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Shoot it! - #033 Eスポーツクラブを作ろう

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SlashGamesがiNSIDEに統合されて、Shoot It!もこちらに引っ越しました。SlashGamesの頃から読んでくださった皆さん、引き続きよろしくお願いします。

iNSIDEファンの皆さん、始めまして。Shoot It! は主にEスポーツに関連する情報をお届けしています。Eスポーツという言葉を初めて聞く人もいるかと思います。今回は初心に立ち戻り、あらためてEスポーツを紹介します。

Eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略です。直訳すると電気を使ったスポーツですが、実際はコンピュータを道具とするスポーツです。もっとわかりやすく言うと、対戦型コンピュータゲームを使って真剣に競技するという遊び方です。

真剣に競技するとはどういうことでしょうか。それはゲームを暇つぶしの道具や単なる遊び道具とせず、真剣勝負でプレイすることです。こういうプレイスタイルはアメリカで生まれました。DOOMやQuakeなど、FPSと呼ばれる一人称視点の対戦型射撃ゲームの流行がきっかけです。FPSは人間同士がゲームの中の空間で撃ち合います。その結果、練習を重ねた上手なプレイヤーが勝利することになります。みんなで対戦していれば、自然に「一番強いのは誰だろう」と思いますよね? そこでパソコンを持ち寄った『LANパーティ』というゲーム大会が流行しました。ゲーム大会の規模がどんどん大きくなり、アメリカでは数千人規模のゲーム大会がいくつも行われています。



東京・秋葉原で行われたLANゲームパーティ「BIGLAN Socket5」の様子



韓国ではネットカフェ同士のゲーム対戦大会が加熱し、テレビで中継されるようになってプロゲーマーが誕生しました。プロ野球やプロサッカーと同じように、ゲームをプレイすることで報酬を得る選手たちがいます。このきっかけとなったゲームはStarcraftです。StarcraftはRTSと呼ばれるリアルタイムストラテジーゲームで、すべてのコマが同時に動くチェスのような感覚のゲームです。韓国ではゲーマーのプロ化、ゲームイベントの興業化に成功し、現在はFPSなどさまざまな種類のゲームでプロが活躍しています。

このように対戦ゲームの人気が拡大し、国際的な大会も開かれるようになったとき、誰からともなく、Eスポーツという言葉が生まれました。対戦ゲームもスポーツと同じように、正々堂々、公平な立場で技を競い、対戦相手を尊敬し、交流していこう、と考える人々が増えてきたのです。ゲームにスポーツマンシップの精神を取り入れて、ゲームを文化に高めようというわけです。Eスポーツは特定のゲームを指す言葉ではなく、ゲームをプレイする気持ちを表す言葉だと言えそうです。だから、すべての対戦ゲームがEスポーツになるわけではありません。スポーツマンシップを反映できるゲーム、真剣勝負ができるゲームがEスポーツになります。それを決めるのはEスポーツプレーヤー自身です。

Eスポーツに相応しい、真剣勝負ができるゲームとは何でしょうか。それは今までのゲームとはちょっと違う作り方をされたゲームだと言えます。レーシングゲームに例えると、実際のクルマの動きを正確に反映させるだけではなく、誰が操作しても同じ動きをすることが求められます。従来のレーシングゲームには、順位の後ろのクルマの性能を上げて常に追い越しの楽しみが再現できたり、下手な人でも逆転勝ちできるようなお助けアイテムが登場する作品がありました。しかし、これは本当に公平でしょうか? 勝つために頑張って練習しても、ゲームの実力以外のところで逆転負けしてしまう。そんなゲームは人間の操作技術を真剣に競えません。対戦苦闘ゲームもそうです。どこにパンチを当てても、相手に与えるダメージの量がランダムに変わってしまうと、人間の技術が正しく反映されません。ボディ、顔、足などの部位によってダメージの量が変わったとしても、同じ操作をした場合、誰にでも同じ結果が返ってこなくてはいけません。

こういう点が認められて、世界のEスポーツプレイヤーが支持するゲームにはQueke、DOOM、カウンターストライク、アンリアルトーナメント、Starcraft、Age of Empire、Warcaraftなどがあります。これらのゲームは世界のEスポーツ大会で認められており、多くのプレーヤーが技を競っています。スポーツマンシップに則って競技しています。日本ではゲームセンターの格闘ゲームが人気で、スポーツのように楽しまれています。

しかし、これらのEスポーツゲームは従来のスポーツ愛好者には受け入れられない部分もあります。それは、これらのゲームが戦争をテーマとしていたり、暴力的な表現を含んでいることです。ほとんどのスポーツは学校でクラブ活動や同好会活動として認められるでしょう。しかし、これらのゲームを使うスポーツが教育の場で使われることは好ましくない、という考え方もあります。ゲームにスポーツマンシップを取り入れた、スポーツと同じように人格形成や協調性、忍耐力などの鍛錬になり、国際交流に役立つとしても、画面が暴力的な場面になっていると理解してもらえません。暴力的な表現が人格に悪影響を与えることは科学的に立証されていませんが、誤解は避けたいですね。

そこで最近は、暴力的表現のないゲームタイトルでEスポーツを楽しもうという気運が高まっています。そのひとつの例がスポーツゲームです。サッカーゲームや野球、ゴルフ、レースなど、従来のスポーツを再現したゲームでEスポーツを楽しみます。この考え方が認められて、アジアオリンピック評議会は今年のアジアインドアゲームズにEスポーツを採用しました。Eスポーツはオリンピックスポーツとして認められました。

ゲーム好きな皆さんも、ただ漫然とゲームを遊ぶのではなく、勝利する、地域や国で一番になると言う目標を持ってゲームを競技してみませんか。ライバルがいて、技術を競い合い、勝利を心から喜び、敗北をかみ締める。真剣に遊ぶことから、きっと何か大切なことを学べるはずです。ぜひ実践してみてください。そして、Eスポーツの楽しさに気付いたら、ぜひ学校でEスポーツクラブや同好会を作りましょう。ひとりでゲームを遊ぶよりも楽しく、生涯の友に巡り会えるかもしれません。他の学校と交流戦を重ねるうちに社交性を身につければ、社会に出たときにプラスになるでしょう。暴力表現のないゲームを選び、パソコンクラブなどで先生に紹介して理解を求めてもいいかもしれません。

Eスポーツは身体を酷使しません。だからスポーツとは言えない、という人もたくさんいます。しかし、スポーツとは、スポーツマンシップとは、身体を酷使できる人だけの物でしょうか。それは違うと思います。私はこどもの頃からアレルギー性喘息の持病があり、激しい運動をすると呼吸困難になります。そんな私にとって、スポーツやスポーツマンシップはマンガやアニメ、ドラマでしか触れられず、実体験できない世界でした。しかし、Eスポーツによって練習する努力を経験し、技術を競う仲間と出会い、ひとつのゲームを極める楽しみを知りました。それはバーチャルな体験に過ぎないかもしれません。でも、私がこどもの頃にEスポーツを知っていたら、そこからスポーツマンシップを学び、今よりもたくさんの仲間と親友を得たことでしょう。

身体を使わないからスポーツではない。そういう考え方は差別的で、スポーツマンシップに反しています。Eスポーツは体力に不安なお年寄りや子供も受け入れます。老若男女すべてに開かれたスポーツです。シングルプレイだけで遊ばずに、対戦プレイで友達を増やしませんか。そこからスポーツマンシップが始まります。
《杉山淳一》

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