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【TGS2015】『スターオーシャン5』開発者インタビュー!シリーズ存続のため、企画を立ち上げたのは意外な人物だった

トライエースとスクウェア・エニックスのタッグにより、1996年にスーパーファミコンソフトとしてリリースされた『スターオーシャン』。アクション性の高い戦闘システムに加え、SF要素をふんだんに盛り込んだ世界観・物語に高い独自性があり、注目を集めました。

ソニー PS4
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トライエースとスクウェア・エニックスのタッグにより、1996年にスーパーファミコンソフトとしてリリースされた『スターオーシャン』。アクション性の高い戦闘システムに加え、SF要素をふんだんに盛り込んだ世界観・物語に高い独自性があり、注目を集めました。

その人気ぶりはシリーズ展開へと結びつき、ナンバリングタイトルだけでも4作をリリース。リメイクや外伝的な作品も登場し、多くのファンと共に『スターオーシャン』シリーズは長い年月を歩んでききました。



しかし、2009年の『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-』を最後に、ナンバリング展開はしばらく音沙汰がないままでした。2010年2月4日に登場した『4』のINTERNATIONAL版から数えても、具体的な動きが見えないまま5年以上が経過。ファンからすれば、待ち遠しい時間が長かったことと思います。

ですが2015年4月に、PS4/PS3ソフト『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』の正式発表が舞い込みます。開発はもちろんトライエースで、移動と戦闘がリアルタイムに切り替わるシームレスフィールドを導入するとの刺激的な第一報となりました。

その後も定期的に情報が明らかとなり、9月15日に開催された「SCEJA Press Conference 2015」にて待望の発売日も決定。2016年2月25日に、多くの方が新たなる『スターオーシャン』を楽しめることになりました。



INTERNATIONAL版から6年の月日を経てリリースされる『スターオーシャン5』。その始動や開発にはどのような経緯があったのか。また本作の大きな魅力であるシームレスバトルはどのようなものなのか。気になる数多くのポイントを、本作のプロデューサーを務める小林秀一氏に直接伺いました。驚きの展開から思わず納得する話まで様々飛び出しているので、このインタビューから最新作の本質を感じ取ってみてください。

◆『4』の不満点を受け止めた人物が、制作の鍵を握っていた『スターオーシャン5』




──まず始めに、どのような形で本作に関わっているのか教えていただけますか。

小林氏:『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』のプロデューサーとして関わらせていただきました。今までは、本シリーズの宣伝プロデューサーをずっと担当しており、今回初めて開発側の方へ回りました。なので、新人です(笑)。

──そうだったんですか! 意外な経歴というと失礼かもしれませんが、驚きました。小林さんの気になる経歴も含め、『5』の企画がどのようにして動き、開発が始まったのか教えてください。

小林氏:前作の『4』が終わってからずっと僕は、「このシリーズは終わらせちゃいけないな」と思っていたんです。しかし、そもそも僕は宣伝という立場でこのシリーズに関わっていたので、当時は自分がプロジェクトを立ち上げようとまでは思っていなかったんです。

ですが、誰も立ち上がろうとしないまま時間が経つにつれて、「(宣伝するため)シリーズをよく知っている僕がやらないといけない」と思うようになり、開発が正式に動く前からトライエースさんと実はこっそり相談していて(笑)、「続編を作る余地はあるよね」と話し合っていたところが、『5』立ち上げの経緯と言えるかもしれません。

──なるほど。宣伝という立場だからこそシリーズを熟知していたその背景が、今回の立場に大きく関わっているんですね。


小林氏:特に前作での不満などは、開発側よりもまず僕の方に寄せられることもあるため、そういったご意見をしっかり反映し、ユーザーが望んでいる、そして僕自身も一番遊びたいと思う『スターオーシャン5』をちゃんと作りたいと思ってここまで来ました。

──発売日も決まり、東京ゲームショウへの出展という形まで積み上げてこられました。まだ気が抜けない日々が続くかと思いますが、まずはここまでたどり着いた率直なお気持ちをお聞かせください。

小林氏:そもそも、僕がずっとこのシリーズが好きで、携わっていたんです。その、ずっと好きだったシリーズの最新作が作れたこと、そして待っていただいたお客様にプレイしていただけたことが、すごく嬉しいです。(東京ゲームショウが)始まるまでは、吐くくらい緊張してましたけど(笑)。

もちろん欲はまだ出ているので、更に良くしたいとも考えています。僕が一番好きな『スターオーシャン3』をリスペクトしつつ、過去シリーズの良いところを取り入れ、不満があった部分をどれだけパッチを当ててまとめられるか、そして今回はシームレスという新しい要素を入れて、新しい『スターオーシャン』を生み出したいと思います。

──さきほど試遊させていただき、シームレスバトルを実感してきました。テンポの良さももちろんですし、気持ちが途切れず探索と冒険が楽しめる感覚は、没入感も高めてくれそうです。ちなみになぜ、本作でこのシームレスバトルを採用したのでしょうか。

小林氏:(新要素に関しては)開発側と色々と協議をしていたんです。シリーズとして期間が空いてしまっているため、目新しいシステムとか奇をてらったものなどは、昔からのファンの方々は戸惑うと思いましたし、スターオーシャンでなくなってしまう危惧がありました。そのため、シリーズのクラシカルなイメージを持ったままで、今風の進歩を迎えられるポイントはどこかと考え、プレイアビリティを高める方向に決めました。

前作だと、ムービーシーンは見ているだけで、プレイが止まってしまいます。その部分にも手を入れ、ムービーを見ている間もゲームプレイの手を止めないで楽しめる『スターオーシャン』は作れないかなと考えた末の答えとして、シームレスをキーワードにバトルやイベント、フィールドというものを組み立ています。

──シリーズが持ち続けてきた魅力を更に伸ばそうという思索から、シームレスバトルに辿り着いたんですね。


小林氏:海外のRPGですと、オープンワールドで自由度の高いがメジャーですが、既存のシリーズファンが「これじゃないよ」と感じてしまうような形は避けようと考え、“この世界の物語を楽しめる”という、本シリーズが持つストーリー重視の部分は変えたくなかったんです。

トライエースさんは技術屋集団なので、そのスキルを活かしてどこまでやれるかと思案し、非常に大変だったんですけどシームレスという方法論を選びました(笑)。

──ちなみに本作では、イベント中にもバトルが発生すると伺いました。一例で構わないので、どういう形なのか教えていただけますか?

小林氏:そうですね・・・例えば村に敵の軍隊が押し寄せてくる時には、村でイベントが起きている状態のまま、大軍勢でのバトルに入ります。といってもあまり難しく考える必要はなくて、これまでのシリーズにあった戦闘するためのバトルフィールドで、本作では「イベントでも何でも発生する」と考えてもらえると分かりやすいかもしれません。

──極端な言い方かもしれませんが、色々なことが起きるバトルフィールドが、マップや世界全体に拡がってるというイメージですか?

小林氏:そういう考え方で大丈夫です。

──以前公開されたPVでは6人くらいのパーティで移動するシーンがあり、「こんな大人数のパーティが組めるのか!?」と半信半疑でしたが、今回試遊させていただいて、戦闘中に操作するキャラを切り替えられる3人と、支援してくれるサポート系のメンバーという構成で実際に遊べるのが分かって嬉しかったです。


小林氏:本シリーズは、仲間がいっぱいいるけども、戦闘するには例えば「その中から4人を選ぶ」という形だったんですよ。でも今回はシームレスなので、仲間になったキャラキターも全員表示しないといけないんですよ。

──そこにも“区切り”はないんですね。

小林氏:そして、表示されている、つまりそこにいる状態なのに戦わないのって、やっぱり変じゃないですか。なら、全員戦えるようにしないとダメだなと思って、大人数でのパーティバトルにもチャレンジしました。

ちなみにキャラクターを制御するAIには、今回新しいシステムを入れています。快適にプレイできるような作りになっているのでご安心ください。

──シームレスバトルへの期待が更に高まります。では次に、戦闘と同じく気になる物語面に関しておきかせください。曖昧な表現で申し訳ありませんが、まず本作の物語の方向性をお聞かせください。

小林氏:実は『スターオーシャン』シリーズの中では珍しい、ファンタジー寄りになってます。未開惑星が舞台ですしね。ですがもちろん、後半には宇宙規模の大きな事件に巻き込まれたりもするので、「こんなに拡がるんだ」と感じてもらえたらと思っています。

──ある意味ミニマムなところからスタートし、マキシマムに膨らんでいくんですね。

小林氏:その辺りは意図してやっている感じですね。

──ちなみに本作の物語を通して、伝えたいテーマなどはありますか?


小林氏:本作のサブタイトルにある「Integrity and Faithlessness」なんですが、トライエースの社長でありシリーズのコンセプトを決めている五反田義治氏が、本作の開発当初から掲げているキーワードなんです。

ただこれ、直訳してもストーリーのテーマにはならないのもポイントなんです。物語のエンディングを迎えた時に、「ああ、こういうことだったのか」と思ってもらえるんじゃないかなと。

──クリアする時の楽しみが一つ増えそうですね。ちなみにクリアするまでの遊び応えというのは、どれくらいでしょうか。

小林氏:過去シリーズと同様、メインのストーリーを終わらせるだけでも結構なボリュームを遊べるようなシナリオになっています。ボイスの台本ももの凄い量だったので(笑)。メインのシナリオだけを遊ぶと数十時間で終わりますが、今回もキャラごとのエピローグやエンディング、やり込み要素などを用意してありますので、しっかり楽しんでもらえると思います。

──シリーズの最新作、たっぷり楽しめそうですね。ちょっと難しい質問かもしれませんが、そんな本作の魅力を一言で現すとしたら、どのような言葉になるでしょうか。

小林氏:「王道」ですかね。今となっては少ない、「JRPGの王道」を新しい技術でやってみた、というのが本作です。最近少ないですよね、王道のRPGって。なので真っ向勝負してみようかなと。

──真っ向勝負、いいですね。期待が膨らみます。

小林氏:その分、ものすごく苦労してますけどね(笑)。

──それでは最後となりますが、本作を待ち望んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

小林氏:僕自身もすごく待ち望んでいる一作です。(前作から)約6年間経つので、小学生が卒業するくらいの年月なので、シリーズファンの方々には本当にお待たせしていると思っています。また今回初めてシリーズに触れるという新しいユーザーの方にも楽しんでもらえるよう、頑張って作っています。また、更なる続き作れるような環境にしていきたいと思っているので、応援よろしくお願いします。

──本日はありがとうございました!

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』は2016年2月25日発売予定。価格は、7,980円(税抜)です。

(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by tri-Ace Inc. CHARACTER DESIGN:akiman
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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