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スマホゲームはブラックオーシャン、挑戦者の一人として戦う・・・ガンホー・オンライン・エンターテイメント森下一喜社長

ゲームビジネス 開発

スマホゲームはブラックオーシャン、挑戦者の一人として戦う・・・ガンホー・オンライン・エンターテイメント森下一喜社長
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国民的スマホゲームにまで成長した『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』を筆頭に、PCオンラインゲーム、スマホゲーム、そしてコンシューマゲームと、さまざまなゲームを発信し続けるガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)。最新作『パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション(パズマリ)』ではスーパーマリオとのコラボも実現させ、社会をあっと言わせました。テンセントとの提携で『パズドラ』の中国展開も控えるなど、さらなる挑戦が続いています。

そんな同社の要であり、代表取締役社長という重職ながらエグゼクティブプロデューサーとして、開発の指揮もとるのが森下一喜氏です。「昔、漫才師を目指していた」(黒川塾 参)「仕様が決まるまで帰れま10」「事業計画は絵に描いた餅」「つまらなかったら創り直す! ちゃぶ台返しだ!」(CEDEC2013基調講演より)など、ユニークな発言で知られる森下氏にガンホー流・経営術について伺いました。

(聞き手 黒川文雄)



―――「ガンホーフェスティバル2015」を終え、一段落といったところでしょうか?

森下: そうですね。今年は年明けの『パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション』(以下パズマリ)の発表イベントを皮切りに、毎週イベントを実施しているような状況でした。その集大成として5月31日には幕張メッセで「ガンホーフェスティバル2015」を開催して、多くのユーザーの皆様に集まっていただけました。

実はその前段階として、イオンリテールさん、イオンモールさんに協力していただいて『パズル&ドラゴンズ』の全国ツアーをやっていました。去年の6カ所に対して今年は9カ所で開催したのですが、総来場者数は去年の3倍くらいに増えています。中には入場者数が多くて、近隣道路で渋滞がおきた店舗もあったほどです。これまでになかったことで、ユーザー層の拡大を実感しました。

―――『パズマリ』の影響がさっそく出ている感じでしょうか?

そうですね。『パズマリ』は『パズドラZ』よりも、より広い層にリーチできました。下は幼稚園生、上は親御さんまで、幅広い層に遊んでいただけています。全体的に『パズドラ』のフランチャイズや価値を広げられたのではないでしょうか。

―――幅広い層に遊んでもらえるゲームを作りたいと常々言われていましたよね。ゲームクリエイターとして、本懐を遂げたという感じでしょうか?

いえいえ、本懐を遂げたら死んでしまいます(笑) まあ、それはさておき、常々言っているのは『パズドラ』を一過性のブームで終わらせるのではなく、一つの文化にしたいということですね。鬼ごっこや隠れんぼなどと同じように、パズルなんだけどアクション要素があって、ドロップを指でグリグリやりながら連鎖を組み立てていく遊びを、10年、20年と続けていって、次の世代まで継続させたい。もちろん日本だけでなく、世界に広げていきたいですね。

―――最近ではVRなど新しい技術やプラットフォームがどんどん出てきていますが、それらにIP展開していく考え方はありますか?

それはないと思います。何か新しい技術にIPを出すというよりも、新しい技術に適したイノベーティブな作品を作っていくのが一番良いんじゃないでしょうか。よく勘違いされるんですが、『パズドラZ』や『パズマリ』をコンシューマ機で出したのも、もともと『パズドラ』の企画段階からコンシューマ版を出そうと決めていたからです。スマートフォンで売れたから横展開というわけではありません。開発段階で画面の上側にダンジョン、下側にドロップという配置を決めたときに、これは絶対にニンテンドー3DSでもリリースしようと決めていました。

―――第1四半期は前年同期比で減収減益でしたが、これは大きく飛躍する前に身をかがめて、力を蓄えている状況と考えて良いですか?

たしかに前年同期比で見ると減収減益で、このまま業績が落ちていくのでは・・・そう思われている方も多いとは思います。実際、V字回復ってなかなか難しいですからね。だからこそニュースにもなるわけで。ただオンラインゲームって多少の波があるんですよ。過去の経験からみても、ちゃんと数字は戻していけると思っています。その根拠になるのがアクティブユーザーの数です。僕らはARPU(一人あたりの課金額)ではなく、アクティブユーザーを増やすことを重視しています。むしろARPUはできるだけ抑えようとしていて、ある程度まで上がるとあえて下げるようにしているくらいです。実際、ランキング上位のタイトルの中で『パズドラ』はARPUが一番低いゲームなんじゃないかと思いますね。

―――それはオンラインゲーム運営から得られた経験則でしょうか?

そうですね。課金って「たき火」みたいなものだと思うんですよ。薪をじゃんじゃんくべれば、そりゃ火は燃え上がりますが、すぐに薪がつきちゃいますよね。しかも熱くなりすぎて、それまで近くにいた人も火から遠ざかっちゃう。だからといって火の勢いが落ちても、また戻ってきてくれるわけじゃない。そこが微妙なさじ加減で、僕らも10年以上いろんな失敗を続けながらやってきました。コンテンツを長く育てるためにも、一過性ではなく持続性が大事です。



■自分たちが作りたいゲームを作っているだけ



―――森下さんは経営者でありながら、ゲームの企画会議には必ず出席して、開発の細部まで指示を出すプレイングマネージャーとして知られています。ただ、森下さんへの依存度が会社として大きすぎるのではないかという懸念もあると思うのです。実際にこの点は有価証券報告書にも記載されているほどです。この点はどのように考えられているのでしょうか?

まあ、リスクか否かと言われれば、リスクなんでしょうね。実際に健康には気をつかっていますしね。冗談っぽく「もし明日、俺が死んだら会社はどうなると思う?」なんて、開発チームと話したりすることもありますよ。ただ、結局は「死んだら死んだで仕方がない」という話に落ち着いちゃうんですよね。一つの時代が終わるだけで、辞める人も、残る人もいるだろうし、そこから新しい何かが始まるんでしょう。

―――とはいえ、ディズニーのように創始者がなくなっても成長を続ける企業もありますよね。

それはそうですよね。ただその時に、後継者が前任者と同じことをやっても仕方がないと思うんです。その人のカラーでやらないといけないということです。僕のやり方というのは、僕のキャラクター性もあって、実現できている部分もあります。だからその人なりの思想を持って会社を率いていく必要があるように思います。ただ、あえて言うと僕のやり方だとゲームの量産はできないです。今は運営中のタイトルについては極力見ないようにしていますが、それでもやっぱり口を出しちゃう時はありますしね。

―――実際『パズドラ』が目立ちすぎているがゆえに、他のタイトルが隠れている印象があります。1本1本が他の会社で言えば屋台骨クラスのタイトルだと思うのですが・・・。

はい。『パズドラ』以外のゲームも、それぞれにファンの方が沢山いらっしゃって、ダウンロード数でも数百万単位のゲームがあります。どれも1本だけでも、それだけで上場できるくらいの規模はありますよ(笑)。

―――新規タイトルの選定はどのようにされているのですか?ターゲット世代を決めてコンテンツのポートフォリオを組まれているのか、または別の考え方があるのか・・・

たとえば『ディバインゲート』は高校生向けに絞り込んだタイトルなんですよね。『パズドラ』はマス狙いでしたが、中には尖ったタイトルがあっても良いだろうと。『サモンズボード』は僕が『ファイアーエムブレム』の大ファンだから、もっと沢山の人にシミュレーションゲームの魅力を知って貰いたいというのが原点です。そのために徹底的にカジュアルに遊べるシミュレーションゲームとして、4マス×4マスに絞り込んで、詰め将棋っぽくしました。

―――なるほど。

とはいえですね、こんな風に一見すると何かしら戦略性のもとで作っているように見えますが、正確にいうと「作りたいものを作っているだけ」なんです。

―――ええっ、そうなんですか?

そりゃそうですよ。さっきいったことだって、ぜんぶ後付けです。たとえば『パズドラ』も、最初はスマホでアクションゲームが遊びたい、作りたいというところから始まったんです。でもバーチャルパッドで遊ばせるくらいなら、コンシューマで出せば良い。スマホでできるカジュアルなアクションゲームって何だ。だったらパズルゲームっぽくしよう、これが原点です。ターゲットも最初は自分たちでした。でも、できれば小さい子どもにも遊んで欲しいし、遊べるはずだ。そこからターゲットがマスに広がっていったんですよね。だからまあ、きわめて妄想の産物というか、結果的に戦略が立っていたというか。



次ページ: 市場はブラックオーシャン

《小野憲史》

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