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【CEDEC 2014】プロシージャルなアセット制作でゲーム制作を劇的に変える「Houdini Engine」

Side Effects Softwareの「Houdini Engine」。まだ聞き慣れない方も多いかもしれませんが、今後の技術として非常に注目されるプロシージャルによるアセット制作ツール&エンジンの注目株です。同社の多喜建一氏とScott Keating氏が登壇してセッションが行われました。

ゲームビジネス 開発
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Side Effects Softwareの「Houdini Engine」。まだ聞き慣れない方も多いかもしれませんが、今後の技術として非常に注目されるプロシージャルによるアセット制作ツール&エンジンの注目株です。CEDEC初日の午後、同社の多喜建一氏とScott Keating氏が登壇してセッションが行われました。

冒頭、多喜氏はゲームAIの第一人者でスクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏の定義を引用して、プロシージャルの考え方を紹介。それによれば、プロシージャルとは手続き、計算による手法を指し、(1)自動生成、自動制御のこと (2)今まで固定されていたコンテンツを動的にすること(固定頂点→可変、固定パス→パス検索) (3)ゲーム自身の自律性(自動ステージ生成→自動ステージ解析→自動配置) といったものであるとしました。

三宅氏の定義によるプロシージャル


「Houdini」はノードを組み合わせてアセットを制作していく3Dツールで、制作したアセットはDigital Assetと呼ばれるセットで吐き出し「Operator Type Library(.otl)」という形式で保存、それを「Houdini Engine」を介することでMayaやMaxなどのDCCツール、UnityやUnreal Engine(対応準備中)のゲームエンジンに取り込み、プロシージャルなアセットとして利用することが出来ます。

Houdiniで制作できるアセット
Engineを通じて外部ツールで扱える


会場では「Houdini」を使ってアセットを制作するデモが実演されました。デモではプロシージャルに長さや高さを変えられる階段を制作。7つ程度のノードを繋いでいて、パラメーターを設定していくだけで、ほんの数分で階段を制作することができました。これらのノードをひとまとめにしてDigital Assetに変換。この際に、各ノードのパラメータの中から、外部から操作可能にしたいパラメータを決めて露出させることができます。階段の場合は、階段の長さや段の高さなど、一部の数値だけを使用可能にしておけば、実際の使用には困らないわけです。

幾つかのノードをつなぐだけで階段を作れた
外から書き換え可能なパラメータを設定


続いてUnityを起動して、今回制作した階段以外の「Houdini」で制作したプロシージャルなアセットを組み合わせてステージを作っていく様子がデモされました。ここではカーブを元にタイルを敷き詰めるもの、カーブの境界に壁を作るもの、タワーを作るもの、プラットフォーム(足場)を作るもの、様々なDigital Assetを読み込みながら、ドラッグ操作でサイズを変えたり、パラメータを調整したりして、こちらも数分でそれなりのステージが作れました。Unityですので、実際に遊びながらの試行錯誤が非常に簡単に出来ます。アセットがプロシージャルでなければ、出来るのはアセットの数や配置を変更するだけですが、プロシージャルなアセットであれば形状も自由に変えられるのということになります。



「Houdini」自体のワークフローや制作手法にある程度慣れていく必要はありますが、一度作ったアセットは何度も使い回すことができますし、仕様変更にも柔軟に対応できます。また、多喜氏はデータ連携や面・頂点・エッジ単位でのデータアサインなど編集ツールとして優れている点もアピールしていました。

制作ツールである「Houdini」は上位バージョンの「Houdini FX」も存在。データを他のツールと連携するための「Houdini Engine」は主要なツールにはプラグインが提供されているほか、APIもあるため、社内ツール等との統合も可能となっています。

さらにインディー向けとして10万ドル以下の売上のユーザー向けには「Houdini Indie」(FXの全機能)が199ドル、「Houdini Engine Indie」(Engineの全機能)が99ドルで提供されています。現在は米ドルでの決済のみとなりますが、入手しやすくする方策も提供したいとのことでしたので、期待したいですね。

インディー向けライセンスも存在
《土本学》
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