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映画版「FF」の技術開発メンバーが制作するバーチャル・コミュニケーション・サービス

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映画版「FF」の技術開発メンバーが制作するバーチャル・コミュニケーション・サービス
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E3の規模縮小を受けて、10月18〜22日(現地時間)まで米ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催中のE for ALL。一般ユーザー向けの大規模なゲーム展示会としては、全米でも初の試みだ。SCEやマイクロソフトといった大手メーカーの多くは出展を避けたものの、任天堂・EA・THQなどが出展し、会場は熱心なゲーマーや親子連れでにぎわった。ただし出展されたタイトルの多くは日本でも発表ずみのもので、目新しさに欠けた点は否めない。その中でも興味深いタイトルの展示が行われたのでレポートしよう。ハワイに本社を構える米Avatar Reality社が開発中のバーチャルワールド「Blue Mars」だ。

ゲーム業界でハワイと聞くと、2001年に旧スクウェア(現スクウェア・エニックス)が公開した映画「ファイナルファンタジー」を制作した、スクウェアUSAを連想する人がいるかもしれない。実は本作は、この映画版「FF」の制作にあたり、技術開発を行ったスタッフが中心となって開発されている。CEOの橋本和幸氏も、スクウェア時代に「ファイナルファンタジーVII」の3DCG開発を進めた後に、スクウェアUSAの最高技術責任者として映画版「FF」の技術開発を主導した経歴を持つ。その後2006年までEAの技術担当副社長を務めて退職。006年に同社を設立し、本作の開発をスタートさせた。

今回発表されたのは、ゲーム世界の一部とスクリーンショットのみで、まだ技術デモの範疇に留まっている。しかし橋本氏から本作の概要とビジョンについて興味深い話を伺うことができた。

本作「Blue Mars」は、MMOスタイルのバーチャル・コミュニティ・ワールドだ。戦闘などの要素はなく、「セカンドライフ」や、PS3でサービスが予定されている「Home」などに近い、3Dアバターによるコミュニケーションサービスとなっている。3Dエンジンには独Crytek社が開発した「CryEngine2」が世界で初めてライセンスされており、フォトリアルな表現が追求されている点が特徴だ。プラットフォームはハイエンドPCで、WindowsVista向けにDirect10ベースで開発されている。もっともサービス開始は2008年末を予定しており、その後の数年間で標準的なPC性能になるという読みだ。

舞台となるのは惑星改造が進んで人類が居住可能になった170年後の火星だ。環境汚染などで地球を脱出せざるを得なくなった人類が、第2の故郷として火星を植民し、21世紀初頭の古き良き時代を懐かしんで暮らしている、という設定になっている。そのため宇宙港など一部の建物を除き、現実世界にきわめて近いビジュアル設定がとられている。プレイヤーはこの世界にログインして、互いにコミュニケーションを取って楽しむ仕組みだ。ビジネスモデルとしては基本プレイ無料のアイテム課金ベースが考えられているという。運営についても自社パブリッシュで、当初からアメリカ・日本をまたぐような、国際的な展開になるようだ。

「Blue Mars」のユニークな点は、「セカンドライフ」のようなユーザクリエイテッドコンテンツのシステムが、一部取り入れられているところだ。といっても、一般ユーザーが自由にアイテムなどを作れるわけではなく、CGスタジオや個人でも優れた技術を持っているアーティストと、「アイテムパートナー」と呼ばれる契約を結んで、彼らにアイテムを作成してもらう形をとる。アイテムだけでなく、ゲームのような遊べるコンテンツを作成する「アトラクションパートナー」や、バーチャルワールドを開発・分譲する「シティディベロッパー」など、広範囲なパートナーシップが結ばれる予定だ。

1サーバは4kmまたは8km四方のバーチャルエリアで構成され、同時に1万人のユーザがログインして、自由に行動できる。もっとも画面に同時に表示されるキャラクタ数は50名程度に抑えるとのことで、本来FPSに向いたCryEngine2を巧く活用していくとのこと。当初はハワイのホノルルをモチーフにした「ビーチエリア」をはじめ、3つのエリアでサービスを開始する予定で、会員の増加に伴い拡大していきたいとした。また、この地域開発に前述の「シティディベロッパー」に参入してもらい、バーチャル地域開発などを進めてもらうことも予定しているとのことだ。

ユーザが自由にコンテンツを作成できないのは、著作権やアダルト関係など、自由さによって発生するデメリットを回避するため。それよりもプロの開発者が参加しやすい環境を整えることで、ユーザが安心して楽しめる空間を提供することを目的としている。一方で同社としては、コンテンツ開発環境の整備をはじめ、トータルプロデュースを行うことで、コンテンツ開発パートナーとのWIN-WINモデルを構築し、早期に世界を充実したものにしていくことを目指している。一方ユーザ向けにもオークションシステムが提供され、家やアイテムなどをゲーム内通貨で売買したり、交換できるような仕組みが考えられているとのこと。いわゆるRMT問題を慎重に回避したい、という意図も感じられる。なかなか興味深いやり方だと言えるだろう。

もう一点、本サービスがユニークなのは、米Streambase社が開発したストリーム型データベースを採用している点だ。これは株式市場の分析向けに用いられているもので、ユーザーの行動様式や視線などをデータベース化して蓄積できる。ゲーム内でモーターショーやファッションショーなどを開催したとして、あるユーザがどの商品を一番チェックしたか、などの詳細なデータを取ることができる仕組みだ。これをマーケティングデータとして活用することで、ゲーム内広告によるビジネスの場としても活用していくことが検討されている。フォトリアルで現実的なグラフィックが採用されているのも、一つにはこうした背景事情がある。

橋本氏はサービスのビジョンを3段階に分けて語った。まずユーザを集める「アバターワールド」の段階で早期に100万人のユーザー会員を集め、続いて「マーケットプレイス」として広告収入やアイテム販売などのステップに移行。会員が300万人を越えたところで、ゲームコンテンツの配信などを行っていくという流れだ。この3ステップを5年間で到達したいという。

また世界で初めて「CryEngine2」を採用した理由については、光線計算を初めとした陰影表現が巧みで、クオリティバランスの高いCGを作りやすい点が決め手だったという。本作では今回公開された「ビーチリゾート」をはじめ、リアルな自然環境をCGで再現することがコンセプトとなっており、これに「CryEngine2」が適していたとのことだ。映画版「FF」では、CGアーティストを大量に動員して精緻なテクスチャを作成したり、一画面に大量の光源を設置して複雑な陰影を作り出し、レンダリングに長時間かけて仕上げるなど、力業でフォトリアルなCG映像を作り出していた。しかし、これが「CryEngine2」の活用で、グラフィックのリソースを抑えて、高品位な映像を作ることが可能になった。

現在は、舞台となる火星の3Dデモ表示と、海岸沿いに作られたコンドミニアムの中を一人称視点で動けるだけに留まっているが、来年2月に米サンフランシスコで開催されるGDCで、アバターによる操作やネットワーク上でのプレイ、パートナーシップ・プログラムの発表などを予定している。アバターについてもリアル調のキャラクターになる予定で、いわゆる「不気味の谷」に陥らないように、バランスのとれたキャラクター制作をめざしているとのことだった。「映画版『FF』の制作を通して、いろいろ学んだことを生かしたい」と橋本氏は語る。

「FF VII」ではプレイステーション上で、戦闘シーンをはじめとしたリアルタイムCG表現に挑戦し、映画版「FF」ではマシンスペックの制約から解き放たれた環境で、逆にムービーによるCG表現を追求した。「Blue Mars」では再び、PCによるハイエンドなリアルタイム表現の分野に戻ってきたわけで、橋本氏を初めとした旧スクウェアの技術開発スタッフの挑戦がどのような展開を見せるか、要注目と言うところだろう。

ちなみに同社の「エンジェル」で、共同経営者のヘンク・ロジャース氏は、元ビー・ピー・エス社長で、長年にわたり「テトリス」関係のビジネスに携わってきた人物だ。最近では米国向けに携帯電話向けゲームの配給を行う「Blue Lara Wireless」社を立ち上げ、成功を収めている。また元アメリカ任天堂社長の荒川寛氏や、テトリスの開発者として著名なアレクセイ・パジトノフ氏も顧問的な立場で迎えている。橋本氏曰く、荒川氏からはまったく思いもよらなかったアドバイスを受けることができ、とても助かっているとのこと。こうした点でも注目の存在といえそうだ。
《小野憲史》

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