こと広い宇宙空間において戦闘機を駆って繰り広げられる空間戦ではグラフィックの美麗さが比較的押さえられてしまうのですが、惑星の大気圏内やそれに近い位置を舞台とするステージではそのグラフィックを堪能することができます。空間戦闘では極めて広い戦場を舞台に戦闘が繰り広げられ、上下の無い戦場にて縦横無尽に飛び交う攻撃の雨にその戦闘の激しさが如実に伝わってきます。
「3」が持つ最大の特徴は、これまで完全にフライトシューティングゲームに徹していた本シリーズに人を操って移動するアクションモードが追加された、という点にあり、スターウォーズシリーズのひとつの華、ともいえるジェダイの騎士の主力装備「ライトセーバー」を振るって戦うことも可能となりました。この追加点によってスターウォーズの世界観をより深く再現することに一歩近づいたと言えるでしょう。
対戦モードでは、戦闘機同士のドッグファイトだけでなく、デススター表層部分ギリギリを飛んで弱点部分を目指すという本編においても登場するシーンを再現したレースモードなどファン垂涎のシチュエーションが用意されてします。
しかし、グラフィックが極めて美麗かつ広い空間で戦闘が行われる一方で、敵の戦闘機との距離が大きく開いた状態で射撃することも少なくなく、敵機が背景に溶け込んでしまってどこに居るのかが掴みづらくなってしまうことがあります。その点は以前のシリーズから搭載されている「照準コンピュータ」を用いて敵を浮き立たせることによって解決可能なのですが、メインウェポンがA・サブウェポンがBという設定の中で、Yを押しながらAを連打したり……というのはちょっと辛いかな、と思います。Zなら良かったかな、と。また命中判定が少々わかりずらく、本当に当たったかどうかを確認しにくいという点があります。まあ、空間戦をするような相手はそんなにカタくないから火噴いてなければ当たってないと判断しても間違ってはいないのですが。グラフィックという点では、先の述べた対戦モードにおいて採用されているレースモード、特にデススターにおいてどこからが障害物でどこからが通れるルートなのかがときたま見えにくくなっているように感じました。まあ、全体がグレーの機械だから、なんですが。
さらに本作の最大の特徴、と述べたアクションパートにも少々の難を感じます。反乱軍対帝国軍という圧倒的な戦力差のある状況もあってか少数(というより一人)対多数というケースが多いため引いた視点が多くなっています。キャラの動きが滑っているような感があり、歩いている・走っているという感が少々薄いことに加え、ダメージを与えたり受けたりした実感が弱いように感じられます。世界観を再現する上では非常に良いアイディアだと思うので、このシステムの今後の練り込みに期待したいですね。
ゲーム中には各所に映画そのもののムービーが挿入される他、タイトル画面などには文字通り「映画そのもの」が登場するシーンもあるなど映像表現は極めて高度なものを用いています。が、そのためかどうかはわかりませんが読み込みに忙しいようで、ゲームキューブ本体が激しく稼働音を上げているのがたまに気になります。しかし、レイア姫の救出や惑星ダゴバでのジェダイとしての修行、さらには緑の衛星エンドアにおけるチェイスシーンなど様々な名シーンを再現し、世界観のインタラクティブ化は大きく進行したといえるでしょう。ゲーム中に現れる指示がたまにわかりにくいこともあって少々難易度は高く、誰でも気楽に……とはいかないのですがこれが実戦だ、とも言えます。スターウォーズの世界にインタラクティブに楽しむためのカギとして是非手にしてみて頂きたいと思います。
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