同氏が率いる部隊はアジア太平洋地域のゲームデベロッパーとの窓口となり、Facebookプラットフォームの充実を図るのが目的です。活動の拠点はシンガポールと東京にあり、その規模は20人を超える規模に成長しているそうです。この地域はローカルなプラットフォームが強いケースが多いのですが、存在感を高めるために会社として注力している事が伺えます。
Lee氏はまず、2012年はFacebookにとって記録的な年だったと話しました。プラットフォーム全体の月間アクティブユーザー(MAU)は11億人に達し、モバイルでも7億5100万人にまで拡大しました。ゲームユーザーだけでも2億5000万人と日本の人口の倍です。フェイスブックが外部デベロッパーに支払った分配金は20億ドルにもなり、100万ドル以上を受け取ったデベロッパーは100社を超えているそうです。
プラットフォームの改良も随時進められています。数ヶ月前から行われているモバイルにおけるバナーでのレコメンドは非常に高い効果が出ているそうです。モバイルではApp CenterというFacebook対応アプリを管理するメニューも用意されました。PCでもゲームの紹介が強化されています。こうした努力が成長に繋がっているようです。
決済手段も改良が行われています。各国通貨への対応を拡充するだけでなく、地域別の価格設定にも対応したそうです。例えば同じAというアイテムでも、米国ユーザーには5ドルだけど、英国ユーザーには3.49ポンド、という設定が可能になったわけです。細やかですが嬉しい配慮です。
続いてLee氏は幾つかの例を挙げてFacebookの有用性を紹介しました。Nordeusというデベロッパーの『Top Eleven Football Manager』はFacebook IDとの連携を組み込んでいますが、大多数(80%)のユーザーは連携を行なっていて、収益の90%は連携を行なっているユーザーであり、そうしたユーザーはARPUも12~15倍も多くなっているそうです。また、他にも『Slotomania』というカジノゲームや『Candy Crush Saga』といった最近の大ヒットタイトルは全てFacebook連携を持ったゲームとなっているそうです。iOS/AndroidのネイティブアプリであってもFacebook ID連携は当たり前の事になっていることを示すものかもしれません。
デベロッパー向けの機能も拡充されていて、モバイルの最新SDKではネイティブのログインダイアログを容易に表示できるようになっています。
PCではハイクオリティゲームへのサポートが進められていて、フルスクリーンでもゲームが提供でき、友達にリクエストを送る際などにも離れる必要が無くなっています。ゲームエンジン「Unity」で開発するためのSDKなんかも提供されていて、3Dでバリバリ動くゲームをFacebookで提供することも容易になっています(ちなみに7500万人のFacebookユーザーがUnity Playerをインストールしているとのこと)。実際に『Offensive Combat』(U4iA Games)、『Imperium』(Kabam)、『Robot Rising』(Stomp Games)、『Uber Strike』(Cmune)といったビジュアル面でも進化したゲームが続々登場しています。
Lee氏は「Facebookにおけるゲームは、単なるおまけの要素ではなく、Facebookというソーシャル体験の重要な一部になっています。私たちはデベロッパーの皆さんと共にあり、このアジアという地域に投資できることをとても嬉しく思っています」と語り、締めくくりました。
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