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【イベント】先端技術を使ったバーチャリアリティが集結―IVRC東京予選大会

あいにくの小雨模様となった9月29日・30日、日本科学未来館で国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)の東京予選大会が開催された。今年で15回目を迎える本大会は、バーチャルリアリティやロボットなどの、先端技術を用いたバーチャルリアリティコンテストで、学生の手作り感覚あふれる作品が激突するのが特徴だ。

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それでは、最後になったが東京予選の結果を発表しよう。来場者の得票に加えて、審査員の厳正な審査が行われた結果、蟻が腕をはい回る感触を再現した異色の作品「虫 HOW?」が一位通過をはたし、会場を驚かせた。タイトルが読み上げられると、会場内で「おお〜っ!」とどよめきが起こったほどだ。また、プレゼンテーション審査では9位だった「風景バーテンダー」が3位に躍進した。

このほか、協賛のフロムソフトウェア賞には「HAPPA!!」が、明和電気社長賞には「いれたら」が受賞した。フロムソフトウェア賞には賞状と記念の楯が、明和電気社長賞には賞状と、好例となっている忘年会参加権が送られた(これには土佐社長とのカラオケ・デュエット権も含まれている)。また個人部門は残念ながら最優秀賞がなしという結果になったが、優秀賞には藤田氏の「Popping-Pump」が受賞。最後に最も会場の人気を集めた未来観客賞には「かげかみさま」が輝いた。

■団体部門(作品名 チーム名 大学)
1位:虫 HOW?/たまごちゃん/電気通信大学
2位:HOP AMP/ライトフライヤー/筑波大学
3位:風景バーテンダー/酒豪/北陸先端科学技術大学院大学
4位:Heaven’s Mirror/Stamwoo/東京工業大学大学院

■フロムソフトウェア賞 
HAPPA!!/中トロ/電気通信大学

■明和電機社長賞
いれたら/にゃー/電気通信大学

■個人部門

最優秀賞
該当なし

優秀賞
藤田倫太朗/Popping-Pump

■未来観客賞
かげかみさま/かげかみさまのおかげ/奈良先端科学技術大学院大学

審査委員長の筑波大学・岩田洋夫氏は、「例年IVRCのレベルが上がってきて、作品の完成度も上がってきた。採点するのも非常にたいへんで、昨年までは各作品ごとに審査員で5段階評価をつけて合計していたが、実際には差がほとんど出ず、決選投票を行っていた。そこで今年からは1位から10位までの順位をつけてもらって、その合計点数で決める方式に変更したが、それでも2作品が同点で4位となってしまい、決選投票をすることになった」と述べ、非常に接戦だったとコメント。岐阜本選で総合優勝した作品でも米シーグラフで落選する一方で、予選で落ちた作品が入選することもあり得るので、今後も作品制作を続けて欲しいとアピールした。

選評を述べる筑波大学・岩田洋夫審査委員長


明和電気社長賞の選出理由として、土佐信道氏は「(「いれたら」は)最悪の作品だったということです」とコメントして、会場の爆笑を誘った。「作品の中を覗いても、バーチャルリアリティというよりは、リアリティでした。気持ち悪い舌が動いていると。気持ち悪さの演出という意味ではピカイチだったんですが、なにぶん、すごく……リアリティだったなと。ただ会場全体の楽しさを底上げしていたのは、この作品だったなと思いまして、選ばさせていただきました」と述べた。

フロムソフトウェア賞の選出理由として、同社の谷村唯プロデューサーは「全体的に完成度として惜しくも選外となってしまったんですが、勢いと、コンテンツの雰囲気の巧さを主な受賞の理由とさせていただきました。特に泡を木に見立てるというアイディアの斬新さという部分と、スタッフの皆さんが子供を持ち上げたり、盛り上げようと説明したりとか、サービス精神をたいへん感じましたので、そういった部分でも、全体的な雰囲気作りの巧さに繋がったのではないかと思いました」とコメントした。

注目の岐阜本大会は、岐阜県・各務原市テクノプラザで、2007年11月2日・3日に開催される。



■虫 HOW?/チームリーダー 松尾佳菜子さん(電気通信大学・人間コミュニケーション学科)コメント

「みなさん気持ち悪いもの好きみたいで、ハマっていただけて光栄です。最初から蟻で決めてました。研究室でも蟻を二匹飼ってます。本選への抱負ですか? そうですね〜。もっと蟻っぽくしたいですね。蟻の刺激点をもっと増やして、応用の利く動きにしたいですね。スイッチの数はそのままでも、1個のスイッチに2つの刺激点をつけて動きが二倍、ド〜ンみたいな。ド〜ン、バ〜ン、ウ〜! でがんばります」

一位通過をはたした「虫 HOW?」チームたまごちゃんの面々(中央が松尾さん)




■審査員/明和電気社長 土佐信道氏インタビュー

−−IVRCの魅力や、審査員を引き受けられている理由を教えてください

土佐氏:やっぱり、技術とエンタテインメントが両方、交わっているところにおもしろさがありますね。4年前に稲見先生に誘われて、審査員を引き受けることになりました。

−−刺激になりますか?

土佐氏:ええ。そういう作り方をするかっていう。エンジニアリングの部分ですね。あと発想の部分。

−−インタラクティブ東京や、予選を通過した作品よりも、選外になった作品の方が面白かったりします。

土佐氏:そうですよねえ。企画倒れというか。見てて楽しいですね。

−−授与理由として、バーチャルではない点と、楽しげな点の2つを上げられていましたが、ご自身の作品にも共通しそうですね。

土佐:はいはいはい。エンジニアリングの部分と、エンタテインメントの部分ですね。やっぱり「いれたら」は、エンジニアリングの部分が「ローテク」ですよね。でも表現として面白かどうかは、それとは別の部分なんですよ。まあ、おもしろかったです。

明和電気社長 土佐信道氏


テレビゲームも最近では、技術とコストとおもしろさのバランスが、崩れ始めている側面がある。学生作品だからこそ、刺激となる点もあるはずだ。
《小野憲史》
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