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ゲーム会社が本気でスマホソーシャルゲームに挑む、サイバーコネクトツー『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』・・・第1回「3Dモバイルゲーム新時代」

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ゲーム会社が本気でスマホソーシャルゲームに挑む、サイバーコネクトツー『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』・・・第1回「3Dモバイルゲーム新時代」
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日進月歩で進化するスマートフォン。それに対応するゲームも日々進歩を続けています。当初はブラウザアプリが中心だったのが、現在ではハードの性能を活かしたネイティブアプリも増加しています。この「3Dモバイルゲーム新時代」ではオートデスクの協力で、スマートフォンで最先端の3Dゲームに挑戦するデベロッパーを訪問し、開発者の方に新世代のゲーム作りについて聞きます。

記念すべき第一回で訪問したのは、福岡のゲーム職人集団、サイバーコネクトツー。名物社長の松山洋社長が率いるスタジオでは隅々までサービス精神に溢れ、尋常ではないゲームへのこだわりが投入され、同社の看板となっている『.hack』シリーズや『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズには数多くのファンが熱狂します。そんなサイバーコネクトツーが初めてのスマートフォン向けゲームとして『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』(以下 ギルティドラゴン)をリリースしました(パブリッシャー: バンダイナムコゲームス)。

松山氏は「ソーシャルゲームに逃げたら終わり」との発言で物議を醸したこともあります。そんな松山氏が率いるサイバーコネクトツーが、なぜスマートフォンに挑戦したのか。同社が放つ、新世代のスマートフォン3Dゲームについて開発チームに直撃しました。

■参加者
・穴井 昭廣 氏(ディレクター)
・杉上 哲也 氏(アーティスト)
・松尾 隆志 氏(テクニカルアーティスト)※東京スタジオよりテレビ会議で参加

『ギルティドラゴン』は広大な世界を旅しながら世界を救うため「罪竜」(つみりゅう)のレリーフを集めていく、カードバトルRPG。ド迫力の3Dで描かれるバトルや、プレイヤーの好みでカスタマイズ可能なアバターなど従来のカードバトルRPGとは一線を画すスマートフォンならではのゲームとなっています。バンダイナムコゲームスからAppStoreとGooglePlayで配信中。基本プレイ無料でアイテム課金制となっています。

■本気のスマートフォンゲームを作った

―――サイバーコネクトツーがスマートフォンでソーシャルゲームを作ったと聞いて驚きました。松山社長は以前、ソーシャルゲームに対しては否定的な考え方でした。

穴井: おっしゃる通りで、松山は「ソーシャルゲームは作らない」と言ってきました。『ギルティドラゴン』の企画がスタートしたのはちょうど一年前の今くらいの時期で、最も衝撃的だったのは『Infinity Blade』でした。もはやただの電話機じゃない、と。家庭用ゲーム機と遜色ないゲームが次々に出てきて、ユーザーさんの認識も変わりつつある、と。そろそろ僕らのようなゲーム会社が本気で取り組んだ方がいいんじゃないかということですね。

―――1年前というとiPhone 4Sや3世代目のiPadがリリースされたくらいの時期ですね

穴井: そうですね。スマートフォンでゲームを作るのは初めてでしたので、どのくらいのものが実現できるのか、最高に理想を高く掲げて試作を行なってみました。すると、予想以上のものが出来そうな事が分かりました。嬉しい半面、こりゃ大変だなと思いましたね。ヘタをすれば携帯ゲーム機を超えるくらいのものができますし、スマートフォンだから、という言い訳は通用しそうにないな、と。

―――当初から今の『ギルティドラゴン』のような企画だったのでしょうか?

穴井: 全く違いましたね(笑)。『Infinity Blade』が凄い衝撃だったので、これを超えるようなゲームを作りたい!そんな雰囲気で企画はスタートしました。ただ、自分達が普段遊んでいるゲームを振り返ると、かなり気軽なソーシャルゲームやMMORPGのようなコミュニケーション要素の強いものが挙がったんです。敷居の低さと奥深さを両立して、気軽に沢山の人と世界を一緒に冒険するようなゲームですね。しかも、今までのソーシャルゲームとは格段に違うリッチなゲームを目指しました。

―――「格段に」ですか?

穴井: 折角ゲーム会社が作るわけですから、違いを見せられるものにしなくてはという考えがありました。パブリッシャーであるバンダイナムコゲームス様も「普通のソーシャルゲームじゃなくて、ぱっと見で度肝を抜くようなインパクトのあるものにして欲しい」ということで一貫していました。

―――必然的にネイティブアプリで3Dという選択になったわけですね

穴井: そうですね。この企画自体は誰でも思い浮かぶはずなんです。ソーシャルゲームをスマートフォンでリッチにしたら、きっと凄いものができるんじゃないか。多くの人が色んな理由や現実の壁にぶつかって断念してきたはずなんですが、それを真面目にやっちゃったという感じですね(笑)。

■Unity + 3ds Maxで開発

―――開発環境はUnityを使われたそうですね。『アスラズ ラース』ではUnreal Engine 3を採用されましたが、そういった選択肢は無かったのでしょうか?

穴井: 『Infinity Blade』を意識したということもあってUnreal Engineという選択肢も無いわけではありませんでしたが、今やるならUnityだろうということで比較的すんなりと決まった記憶があります。

―――Unityの導入で難しい部分はありませんでしたか?

穴井: それはやるしかない、という感じで(笑)。

松尾: Unityは頻繁にアップデートが行われるので、私の方ではアップデートの検証を行なって、開発チームの方で問題なくアップデートが行えるよう手配を行いました。基本的には常に最新のバージョンで開発するようにしていました。iOSアプリケーション向けの開発環境であるXcodeなどに関しても導入のサポートは私の方でやっていました。

―――その他の環境はいかがでしょうか?

杉上: DCCツールはオートデスクの3ds Maxを、アセット管理にはSmart SVN、エフェクトは基本的にはUnityに同梱されているShurikenで制作し、一部は3ds Maxを用いて作成しています。

―――なるほど、3ds Maxですね。サイバーコネクトツーさんでは同じくオートデスクのMayaを用いたプロジェクトもあるようですが、使い分けはあるのでしょうか?

杉上: そうですね、一部はMayaを採用したプロジェクトもありますが、以前から3ds Maxをメインで使用していて、ワークフローとしても確立されたものがあります。プロジェクトにおいて、どちらを選択するかは、そのプロジェクトに配置されるアーティストがどちらに習熟しているかで決まるケースが多いです。開発期間が限られていたことから、慣れたメンバーが多く、ワークフローとしても確立している3ds Maxを選びました。

―――松尾さんはツール作成をやられたそうですね

松尾: デモシーンや必殺技シーンのカメラアニメーションは3ds Maxで制作したものをUnityにインポートするのですが、普通のFBX(中間フォーマット)ではカメラアニメーションをUnityへとインポートできないので、私の方で3ds Maxで動くエクスポーターと、Unityで動くインポーターを作成して簡単にカメラアニメーションのデータをやり取りできるようにしました。

―――主な開発はWindowsでしょうか? Macでしょうか?

松尾: プログラマはMac、アーティストは3ds MaxなのでWindowsでした。

―――開発チームの陣容はどのようになっていたのですが?

穴井: 人員はタイミングによって増減しましたが、最大では18人程度のチームでした。チームは何かのタイトルを開発したチームがそのまま、というわけではなく、このプロジェクトに向いていそうな人を誘って加えていったイメージです。少人数で挑戦的なプロジェクトですので、一人何役もこなせる人や、新しい事に挑戦したいというマインドのある人が中心になりました。

―――今日は東京と福岡をテレビ会議で繋いでインタビューをさせていただいていますが、開発も2拠点に分かれていたのでしょうか?

穴井: そうですね、半々くらいでしょうか。今は福岡本社、東京スタジオ、それぞれが単体で取り組むプロジェクトというのはありません、全て共同制作です。会議などはテレビ会議でやりますし、常にスカイプで繋がっていますので遠くで作っているという感覚は特にありませんね。

松尾: 私も今は東京スタジオにおりますが、途中は福岡で制作に携わっている時期もありました。今は東京スタジオですが、特に不自由は感じませんね。

■圧倒的な表現とストレスフリーを両立

―――『ギルティドラゴン』の中で3D表現が使われたのはどのような場所でしょうか?

穴井: プレイヤーがカスタマイズ可能なアバターキャラクターがメインです。それに加えて、バトルで戦うステージ(背景)や、クエストで進んでいく画面(ステップビュー)といったところでしょうか。クエスト中で手に入る宝箱など演出の部分でも3Dを使っている所があります。

キャラクターが3Dで表現力豊かに描かれる


画面下のステップビューも3Dで描かれている


―――3Dになると印象が全く違いますね。モバイル向けにアセットを作るという点で難しかった部分はありますか?

杉上: モバイル固有の問題はそう大きなものはありませんでしたが、容量を少なくするという点は気を遣いました。iPhoneのApp Storeで3G回線でダウンロードできる最大容量は50MBです。そこに収まる容量であることは必須でした。何をアプリ内に持ち、何をアプリの外に持ち都度ダウンロードさせるか、という切り分けは頭を悩ませました。また、都度ダウンロードさせる部分に関しても3G回線でも待ち時間を短くしないといけないですからデータ容量は小さくする必要があります。一番苦労したのは容量ですかね。

―――容量の削減のためにはどういう工夫が有効なのでしょうか?

杉上: 特効薬のようなものはなくて、基本的には無駄を省いていくしかありません。背景ではライトマップを使ったなら法線情報は捨てる、キャラクターでは全身をこだわると大きくなるので顔だけアップに耐えられるポリゴン数で作ったり。地味な改善を積み重ねる感じです。

―――なるほど。キャラクターはアップしても綺麗な印象がありましたね。

杉上: ありがとうございます。キャラクターは当初はもっとローポリゴンで作っていました。しかし、キャラクターのアバターがプレイヤーの装備などによって変化していくというのがゲームのウリの一つでもありますし、キャラクターの顔はアップにされるケースが多いだろうということで、顔だけはポリゴン数を多めにしています。また、各キャラクターは顔のパーツだけがアプリ内に含まれていて、その他の部分はサーバー側に持っていて必要に応じてダウンロードしているんです。

キャラクターは自分の好みに作れる


―――先ほどの「アプリの内と外」という話ですね。どのような実装なのでしょうか?

杉上: ゲームの進行に必要不可欠なデータはアプリ内に最初から持っていて、そうでないデータや追加配信が有り得るようなデータはUnityのAsset Bundleとしてサーバー側に置いています。サーバー側で持っているデータは、先ほどのキャラクターの顔以外のパーツ、カードのイラスト全般(追加がある)、ステージやマップなどの背景データ(季節ごとに変更や追加がある)などです。一度手に入った段階でダウンロードしてローカルに保存して、それ以降はローカルから呼び出す形になります。

―――差し支えなければアプリ本体の容量や中に入ってるものも教えてもらえればと思うのですが

杉上: 容量は(50MBまでは)まだ余裕があります。一番容量を取っているのはモーションとサウンドですね。あとはUI周りのデータも大きくなってしまいました。大きなデータは外に持つことも考えられるのですが、モーションを外に持っていると通信ができなかった場合にキャラクターの動きが破綻してしまいます。ですので、モデルは外に持っているのだけど、モーションは内部に持っているという格好になってます。モーションだけで10MB以上の容量があります。UIは半透明を使用すると各携帯端末で使用できるテクスチャフォーマットがRGBA16bitしかなかったため容量が増加してしまいました。

■3ds Maxで家庭用ゲーム機と同じアセット制作ワークフローを実現

―――家庭用とモバイルでアセットの制作方法に違いなどはあるのでしょうか? モデルはいかがですか?

杉上: それは余り変わりないですね。前述したように容量を抑えるような工夫はありつつも、3ds Maxを用いて家庭用ゲーム機と同様の、今まで慣れた形でワークフローを組めました。

―――モデリングではどのような機能を主に使用されましたか?

杉上: モデルがローポリゴンということもあり、モデリングで劇的に活躍した機能というのは特にはありませんが、前述したスキンユーティリティによるウェイトのコピーは有用でした。

―――モーションはいかがでしょうか?

杉上: モーションは3ds Maxで、Biped(※)のダミーボックスを用いて制作したものをカスタマイズして利用しています。こちらの制作手法についても家庭用ゲーム機でのワークフローと比べて特に大きな違いはありません。

※Bipedとは3ds Maxに搭載されているキャラクターアニメーションツールで、2足歩行のキャラクターのセットアップが非常に簡単に行うことが可能。

少し問題があったのは、制作したモーションをUnityにインポートする際にキーがフルベイクされてしまって、Unity側でキーリダクションを行うのですが、自動で行われてしまって不自然な動きになってしまうケースもあって、場所場所ではキーを大きめに取っている部分があります。これもモーションの容量が大きくなってしまった要因です。

―――Bipedのメリットはどのような点でしょうか?

杉上: モーションの観点からは弊社スタッフが使い慣れているため、短期でクオリティ高く作成できる点が大きいです。他に男女ごとにリグを組む時間を短縮出来るなど作業コストを抑える点でも有益でした。

―――シェーダーについてはいかがですか?

杉上: シェーダーに関しては、フラグメントシェーダーを使うとハードウェア毎の挙動の差があり、Androidの一部端末で不具合がありました。でしたので、バーテックスシェーダーのみで制作するなど多少の工夫は行なっています。頂点数のみで表現することになり、キャラクターの顔などはポリゴン数が多めになりました。

―――エフェクトはUnityのShurikenで制作されたと聞きましたが。

杉上: 最後に派手さを演出するのはやはりエフェクトです。今回は専門の人間を2名配置して作りました。各必殺技に専用のエフェクトを用意しています。テクスチャの数自体はそう多くなく、上手くバリエーションを持たせている感じです。エフェクトは基本的には内部に持っています。

Unityの「Shuriken」でエフェクトを作成


アニマティクス(プリビジュアライゼーション)として、カメラ、モーション、仮エフェクトを合わせて3dsMax上で作成。仮エフェクトはFBXで出力し、位置、回転などのモーションデータをUnity上で作成したエフェクトと合わせて使用。


3dsMax上で完成したアニマティクスを表示したところ


―――3ds Maxをモバイルゲームの開発で用いて、どのような点がメリットと感じられましたか?

杉上: 弊社の場合は、今まで蓄積したスキルを活かすことが出来ることが大きなポイントです。その他に機能的なメリットとして、スキンユーティリティを用いることで簡単にウェイトデータのコピー、ペーストが可能なことです。これによって各装備データのウェイト設定にかかる時間を大きく削減することができています。

3dsMax上でのモデル作成画面。素体をベースにモデルを作成後、素体からウェイトをコピーしている


―――先ほどありましたが、データの持ち方で、「内と外」という使い分けは面白いですね。遊んでいて、通信を感じさせない作りに感心したのですが、そういう部分にも効果を発揮しているのでしょうか?

穴井: 圧倒的なリッチ感をテーマにしたゲームですが、それによって重くなって快適に遊べないのでは意味がありません。レスポンスは最重要の課題に置いていましたし、そのためにブラウザアプリではなくネイティブアプリを選択しました。通信を感じなかったというのは思惑通りです(笑)。通信の速さにはデータの持ち方も関係しています。

杉上: 実際には通信は遅れているのに演出は進む、というような場所もあったりします。あとは外に持っているデータも必ずしも読み込み完了まで待ちません。新しく手に入ったカードが「?」マークで表示されるケースがあるかもしれません。あれはデータの読み込み完了を待ってないからで、完了した時点で本当のイラストに差し替わります。ある程度のデータをアプリ内に持っているネイティブアプリの利点で、可能な限りお客様を待たせないような作りになっています。

穴井: 通信時間を無くす事はできませんので、それを感じさせないような工夫、という感じでしょうか。

―――汎用機であるスマートフォンということでQAが大変という話しも耳にします

松尾: デバッグの手法は一般的なものですが、おっしゃる通りで端末の数が多いので大変でした。Androidは途方も無い数がありますが、全て手に入れるというのも現実的ではないので。東京と福岡で手分けして色んな端末を試し、最終的には対応予定機種全てで検証するという感じでした。

杉上: 思った以上にAndroid特有の問題には悩まされました。端末も多いので、どの端末を基準に開発をするというのも検討が付きませんし、不具合が出た際にノウハウが無いのでバージョンか、チップか、端末固有の問題か、何が原因か判断が付きませんでした。現在ではノウハウの蓄積ができつつあり、対応可能な機種は随時検証して対応機種に追加しています。

―――開発を終えてみてiPhone4世代のスマートフォンで実現できるものは家庭用で言えばどのくらいのものだと感じられましたか?

杉上: 当初はPS3レベルを少しリダクションしたものを使えるかと思ったのですが、そこまではまだ難しくPS2、あるいはPSPくらいのレベルでしょうか。ポリゴン数はPS2くらいで、キャラクターには凝ったシェーダーを載せて、背景にはライトマップを使って今風の明るいビジュアルにしています。あとは単純にハードの性能だけでなく3Gというネットワークの限界もありますので、それを考えながら家庭用ゲーム機のようなリッチさとストレスの無さを両立させていったという感じでしょうか。

■初めての運営型のゲームに苦闘

―――アプリ本体の開発を終え、運営が中心になっていると思いますが、今のチームの陣容を教えてください

穴井: 今はディレクター、ゲームデザイナー、プログラマ、アーティストなど計8名です。アプリ自体のアップデートとイベント等の運営を並行してやっています。

―――ゲームの運営をやってみていかがでしょうか?

穴井: 開発とどちらが大変かと言われたら圧倒的に運営ですね。前日の数字を午前中に検討して、午後には実装に入るようなイメージで、今までとはスピード感が全く異なります。施策が数字として跳ね返ってくるのもリアルタイムですし。暇があれば何か前に進めるような形で様子を見たり揉んだりする時間が無くなりました。運営体制も初めてのチャレンジが多くあるのですが、ノウハウを蓄積しながら前に進もうと。バンダイナムコゲームス様には多くの事を教えていただいていて感謝するばかりです。

―――休まる暇は無さそうですね。

穴井: 全く無いですね(笑)。新しいビルドも月2回は出していて、今まで4回はアップデートしました。App Storeでのレビューやツイッターで寄せられるメッセージなどお客様の声を聞きながら良いものにできるように全力で頑張ってます。

■初めて老若男女が持ったゲーム機

―――最後にこれからゲームを遊ぶであろう読者の方と、開発を振り返っての教訓などありましたら開発者の方へのメッセージをいただけますでしょうか?

杉上: ユーザーの方には無料で遊べるものですので、ぜひ遊んでいただきたいですね。開発については、スマートフォンへの初挑戦でしたがフォローすべき端末が多く大変でした。しかしその分、Unityという開発環境を用いることでゲームの制作中でも手元で即座に動作確認ができ負担は減りました。モバイルは家庭用ゲーム機と比べて性能が限られて限界があるように捉えられてきたように思いますが、端末の進化によって可能性が大きく広がっています。ぜひチャレンジしてもらえればと思います。

穴井: これまでのゲームはゲーム自体に興味があっても本体を持ってないと遊べないという壁がありました。本体を買うというのは少し高いハードルです。しかしスマートフォンは正に老若男女を問わず誰もが持っている、最も普及したハードになりました。サイバーコネクトツーのファンの方はもちろんのこと、そうでない方にも遊んでいただきたいと思います。開発については偉そうな事を喋ってきましたが、失敗しながら学んで改善していったことです。ゲーム会社の皆さんであれば乗り越えられるハードルだと思いますので、全ての人が持つハードに挑戦してみてはいかがでしょうか。『ギルティドラゴン』は皆さんの期待に応えられるようにまだまだ進化を続けていきます。

―――ありがとうございました。
《土本学》

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