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【CEDEC 2011】毎日追加!毎週更新!「アメーバピグの作り方」

ゲームビジネス その他

【CEDEC2011レポート】毎日追加!毎週更新!「アメーバピグの作り方」
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  • (左から)名村卓氏、浦野大輔氏
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株式会社サイバーエージェントが運営する2D仮想空間「アメーバピグ」は、日本国内の仮想空間サービスとしては後発ながら今や最も人気の仮想空間となりました。

しかし普段一体どのように運営されているのでしょうか?同社ピグディビジョン インタラクションデザイナーの浦野大輔氏と技術推進本部 技術担当執行役員の名村卓氏がそれを説明してくれました。

まず最初に浦野氏が登壇し、アメーバピグと同サービスのアバターで遊べるソーシャルゲーム「ピグライフ」について説明。アメーバピグは2009年2月にオープンした基本無料・アイテム課金の仮想空間ですが、2011年9月現在でユーザー数は850万人を数えるほどになりました。

またアメーバピグと連動した農園生産型ソーシャルゲーム「ピグライフ」は2011年6月にオープンしたまだ新しいサービスですが、2011年9月現在で既に約200万人のユーザーが遊んでおり、いずれのサービスも好調なようです。

次に浦野氏はアメーバピグを運営しているプロジェクト体制について説明。チームはおおまかに分けてMAU(月間アクティブユーザー数)や課金を管理する「メディアグループ」と釣りとカジノ、ピグライフのアメーバピグ内のゲームを管理する「ソーシャルゲームグループ」の2つに分かれているとのこと。

そしてプロジェクト体制は上記のように。こうして見るとデザイナーが7名、イラストレーターが30名と全体を占めるクリエイターの割合が随分と多いことが分かります。これについて浦野氏は「アメーバピグは仮想アイテムのデザインが肝。そのため他のゲーム制作の現場とは違いイラストレーターが1番多い。」と説明しました。

続いて氏は技術面についても説明。アメーバピグは2008年7月に企画を開始し2008年8月に実装とかなりのハイスピードで開発されたサービスだったとのこと。始める際、アメーバピグのメインターゲットとして「20代~30代の女性」を設定したため「ブラウザのみで動作する」「低スペックなPCでも動作する」ことが必須条件だったそうです。

さらにアメーバピグは仮想空間内で多人数が同時にコミュニケーションを取るサービスなので「多人数同時通信・表示」を可能にしなければならず、且つ毎日のようにコンテンツを追加し毎週のようにプログラムを更新する技術も必要。そこでプラグインソフトとしてFlashを採用し開発することになったとのこと。

アメーバピグ内のアプリケーション構成は、「必要なときに必要なコンテンツを追加する」という頻繁な更新に対応するためプログラムとコンテンツをそれぞれ分ける構成になっているそうです。ちなみにコンテンツは毎日配信されており、これまでリリースした仮想アイテムの量は15000個を超えているとのこと。しかしこれら全てサーバー上にアップロードすると負荷がかかってしまいます。そこでユーザーがアメーバピグを起動したときに、必要なプログラムやコンテンツをその都度サーバーからダウンロードする組みが採用されています。

こちらがユーザーがアメーバピグを起動した直後の画面の例。まず最初にメイン・エリア・お知らせと3つのプログラムがダウンロードされ、アバターが身に着けている服飾アイテム5つと家具4個、ペット1匹の計10個のコンテンツがダウンロードされています。
(コンテンツ数はユーザーによって変動あり)

なお、アメーバピグにおいて最も重要なのは仮想アイテムのデザイン。そのため実際にデザインしたイラストレーター本人が製作からサーバー上への登録までを一貫して行っているとのこと。そこでシステムにあまり詳しくない人でも迅速・簡単に登録ができるよう、Adobe Airを使用し独自にアイテム登録の社内ツールを製作したそうです。

またアメーバピグでは仮想アイテムと共に毎日「おでかけエリア」も追加しており、ゲームマスター(通称「神様」)はそれをリアルタイムに編集できる権限を持っているとのこと。アメーバピグには空間の模様替え機能があり、ゲームマスターも一般のユーザーと同様にリアルタイムに空間編集が可能で、過去にはこの機能を使ってユーザーがログインしている前で直接木の「植え替え」を行う「紅葉イベント」を開催したこともあるそうです。

次に浦野氏に代わり名村氏が登壇し、サーバーサイドから見たアメーバピグの「裏側」について語りました。先の浦野氏の講演にもあったとおり、アメーバピグは多人数が同時に通信できることが重要。そのため技術的面でも10000人だろうが10万人だろうが多人数が同時接続しても大丈夫なデータベースが必要。アメーバピグ立ち上げ当初は社内で独自に作った分散データベースを使っていたそうですが、今ではサイバーエージェントのコミュニティサービス「Ameba」と独立したシステムで運用しているとのこと。

また、アメーバピグは基本的な技術を使っているがピグライフは挑戦的な技術を使っており、API連携だけしていてシステムはアメーバピグとは完全に別になっているそうです。というのも、ソーシャルゲームはユーザーが急激に増加し、仕様が毎週のように追加される。さらにユーザーの訪問頻度が高く、一人あたり一日10分程度のログインを何度もします。そのためソーシャルゲームは「日々の運用」が非常に大事になってきます。

またアメーバピグは必ず定期的にメンテナンスの時間を設けなければなりませんが、常時接続では順次切り替えが難しくなります。特にピグライフだと、ユーザーが1時間で育つ作物を植えた後にメンテナンスに入ってしまうと収穫高が減るという問題も発生。そこでメンテナンスの時間を少しでも短縮するため、サーバーをAとBに2つに切り分けてスイッチするという対策をとっているとのこと。

また名村氏はシステム面だけでなく「SNSやソーシャルゲームではマーケティング分析が大事」だと説明。同社ではアメーバピグに限らず全てのサービスにおいて、ユーザーがどのような行動を取ったのかログ情報を収集・分析しているそうで、「ピグライフ」だけでも1日あたり数億行(ユーザーが誰かと会ったか?どんな作物を植えたか?などのログ)にもなるとのこと。

そして最後に名村氏は、「リリースしたものを日々改善し続けてユーザーと一緒に成長していくこと。また拡大し続けるユーザーとシステムに耐えうる拡張性と柔軟性が大事。」とソーシャルサービスにとって大切なことを示しました。また「ユーザーは飽きやすいからとにかく”飽きられにくい”システムやコンテンツを常に投入しなければならない。そのためにはコンテンツを更新できる運用のしやすさと品質を維持することが大切」であると語り講演を締め括りました。
《籠谷千穂》

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