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【インプレッション】ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる秘宝

心臓が伸縮運動を繰り返しすぎて破裂するんじゃないかと思えるほど、人にはドキドキする瞬間があって、例えばそれはスポーツの大事な試合であったりだとか、大好きなゲームの発売前夜であったりだとかするわけですけど(もちろん僕も例外に漏れず大作RPGの発売前夜は興奮して寝られなかった中学生時代があったし)、そんなたくさんの場面に現れるドキドキは、マンガを読んでいるその刹那にも不意に訪れて、やはり僕らの心臓をレッドゾーンまで加速するのです。とりわけ僕らのようなジャンプ世代にとって、戦闘力が53万だったり100%中の100%だったりする展開に右から左へ往復ビンタを食らわされるなんてことは日常茶飯事でした。今も僕は、(昔ほど端から端までなめ回すように読まなくなったことはあるけれど、)相も変わらずジャンプを読んでいて、やはりドキドキしながら『ワンピース』を、ガキんちょの気持ちそのままに毎週楽しみにしています。今回はその『ワンピース』を題材にした新作アクションアドベンチャーゲーム『ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる秘宝』を紹介します。

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心臓が伸縮運動を繰り返しすぎて破裂するんじゃないかと思えるほど、人にはドキドキする瞬間があって、例えばそれはスポーツの大事な試合であったりだとか、大好きなゲームの発売前夜であったりだとかするわけですけど(もちろん僕も例外に漏れず大作RPGの発売前夜は興奮して寝られなかった中学生時代があったし)、そんなたくさんの場面に現れるドキドキは、マンガを読んでいるその刹那にも不意に訪れて、やはり僕らの心臓をレッドゾーンまで加速するのです。とりわけ僕らのようなジャンプ世代にとって、戦闘力が53万だったり100%中の100%だったりする展開に右から左へ往復ビンタを食らわされるなんてことは日常茶飯事でした。今も僕は、(昔ほど端から端までなめ回すように読まなくなったことはあるけれど、)相も変わらずジャンプを読んでいて、やはりドキドキしながら『ワンピース』を、ガキんちょの気持ちそのままに毎週楽しみにしています。今回はその『ワンピース』を題材にした新作アクションアドベンチャーゲーム『ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる秘宝』を紹介します。



昨年『ワンピース アンリミテッドアドベンチャー』というタイトルがバンダイナムコゲームスより発売されましたが、本作はタイトルからも分かるように『ワンピース アンリミテッドシリーズ』の最新作です。シリーズ最新作とは言っても、ストーリーを引き継いでるわけではなく、前作を遊んでいなくても楽しめる内容になっているので安心してください。前作のレビューを僕が書かせていただいたという経緯があり、思い入れも深かったので、本作もレビューを書かせていただく運びとなりました。前作のレビューにもリンクを貼っておきますので是非こちらも参考にしてください。[その1] [その2]

さて、請け負ったからには色々とレビューを書き連ねて、持ち上げたり叩いたりしながら、背中を押してもらいたがっているユーザの方々の背中をくすぐって差し上げないといけない訳なのですけど(くすぐって前に出るか後ろに戻るかは読まれたあなた次第ですよ)、15時間ほどプレイした現時点で、「ワンピースが好きなら買わない理由なし」の太鼓判を押すほかないほど、隙のない作品に仕上がってしまっていてどうレビューしたものか手をこまねいている次第です。前作をプレイして僕がレビューに書いた疑問、難点などなどが丸っと解決されていて、少なくとも、前作に感じた必要以上の不親切さが全体的にブラッシュアップされ、ふとした瞬間に「めんどくせーなー」と感じるようなことはほぼ無くなっているように思いました。

細かい話は後々話すとして、まずは本作の大まかなさわりから話していきます。本作の目標は、ルフィ率いる麦わらの一味をプレイヤーが操作して、突如として海面に現れた島々を冒険することにあります。ゲーム自体はアクションアドベンチャーゲームで、果てしなく広いフィールドを走り回り、雑魚や、ボスキャラとして登場する歴代のライバルたちを蹴散らしていくことでストーリーが進行していきます。もちろん草木や石を集めてウソップやフランキーに道具や架け橋を作ってもらったり、サンジに料理を作ってもらったり、チョッパーに薬を頼んだりと、『ワンピース』を読んだことがある人ならお馴染みのお約束も多数もりこまれています。



冒険のストーリーはゲームオリジナルのものが展開されることになりますが、オリジナルのものといっても、十分アナザーストーリーとして楽しめるぐらいよく練られたストーリーなので、原作ファンやアニメファンの人も安心して物語を楽しんでもらえることでしょう。また、ゲーム中いつでもキャラクターの切り替えが可能で、プレイヤーの好みで、好きなキャラクターをずっと使い続けても、全キャラクターをまんべんなく使ってもかまわない作りになっていて、特定のキャラでなければ先に進むことが出来なくなる、ということはありません。キャラゲーなのだからどうしてもキャラごとに特別な個性を持たせたくなりそうなものですけど、ゲームの仕様としてではなく、キャラそのものの個性を大切にする作り方が、キャラゲーをよく知るガンバリオンらしいニクイ作りと言えます。



そして『ワンピース』のゲームなのだから、当然バトルの作り込みも一切の妥協を感じさせず、前作を遊んだ人には新しい必殺技が、前作を未プレイの人にもあの名シーンで使われた技が、原作そのままにゲーム中にこれでもかと盛り込まれています。簡単な操作で各アクションを連続的に繋げられるのも本作品の良いところで、お気に入りのキャラクターの必殺技をガシガシつないで雑魚キャラを吹き飛ばすのはなかなか爽快です。技自体も使い込むことでどんどんレベルがあがっていき、レベルをあげることで新しい技を習得していくことになるので積極的に雑魚キャラを蹴散らして進んでいきましょう。しかし雑魚戦はともかく、ボス戦はなかなか歯ごたえがあるので、アクションが苦手な人は毎回総力戦になること間違いなしなので、準備を怠ることなく挑んでください。



ここまでは前作を遊んだことがある人ならお馴染みの内容だと思います。お気づきでしょうが、本作は前作とゲームの作り自体にはほとんど変化がありません。それ故に前作を遊んだことがある人なら、完璧に隠されたキーポイントだったり、いちいちキャンプまで戻らないとセーブすらままならない面倒くささがまたあるのではないかと、不安を覚えているのではないでしょうか。僕も実際に本作に触れるまで、多少の不安はあったことをここで告白しておきますが、どうやら杞憂だったようで、本作では良い塩梅でそういった面倒くささが緩和されています。例えば新アイテムの「クワガタ」を使えば、マップ中の所々に配置されている二本の柱から、サニー号のある拠点まですぐに戻ることが出来ます。前作では広すぎるフィールドの端っこからわざわざセーブのために拠点に戻るのも一苦労でした。他にも、草木を除けたり、岩を破壊しないと出てこなかったキーポイントが最初から石版として見えるようになっていることが地味にありがたかったり、フランキー特製の「ナンデモ砲」を開発することで、サニー号からマップ中の特定のポイントに飛んでいくことも出来るようになっています。「そんなに便利になってしまったら冒険がヌルくなってしまうのでは?」という不安の声も聞こえてきそうですが、当然素材集めにかかる苦労や楽しさはそのままなのでご心配なく。むしろ前作以上に便利になってしまったが故に、素材集めに拍車がかかり、ストーリーが進まないこと請け合いです。僕自身15時間も遊んでいるというのに寄り道のしすぎでまだクリアまでもう少しかかりそうな様子だし、達成率に関しては未だ30%ときています。このボリュームには前作経験者なら思わずニヤリとするだろうことは間違いないでしょう。

今回のレビューは全体的にベタ褒めですが、あえて苦言を呈するなら、前作のボス戦時にあった回想シーンが本作には全く採用されなかったことが実に残念でした。ただ、前作にも出てきたボスが本作に何人も登場しているので、さすがに同じシーンを引用するわけにもいかなかったのでしょう。前作の回想シーンは本当に秀逸だったので、気になる方は是非前作もプレイしてみてください。

ガンバリオンの『アンリミテッドシリーズ』は「完璧なキャラゲーであろうとする熱意」と「キャラゲーでも面白さには妥協しない心意気」がうまく融合された良作で、前作から本作へと、確実にそのDNAは進化しながら伝達されているように思います。そして本作の完成をもって、『ワンピース』ゲームの最高傑作は、前作から本作へとバトンを渡したのではないでしょうか。キャラゲーという枠の中にありながらも、全力でゲーム性を追求した本作は、キャラゲーの枠すらも超えて、より多くの人に楽しんでもらえるのではないかと、僕は密かに期待しています。

ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる秘宝
(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (C)2008 NBGI
《ヤマタケ》
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