が多いのですが。そこにシークレットミッションと実績という要素が加わるんです。そんなRPGは海外にないので、このようなことをアピールして、テイルズオブの良さを海外のひとたちにも伝えていきました。

中村:クロスメディア展開については?

郷田:  これまでのシリーズの中でもOVA化されたりとか、『アビス』のようにテレビアニメ化されたりするものがあるんですが、そういう流れがこれからもあるので、当然、『ヴェスペリア』がお客様から高い評価を得ることが出来、今後、同作品がエントリーモデルとしてお客様の中でも位置づけられれば、そのような話も展開されると思います。私自身もこの作品を素晴らしいと思っているので。現在、具体的に何かが動いているというわけではないですが・・・。

中村:では、最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします!

樋口:  現状もそうなんですが、すごくボリュームがあるので、まだやり終えていない方々がたくさんいらっしゃるかと思います。いまから、遊んでいただいても当分遊べるものになっているし、テイルズ オブシリーズにふれた事がなかった皆さんもこれを遊べば、テイルズオブがどのようなゲームか分かるようなつくりになっています。ですので、もし迷われている方がいれば、特に360を持たれているのであれば、是非プレイしてみてください。バトルが今回とにかくやり応えがあります。テイルズオブシリーズは、2Dの戦闘もすごくやり応えがあるしくみになっていて、システム的にも爽快感という意味でも、バトルシステムだけを切り抜くと、「バトルは2Dだねって」おっしゃる方も多いです。私自身もそれについては認めます。ただ、3Dにもいいところはたくさんありますし、『シンフォニア』、『アビス』という流れで一見、マイナーチェンジと思いきや、『ヴェスペリア』ではかなりやり応えがある形に調整出来ました。特に敵がヒト型だったりするとすごくいい動きをしますね。本当は、敵に愛を注ぎすぎると、動きがインチキくさくなってしまうんですが、『ヴェスペリア』では攻守いいタイミングで入れ替わる、ちょうどいいバランスになっています。システム的に派手な変更はないんですが、細かな調整の組み合わせで、これが実現出来たんです。ですので、そんなところを注目してプレイしてもらいたいですね!

郷田: すでに興味を持っていただいている方は、ネットでの評判を聞いていると思うのですが、買っても絶対損はないですし、ただボリュームが多いというだけではなくて、楽しく、長く遊べるゲームになっています。これまでテイルズオブシリーズを遊んだ事がない人にとってはバトルも面白いものになっていますし、大人も子供も、安心して遊べるゲームになっているので是非、購入をしていただければと思います!

ありがとうございました!
《中村彰憲》

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