人生にゲームをプラスするメディア

【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った

■CEDECの誕生と発展

ゲームビジネス その他
【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
  • 【CEDEC 2008】コーエー松原社長がCEDECのこれからを語った
■CEDECの誕生と発展

CEDECの開幕を告げたのは、CESA副会長・兼技術委員長でCEDECの運営を統括する、コーエー社長の松原健二氏による基調講演でした。松原氏は昨年度も経営者として業界展望と同社の戦略について語りましたが、今年は「CEDECの10年、これからの10年」と題して技術委員長の立場から、研究開発とCEDECの展望についてビジョンを語りました。

松原氏は日立製作所・日本オラクルを経て2001年にコーエーに入社した「異業種組」です。日立ではメインフレームのCPU開発を担当し、オラクルでは開発ツールのローカライズや2000年問題などに従事。コーエーでは「信長の野望オンライン」を筆頭にオンラインゲームを開発するなど、ハード・ソフト・ネットワークサービスと、多分野での技術開発を行ってきました。昨年コーエー社長に就任後は経営手腕も発揮し、CEDEC開幕直前の4日にテクモとの経営統合に向けた協議開始について発表しています。

はじめに松原氏はCEDECの歴史についてさかのぼりました。CEDECは東京ゲームショウ併催の技術戦略説明会を前身としています。これは1998年春から1999年春まで5回開催されたもので、ハードウェアの技術情報をCESA会員に公開したものでした。これが1999年秋にゲーム開発のあらゆる情報を公開・交流する場として、「CESAデベロッパーズカンファレンス東京1999」に発展しました。当時は2日間で25セッション、プログラミング・グラフィックデザイン・サウンド・プロデュースの4部門という内容でした。

その後CEDECは毎年拡大を続けていきます。00年にネットワーク分野が独立。01年には3日間開催となり、02年にはラウンドテーブルが追加。03年には東京ゲームショウでも「CEDECプレミアム」と題して海外の開発者による講演が始まりました。06年には基調講演が始まり、昨年は経産省の旗振りによる「コフェスタ」の一環として開催。あわせてテレビゲームの国際会議「DiGRA」が開催されたのも記憶に新しいところです。

そして本年はCEDEC10周年として、今までにない大きな変革が行われました。まず、これまでCEDECはCESA人材育成委員会の管轄でしたが、新たに本年2月に再発足した技術委員会の管轄となり、明確に技術志向が打ち出されました。その上で「セッション・プロデューサー制の導入による、セッションの品質向上と統一性の確保」「同時通訳による海外セッション」「セッション事前登録の中止」「大学・研究機関の研究者を招いてのCEDECラボ」「ラウンドテーブルの充実」「開発者が選ぶCEDECアワード」などです。セッション数もはじめて100を超え、過去最大規模となりました。

また松原氏は同種の海外イベントとして、世界最大のゲーム開発者向け会議「ゲーム・ディベロッパーズ・カンファレンス」と、CGの国際学会「シーグラフ」をあげました。GDCは2000年の参加者数が8300名、セッション数が260だったものが、本年は参加者数が16000名、セッション数も433と急成長しており、規模的にもシーグラフに迫る勢いとなっています。これについて「GDCがゲーム業界の趨勢や研究開発のトレンドに急速に対応している」と賞賛。CEDECもそれに追いつけるように努力していきたいと抱負を述べました。

■ゲーム業界の現状と研究開発の重要性

続いて松原氏はゲーム業界を取り巻く市場の現状に話を移しました。松原氏は新世代機の登場前夜は、高性能ハードとそれを生かしたソフトとの相乗効果で、新世代機が市場を支配する予感に包まれていたが、実際は違っていたと分析。据え置き機ではWiiが優勢だが、日本ではDS・PSPと携帯ゲーム機が強いことに対して、欧米ではXbox360・PS3のハイエンド機がシェアを獲得していることを示し、ハードの普及状況にまだら模様が見られることを示しました。

さらに北米・欧州では新世代機の恩恵を受けて順調に市場が拡大したが、日本では任天堂ハードが市場を底支えしている状況で、高性能ハードでの開発で欧米の開発経験の蓄積が先行していると分析。一方で「欧米では新世代機を生かし切ったソフトが出ているかと言われると、そうとは限らない」という見方を示しました。

このように高性能ハードの市場が小さい日本ですが、それでは最先端の研究開発を後回しにしても良いのか、と松原氏は問いかけます。そして自ら「そうではない」と答えを出しました。松原氏はこれからのキーワードは「多様化」にあると指摘します。それは「?プラットフォームの多様化」「?ゲームプレイヤーの多様化」「?市場の多様化」の3点です。特に?については欧州市場を例に、英独仏西伊の5カ国でユーザーニーズが異なる点を紹介。世界シェアで32%と北米の35%に肉薄するまで拡大した欧州市場では、地域格差が無視できず、「もはや欧州とひとくくりにできない」と指摘しました。

一方でゲームの開発技術の母胎となるITの基礎研究から、研究開発分野の正しい絞り込みと、現場のゲーム開発への応用までの時間短縮は、どの企業でも重要な戦略課題になっています。そのため基礎技術の開発動向をゲーム業界に伝達し、両者の親和性をうながす機会がますます重要になっているとしました。こうした背景から技術委員会が発足、CESA副会長でもある松原氏が、技術委員長を兼務する形となり、CEDECのさらなる拡充が図られた経緯が語られました。

松原氏は技術委員会の目的として「ゲーム開発技術ロードマップの作成」「学術界との連携による研究支援」「国内外の最新ゲーム開発技術の紹介」という3点を示し、これからのCEDECについて「ゲーム市場の発展拡大に求められる、技術開発情報の発信、交流の場」と定義。「新しいこと」「次に来ること」というキーワードを用いて、「技術の最先端を追求=シーズ」「次の市場動向を見据える=ニーズ」の双方の視点が重要だと述べ、CEDECの体型化とシステムとしての運営を整えたとしました。

最後に松原氏は「環境を整えるのは我々の役目だが、中身については皆さんの協力が必要だ」と補足しました。CEDECの企画運営も、技術委員会の下でCEDECアドバイザリーボードのスタッフがボランティアで行っており、各セッションプロデューサーにも大手パブリッシャーの技術開発トップが名を連ねています。講演を行うのが現場のトップ開発者であることは、言うまでもありません。最後に「CEDECを進化させるのは、皆さんです」と述べ、基調講演が締めくくられました。
《小野憲史》

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 『アズールレーン』ケッコンVRでフッドさんとハッピーウェディング【レポート】

    『アズールレーン』ケッコンVRでフッドさんとハッピーウェディング【レポート】

  2. 東京ゲームショウ2011のメインビジュアルが決定

    東京ゲームショウ2011のメインビジュアルが決定

  3. 「CEDEC 2018」で存在感を放ったリアルタイムアンケートシステム「respon」の魅力とは

    「CEDEC 2018」で存在感を放ったリアルタイムアンケートシステム「respon」の魅力とは

  4. 家電量販店「さくらや」清算へ・・・一部店舗はビックカメラが引き継ぎ

  5. マリオファクトリー南柏店レポート

  6. 【GDC 2015】2人で作って10億円を稼いだ『クロッシーロード』のサクセスストーリー

  7. ドン・キホーテでVR動画スターターセットが先行発売! DMMで使える動画ポイント付き

  8. 秋葉原の洋ゲーショップ「ゲームハリウッド」2月24日で閉店

  9. CC2が新プロジェクトを発表―復讐をテーマにした新作3タイトルの情報が公開!

  10. 【週間売上ランキング】 トップはドラゴンボールZメテオ(10/1-7)

アクセスランキングをもっと見る