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今どきゲーム事情■中村彰憲:Steamってなんだ?!〜Valve Softwareの展開する、ブロードバンド時代の新プラットホーム〜

■デジタル流通と店頭販売はこれからも共存していくよ

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■『STEAM』のコミュニティ情報収集力はサードパーティにとってもメリットになるのさ。

中村:では、デジタル配信のメリットなども教えてください。

ダッグ:Steamを活用することで、これまであまり人気のなかったタイトルに、たくさんの注目があつまるようになったね。たとえば『Red Orchestra』。Unreal用MODで通常の流通網を使って販売しようとしていたんだけど、結局ほとんど利益を得られるようなオファーをとることができなかったんだ。だから、彼らはゲーム業界をあきらめて他の業界に進もうと思っていたんだけど、その前に僕らにコンタクトしてきたんだ。「SteamでUnreal用ゲームを売ってもいいですか?」ってね。そこで僕らはこう答えたよ。「何がいけないのっ?」って。彼らの作品はSteamで販売され、ヒット作品になった。これで、ビジネスが成立したんだ。これは僕らにとっても凄くうれしいことさ。Red Orchestraのチームが大きくなっても僕らのチームでありつづけるんだ。そこから僕らが益を得ることだってできると思うよ。

中村:カプコンやUbisoftも、Steamでゲーム配信をはじめましたよね。

ダッグ:Steamを採用したいずれの企業も「もっとコンテンツをSteamで売りたい」って言ってるよ。理由は簡単。「お金」さ!デジタル配信でよりたくさん売れる。アップデートも自動的にできるしね。さらに重要な点だけど、マーケティングの道具にもなっているんだ。1500万以上のアカウントを持っていて、彼らにトレイラーやデモを配信することもできる。僕らにとっては、その作品をSteam上で買ってもらっても、ゲームショップで買ってもらってもかまわないんだ。ゲームの認知度を高められれば僕らにとってはいいことなのさ。僕らはあらたなサービスや機能をどんどん追加していくんだ。週末無料といったキャンペーンもね。あるタイトルで、週末無料キャンペーンをやったんだけど、面白いことにそれをやることで、翌週、ゲームショップでそのタイトルの売り上げがアップするんだ。「Steamの導入がユーザーの中で進むと、ゲームショップの売り上げが下がるのでは?」と、これまでたくさんの人たちが心配しているんだけど、それは誤解だよ。事実、Steamの売り上げも、ゲームショップの売り上げも両方アップさせるんだ。

中村:Steamのサポート体制はどのようになっているんですか?

ダッグ:Steamは規模の拡大が続いているね。Valve全体では120人のスタッフがいるけど、その中の約20名程度が、エンジニアとカスタマーサービスとしてSteamを専門に扱っているよ。カプコン、Ubisoft、Activisionといったメーカー対応も行っているんだ。当然その他のメーカーへのサポートもしっかり行っているよ。

中村:その他、Steamについて何か言いたことがあれば、ぜひ!

ダッグ:僕らが、ちょっと昔のコンテンツに一般のショップでは決して入手できない特典などを入れたりすると、売り上げがアップしたりするんだ。Steamは、棚数は無限にあるんだ。商品を売るための物理的空間は必要ないからね。一般の業者はあらたな作品がリリースされたら、いくつかのタイトルの販売を終了しなくちゃならないけど、僕たちはその必要がない。値段だって物理的なモノを原価として組み込む必要がないので、かなり融通が利くしね。たしかにコミュニティを作り上げる、っていう努力はしているけど、倉庫の設置、販売管理、マニュアル手配といった作業よりは、全然楽だと思うよ。

MODコミュニティへのサポートも、『Half Life』時代から僕らにとってたくさんのボーナスをもたらしてくれたよ。『カウンターストライク』のチームを見つけることができたのもそうだし…。『Team Fortress』チームもそうだ。個人個人の貢献で商品の価値を長く保つこともできたしね。これからもプレイヤーからより多くの情報を得ることで、僕たちが提供できるサービスがさらに優れたものなっていくと思っているよ。

中村:ありがとうございました!
《中村彰憲》
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