■ウォルト・ディズニーの足跡をたどって行く
2007年にPlourde氏はモントリオールにある「Musee des Beaux-Arts(美術館)」を訪ねました。当時はウォルト・ディズニーの映画に影響を与えたアートの美術展がありました。1920年代にディズニー氏は映画に使われる美術収集を取り纏めるためにヨーロッパを旅行したのです。
ディズニー氏が取り纏めたたくさんの美術は「The Golden Age of Illustration(イラストの黄金期)」という1880年代から1920年代にわたった時代に作られました。「イラストの黄金期」とは「Alice in Wonderland」の絵を描いたArthur Rackhamとディズニーの「眠れる森の美女」で背景コンセプトイラストを描いたKay NielsenやJohn Bauerというスウェーデン人のイラストレーターなどが活躍していた美術における優秀さの時代でした。
また、Plourde氏は『Fairies』というおとぎ話を基にしているイラストの本を掲載された『ファイナルファンタジー』シリーズのコンセプトアーティスト天野喜孝から影響を受けました。
■ゲームの世界を造るには
初期のコンセプト動画を社内で発表した時、「ゲームのアートは綺麗でも、一言で表せるアートスタイルを造るのが必要だ」というように言われました。結局、開発チームはウォーターカラースタイルに決定しました。「イメージのより強い主人公も作るべき」という指示も出されました。
■プリンセスをデザインする
Plourde氏は、『Child of Light』主人公の目立つ特徴のあるデザインを決定するのに苦労しました。十代で髪の短いヒロインや大人っぽくてかっこいい女性戦士などのプロトタイプデザインも検討したそうです。
ある日、ライターが日本の旅行からファイナルファンタジーのトレーディングアーツフィギュアを持って帰りました。その時、Plourde氏はファイナルファンタジーのキャラクターがひと目で分かるアイコンである理由を理解出来ました。例えば、『ファイナルファンタジー9』のジタンは独特の髪形と長い尻尾と二つの険を持っているので、どんなスタイルで描かれてもはっきり分かるキャラクターです。
オーロラ姫の独特的な王冠と白いドレスに影響を与えたのはJohn Bauerのプリンセスイラストでした。しかし、主人公をボール紙というイメージを与えしまわないようにプリンセスの長く垂らしている髪を二次元スタイルでデザインするのが簡単ではなく、アニメーターはリアリズム感を保持する事に苦労しました。
■ヒロインの旅
アートだけでなく、『Child of Light』はストーリーも日本のRPGから影響を受けました。RPGでは、プレイヤーが腕に磨きをかけ、強くなっていきながらキャラクターとともに成長します。主人公のオーロラの容姿の成長は、クエストの目標へと繋がっていきます。子供の頃には大きすぎて扱えなかった剣を段々と使えるようになり、プリンセスは物語の役割を果たせるようになっていくのです。『Child of Light』は「プレイ出来る詩」を目指している成長の物語です。
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