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【特集】『ロックマン エグゼ』15周年特別スタッフ対談!プリズムコンボ発覚から完結の理由まで

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インターネットが発達した少し未来の物語、大胆なアレンジながらも見たものを引き付けるイラスト、兄弟愛を描いた泣けるストーリー、ゲームボーイアドバンスの音源を最大に生かしたサウンド、アクションゲームとカードゲームを融合させた唯一無二のシステム――本日2016年3月21日で15周年を迎える『ロックマン エグゼ』は、これらの要素が絶妙に合わさった名作シリーズです。

インサイドではこの15周年を記念し、『ロックマン エグゼ』を手がけていたメンバーによる座談会を企画。名人としてシナリオを手がけた江口正和氏、デザイナーの加治勇人氏、石原雄二氏、中島暁子氏、メインプログラマーの松田幸悦氏という豪華メンバーに集まって頂き、時間の許す限り当時の話を伺ってきました。



内容はナンバリング作品にフォーカスし、事前に実施した読者アンケートの結果を元に構成。シリーズの誕生秘話はもちろんのこと、各分野のこだわりや、大会でのチート事件、衝撃の「プリズムコンボ」、そして今後の『ロッマンエグゼ』など、当時の思い出が蘇り、時にクスっと、時にジーンと来る、1万字越えの大ボリュームでお届けします。

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◆プロフィール

■松田幸悦

・役職:プログラマー
・担当:システム、バトル全般
・好きなキャラ:トードマン、ゴスペル
・好きなバトルチップ:エリアスチール、バリアブルソード

■江口正和

・役職:プランナー/名人
・担当:シナリオ、マップ、テキスト全般
・好きなキャラ:光はる香(ママ)、名人のナビ全部
・好きなバトルチップ:カワリミ

■石原雄二

・役職:デザイナー
・担当:主に電脳キャラクターのデザイン
・好きなキャラ:プログラムくん
・好きなバトルチップ:エリアスチール

■加治勇人

・役職:デザイナー
・担当:エグゼ1のキャラクターデザイン・インゲームキャラのドット絵を少々
・好きなキャラ:熱斗と炎山
・好きなバトルチップ:ロングソード

■中島暁子

・役職:デザイナー
・担当:主にNCP、ウィルス等。4.5ではUIも。
・好きなキャラ:ロックマン、アクアマン、フォルテ、熱斗、やいと、ディンゴ
・好きなバトルチップ:ロール

◆ホラーゲームから始まった『ロックマンエクゼ』



――名人さん、それあの白衣じゃないですか!

江口:「さん」はいらない!

――ありがとうございます!ということで座談会を始めさせて頂きます。シリーズ完結から10年が経過しますが、このメンバーで集まられることはありますか。

江口:めちゃくちゃ久しぶりですね。『エグゼ6』の打ち上げ以来だと思います。それにしても……みんな年取りましたよ(笑)。

石原:あのころは、まだ松田君の髪が肩甲骨くらいまであったね(笑)

松田:そうそう金髪でした(笑)。あの頃の開発風景は今でも鮮明に覚えていまして、なんと言ってもゲームボーイアドバンスのローンチタイトルでしたからね。当日の開発環境とか新鮮でしたよ。

――そういえばローンチタイトルでしたね。それでいて『エグゼ』は初代から、既にある程度完成されていたという印象があります。

江口:でもチームで最初に作っていたのはホラーゲームだったんですよ。

――え?どういうことですか。

江口:そもそものスタートは「ゲームボーイアドバンスで何か作ろう」というものでして、指にはめて心拍数を図る――今で言うウェアラブルデバイスと本体を連動させるゲームを作っていたんですよ。テーマは「ドキドキしながら楽しむホラーゲーム」でした。

松田:僕も勉強のため、エキスポランドのお化け屋敷に行ってました。

加治:よく覚えてるね(笑)

江口:それが気づいたら『エグゼ』になっていまして……なぜか(笑)。なんででしたっけ?

加治:たしかね、あの機械が難しいってなったんですよ。

松田:あと当時はカードゲームが流行っていまして、そういったトレンドも採り入れつつ、カプコンの得意なことをしましょうと。

――本当に気がつけば『エグゼ』になっていたんですね。

江口:もちろんちゃんとした手順は踏んで、の話なのですが、現場としてはそんな感じでした(笑)。

――当時のコンピューターやインターネットの出来事を見ていますと、Windows 95が出たり、2000年問題が起こらなかったりしましたが、なぜ世界観が「電脳ネットワーク」になったのでしょうか。

江口:先ほども話に出ましたが、当時はカードゲームがトレンドでしたので、まずは「カプコンだからこそできるカードゲーム」というテーマがありました。また本プロジェクトはキッズ向けだと最初から決まっていましたので、そこから「ロックマン」IPを使用することが決まり、ロックマンのアクションとカードゲームを融合させたシステムを生み出すことになったんです。それが「データアクション」です。

つまり、カードをデータに置き換えたモノが「バトルチップ」であり、それを使って戦うキャラクターがロックマン。その上で世界観を――と考えた時、もっとも相応しいのは「ネットワーク社会」だろうと。ですから、最初からシステムと世界観はセットになっていたんです。

――システムを構築する上で気をつけた点などありますか。



江口:『エグゼ』って、アクションゲームだけど「ジャンプ」がないんですよ。画期的ですよね(笑)

石原:「アクションが得意じゃない子でも戦略次第では勝てるようにしよう」という話は当時よくしていました。

――最近ではスマート家電やスマートハウスなんかが出てきて、あらゆるものがインターネットに繋がっている。さらにスマホに話しかけたら返答してくれ、良くも悪くも『エグゼ』で起こったこと、できた事がどんどん現実になっていますが、作り手から見てどうでしょうか。

江口:やっと時代が追いついたなと(笑)

一同:笑

江口:もともとですね、キッズ向けとして「背伸び感」というのを大切にしているんです。例えば携帯電話。当時だと大人は持っていましたが、子供は触らせてもらえませんでしたよね。ですので、そこには「憧れ」があるんですよ。それに「背伸び感」をプラスしてPETという要素を入れました。

シナリオでも「背伸び感」を大切にしていまして、「本当にありそうな少し先の未来」というものをテーマに描きました。空想的過ぎると自分の体験としてあまり残らないので、子供たちが「もしネットワーク社会になったらこうなるんだ!」という想像できることを第一に考えていましたね。

松田:確かに「背伸び感」というのはとても大事にしていました。

◆『ロックマン エグゼ』の開発はとにかくヤバかった!?



――『エグゼ』は色々と素晴らしい作品だと思うんですが、なんといっても毎年シリーズの新作が出ていたのが本当に凄いと思います。そもそもゲームボーイアドバンスの開発環境への移行はスムーズだったのでしょうか。

石原:ゲームボーイアドバンスはいいゲーム機ですよ。まずスーパーファミコン並みのグラフィックが携帯ゲーム機で出せるんです。あとは本体が子供向けに設計されていたのもよく、開発もやりやすかったですね。うちではアーケードで2Dゲームを多く作っていたので、そのノウハウを活かすことも出来ました。

江口:ただローンチだったので、スケジュールが大変で……絶対に延期できないじゃないですか。3月発売だったんですが、前年の12月31日の夜遅くに実家に帰り、正月2日の朝には出社するという。なんとか元旦は死守しましたけどね(笑)。

というか『エグゼ2』は『エグゼ1』出た年に出ましたからね!

――そういうスケジュールだと開発は平行で行われていたんですか?

江口:いや『エグゼ1』終わって、すぐ『エグゼ2』ですよ。

石原:スケジュールといえば、『エグゼ4.5』もかなりタイトでしたよね。

江口:あれはヤバイよ!

松田:あれは、かなりきつかったよ!本当に……。

江口:(『エグゼ4.5』のパッケージを指しながら)こいつ半年だからね。

石原:いやもう今だから言えますけど、本当にスケジュールが酷かったですよ。あと『エグゼ5』も。

――しかも『エグゼ3』は後から『ブラック』が出ましたよね。

江口:2バージョンブームが到来したんです。

次ページ:なぜ『ロックマン エグゼ』は『6』で完結したのか

《栗本 浩大》

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