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【インプレッション】ユグドラ・ユニオン(GBA)

プレイ時間 35時間

任天堂 GBA
プレイ時間 35時間

GBAで発売されたシミュレーションゲームとしては最高峰のものと最初から断言してしまいましょう。ドット絵の作りこみは職人芸で、狭いゲーム画面の中でも非常に視認性が高いものとなっています。レイアウトから、操作性も含め非常に考えられて作られた内容となっています。

まず簡単にストーリーを紹介しましょう。圧倒的な軍事力を持つ帝国軍に攻められ、敗退していく王国軍。王も死に、陥落する王都。そこから落ち延びた一人の少女。この少女が今回の主人公「ユグドラ=ユリル=アルトワルツ」聖剣と、出会った少年・盗賊王ミラノと共に、祖国解放のための戦いが始まる。といった内容です。

ゲームのシステムは「ファイヤーエムブレム」に似ています。戦闘に出すユニットを選び、配置し、特定の目的(敵の殲滅、特定の場所の確保、脱出するポイントも到達する)を達するとクリアとなります。戦闘はユニット単位で行われ、一度キャラが死亡すると生き返ることはありません(ただし、そのマップを最初からやり直すことはできます)。

ここまでは「ファイヤーエムブレム」と似ていますが、移動・戦闘の方法が「ユグドラユニオン」の大きな特徴です。「ユグドラユニオン」では「カード」が大きな要素を持っています。カードには複数の属性があり「移動力」「攻撃力」「必殺技」「属性」などがあります。各マップが始まる前にそのマップで使用するカードを選びます。選べるカードの上限は決まっているので、マップや状況を見て気をつけて選択する必要があります。

キャラ自身も固有の「士気(=体力)」「統率力」「戦闘力」「技量」「運」というパラメーターを持っており、戦闘の結果やアイテム取得などに大きな影響を与えます。恐ろしいことに、HP変わりでもある「士気」は次のマップに進んでも回復する事はありません。士気の回復はゲーム内で入手できるアイテムを利用する事になります。

当然、ユニットごとの相性もあり、利用している武器や、それぞれのキャラの個性(「反撃を受けない」「聖なる攻撃に強い」等)があり、多少能力が低くても、戦い方を工夫することにより勝利をする事も可能です。

マップ自体はそれほど大きくないものの(15x15以内のものが多い)携帯機で遊ぶには丁度よい大きさで、1マップ20分〜30分程度で楽しめます。また、50くらいのマップがあり、ストーリーも波乱含みで長く楽しむ事ができます。クリアまで最低でも20時間はかかると思います。

上記にあげた以外にも、様々なシステムが用意されています。「複数ユニット対複数ユニット」の戦闘、一度ゲームオーバーになったマップに再度挑戦する時は敵の攻撃力が下がる、「アイテムの加工や交換」、「地形効果」、攻撃力やスキルの使用に影響する「レイジシステム」、戦闘内での作戦変更などとにかく盛りだくさんです。これだけあると、難しそうと思うかもしれませんが、最初から全て使えるわけではなく、少しづつゲームが進むにつれ、新しい機能やシステムが使えるようになります。それも全てゲーム内のキャラによる親切なチュートリアルで紹介されるので、ハードルが高いゲームではありません。

ゲームクリア後にも数々のお楽しみがあり、長く遊べる一本です。

改めて強調しておきたいのが、ゲームボーイのソフトという制限の中、非常にレイアウトや文字の見やすさ、操作性の良さが意識されているところです。シミュレーション好きなら間違いなくオススメです!「リヴィエラ」も制作した、スティングの開発能力に驚かされると思います。

批判が一切なく、書いてきましたが、最後に気になる少ない点についても記載しておきます。まずは登場するキャラが少ないです。自軍のキャラとなるのは10人程度です。まぁ、とはいえ少ない人数にしぼった方が、ゲームボーイの狭い画面には向いているかと思います(一度に出撃できるユニットも4名くらいが基本ですので)。後は、やはり値段ですね。GBAのソフトとしては、高い部類に入る6,090円。しかし、この値段だけの価値は十分にあると思います。

オフィシャルサイトを見て、「ゲームの雰囲気面白そう」と感じたら間違いなく買い!です。ただし、キャラクターのイラストがあわない人はよ〜く考えてから購入した方がいいかもしれません。ゲーム事態は割と硬派ですが。GBAのソフトとして、自分の中ではベスト3入りしたソフト。ぜひ遊んでみてくださいな。
《りゅか》
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