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【DEVELOPER’S TALK】新世代への期待感を裏切らない『龍が如く』シリーズ総合監督 名越稔洋氏に聞く PS4『龍が如く 維新!』インタビュー(前編)

ゲームビジネス 開発

【DEVELOPER’S TALK】新世代への期待感を裏切らない『龍が如く』シリーズ総合監督 名越稔洋氏に聞く PS4『龍が如く 維新!』インタビュー(前編)
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2月22日、ついに国内でPlayStation 4がローンチしました。キラ星のようなローンチタイトル群の中でも、異彩を放っているのが『龍が如く 維新!』です。2005年にPS2で発売され、PS3、PSPそしてPS4とプラットフォームを広げながら、足かけ9年目を迎える『龍が如く』シリーズ。

DEVELOPER’S TALKの最新号では『龍が如く』シリーズ総合監督の名越稔洋氏に『維新!』の位置づけや、PS4での開発の感想や、シリーズを通してお使いいただいているCRIのミドルウェアについて、お話を伺いました。



―――発売おめでとうございます。さっそく一周させていただきました。

名越(以下略): ありがとうございます。

―――発売から一ヶ月が経過して、ユーザーの反応なども見えてくる頃だと思いますが、いかがですか?

おおむね満足してくれているようで、ほっとしています。ただ、制作として見てみると、作ってみて初めてわかった点や、課題として積み残っている部分がありますので、今回得られた知見を糧に、さらに研究開発を進めていって、今後のタイトル制作に活かしていきたいですね。

―――今回『維新!』というテーマはどのように決まったのでしょうか?

話は2008年にPS3の第一作として発売された『見参!』に遡るのですが、あの時はスピンオフタイトルで時代劇ということもあり、いくつか候補を出しました。その時の一つに幕末モノというアイディアがあったんです。当時は剣劇モノとして、よりストレートな内容にしようということで、宮本武蔵を題材に選びました。今回のテーマ選定にあたっても、当時のことを覚えているメンバーが多く残っていました。そこで、じゃあ今回は幕末モノにしよう、ということになったんです。

―――なるほど。

作ってみてわかったんですが、幕末ということで短筒など、武器の種類が増えていますよね。はじめに『見参!』で剣劇アクションを作っておいて、今回『維新!』で武器の種類が増えたというのは、順序として正しかったかなと思います。

時代は幕末主人公は坂本龍馬


■ユーザーの新世代機に対する期待感を裏切らない

―――PS4で初めての挑戦となりました。

一番気を使ったのは、PS3とPS4のマルチタイトルで発売されたので、遊んだ人から「PS3でも良かった」と言われないようにする、ということでした。もともとセガはハードウェアをやっていた会社でもありますし、PS3版とPS4版をどのように差別化するかというのは、プログラマーを中心にすごく悩んだところではあります。ただ、「全編60フレームで遊べる」「ボリュームは同じ」「遊んで美しい、気持ちが良い」という点では、確実にPS4の方がアピールできたと自負しています。

―――PS4ならではの挑戦というのは、ありましたか?

うーん、どうでしょう。基本的には新機種が出るというのは、ハードのスペックが上がるということで、数字が上がっていくわけですよね。でも、僕らはその「数字が上がった分」を、「おもしろい」「美しい」「ストレスがない」といったように、形容詞に変換していくことが求められるわけです。そこが一番重要なところで、PS4に限った話ではないと思いますし、逆にPS4版を選んでくれたお客様に対して我々が最低限、保証しなければならないところでしょう。

―――ユーザーもPS4ということで、期待していた部分があったと思います。

それはそうでしょうね。ただ、そのユーザーの期待って具体的なイメージがあるわけじゃなくて、もっと、ほわっとしたものだと思いますし、それで良いと思うんです。その期待感に対して、我々が具体的なゲームとして提示して上げて、「そうそう、これが遊びたかったんだ」と納得してもらえることが大事で。それで遊び終わって「もうPS3には戻れないね!」という一言さえ聞ければいい。それに対しては、一つの役目をキッチリ果たせたかなと思っています。

―――遊んでいて、カットシーンからの切り替わりなどが、かなりスムーズになっているのに驚きました。

「シームレス化」というのは一つのキーワードになっていますよね。もっとも、厳密にいえば完全シームレスというのはあり得ないので、タイミングを見てデータを裏読みさせるのか、それともゲーム自体をストレスなく遊べるようなサイズに切り分けるのか、各タイトルやプロデューサーの考えで違ってくると思います。そのへんのバランスを、いかにとるかという話になってきます。もっとも、大前提として次新世代機になってマシンパワーが上がったので、いろんな選択肢がとれるようになってきた。そのため、しばらくは新次世代機としての表現を喜んでもらえる期間が続くんじゃないかな。

―――『龍が如く』では、そのマシンパワーを物語表現に活用しているわけですか?

そうですね。まずドラマが中心にあって、ゲーム機のパフォーマンスを借りて、その感動する部分をキッチリと伝えていきたいという思いがあります。そのためキャラクターの表情などをより豊かにするといったところは、かなり頑張ったところです。

―――PS4に向けて、開発チームの構成などは変わりましたか?

『龍が如く』では「ドラマをより感動的に見せたい」「バトルアクションを快適にしたい」といった要素を重視してチームを編成しました。まあ、なにしろPS4最初のタイトルなので、手探り状態だったというのが正直なところですが。

各社で新機種を手がけるチームというのは、各ジャンルのトップクリエイターが集まっていると思うのですが、そこで何ができるか、そしてやってみて初めてわかる問題もある。その上で作品ごとに訴求ポイントが異なるので、いかにメリハリをつけられるかがチーム編成のポイントになると思います。

ハードウェアの進化で描ける物語もパワーアップ


―――新次世代機ならではの技術トピックも実装されているかと思うのですが、その見極めはどのようにされるのでしょうか?

正直な話「やってみて初めてわかる」部分が大きいですね。実装するのには、それなりの研究開発やコストがかかりますし、費用対効果がどれくらいあるのか、という話にもなる。一方でお客様は次新世代機ということで、一定の期待をされていらっしゃいますし。だから、いろんな要素を開発段階で放り込んで、調整しながら進めていくしかない。こればっかりは数字で弾けないですし、一番時間がかかるところですね。

■多様化するゲームデバイス時代に向けて必要なこと

―――今後に向けて、何かアイディアはわいてきましたか?

PS4で一回作ってみて、技術的にもっと深掘りしていけるところも見えてきたので、そこはチャレンジしていくところ。その間に他社さんのゲームもどんどん出てきますので、それは参考にするところ。お互いがライバルなので、どれだけ切磋琢磨していけるか、楽しみですね。絵的なところ以外にも、シェア機能をどのように上手く使っていくかだったり。

―――「シェア」機能はPS4の目玉機能の一つです。

これからタイトルがどんどん揃ってくるほどに、意味が増す機能だと思います。PS4のみならず、コンソールでゲームを遊ぶという市場を、再活性化してくれるのではないかという点に、期待しています。

ただ、大前提としてゲームが面白く、共有できるだけの深みがなければ、シェアしてもらえないと思うので、そこは我々に問われるところですね。

―――今後CRI・ミドルウェアに期待されるところは何でしょうか?

CRIさんには既に色々サポートしていただいているので、そこはこれからも助けていただければと。

ミドルウェアで期待することは・・・、そうですね。デバイスの種類が増えて、それらをリンクさせて遊んだり、情報共有させたりという楽しみ方が常識化していますよね。ゲームを作る側からすれば、「どこまで対応すれば良いのか」と悩ましいところではあります。ただ、お客様の財布は同じなので、何かのデバイスでゲームのプレイ頻度が増えれば、何かのデバイスで減ってしまいます。そのため、タイトルをキーフックにして、あらゆる角度から情報の遊びを提供していき、ビジネスチャンスを広げていく努力が求められています。もう、そこは嘆いていても仕方がないところで、頑張ってデバイスの広がりや、遊ばれ方の変化に追いついていくしかありません。『維新!』でPS Vita版での無料コンテンツを事前提供したのは、その一つの例です。そうした中で、そこを助けていただけるような知恵を、CRIさんもゲーム会社と一緒に出していただければ、ありがたいなと思います。

―――最後にユーザーの皆さんと、開発者の皆さんに、それぞれメッセージというか、エールをいただけないでしょうか?

これまで『龍が如く』シリーズを様々なプラットフォームで展開してきて、男女問わずファン層が広がってきたことが非常に嬉しいですし、もし『維新!』が、遊んでみてコンソールのゲームならではの魅力を再認識するキッカケになれば、たいへん幸せです。引き続き応援してください。

開発者向けには・・・どうなんだろう。さっきも話しましたが、デバイスや遊び方の拡散は止めようがないし、これからますます広がっていくと思うんですよね。それに対してどこまで対応していくかは、コンテンツごとに異なっていくと思います。ただ、メインの遊びを提供するプラットフォームはここで、サブの遊びをここと、ここに提供していくというように、開発コストに見合ったファンサービスを広げていくことは、新しい時代の義務になっています。どういった形が求められるのか、ゲーム業界全体で模索が始まったばかりです。そうした努力をすることで、改めて畑が耕されていくと思うので、ゲームメーカー、ミドルウェアメーカーを含めて、一緒に頑張っていきましょう。

―――ありがとうございました。



後半では、『龍が如く 維新!』のサウンドチームが挑んだ最新ゲームサウンドについて具体的にお聞きします。
《小野憲史》

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