まずWibberley氏はアウトソースする先の企業(ベンダー)を選ぶ際の選定基準について述べました。ここで挙げられたのは、
・Quarity (クオリティ)
・Security (セキュリティ)
・Cost (コスト)
・Process (プロセス)
・Experience (経験)
ゲーム開発をアウトソースするに当たって、仕事の質が重要なのは当然ですが、機密情報をきちんと保持できるのかということや、もちろんコストの面も重要です。またWibberley氏は、開発チームの一部となることが重要で、どのようなプロセスで仕事を行うことができるのか、過去にどのような経験を積んだチームなのか、という点も検討事項になると述べました。
続いて実際に選定する際に考えられるプロセスがいくつか紹介されました。
・RFI (情報提供依頼書)
・RFP (提案依頼書)
・Shortlist (ショートリスト)
・Pilot Test (パイロットテスト)
・Audit (監査)
・Pre-Production (プリプロダクション)
・SLA'S (サービス・レベル契約)
RFIやRFPは特に行政機関における調達などで利用されているもので、要求事項を開示し、それに対して各企業が回答を行うというものです。アウトソース先の選定には、こういった情報提供レベルのものから、パイロットテストやプリプロダクションのような実際の作業を伴うものまで様々に考えられます。動くものに近付けば近付くほど確実性は増しますが、一方でコストはかさみますし、それだけ多くの物を開示するというセキュリティ面でのリスクも考えられ、どこまでやるかは難しい判断になります。
これらを乗り越え、実際に作業をする段階では、「何を、何時までに」という管理を徹底することや、、更には、ゲームは進化が激しく技術的にも常に前進しているため、継続的なパートナーシップを続けることが重要で、アウトソース先を探すというのは継続的なプロセスであると指摘していました。そのためには定期的なミーティングを持つことが必要で、パートナーとの関係も同じままであるより状況に応じて変化させていくのが良いのではないかということでした。
講演はアウトソーシングにおける非常に基本的な内容でしたが、スタートとして参考になるものではないでしょうか。
編集部おすすめの記事
ゲームビジネス アクセスランキング
-
【レポート】VRロボゲー『アーガイルシフト』のロマンと没入感が凄い!男の子の夢、これで叶います
-
発覚!元任天堂広報H氏2度目の転職
-
【CEDEC 2011】ゲームクリエイターのキャリアを考える/セガ石倉氏と専修大・藤原氏
-
令和に新作ファミコンカセットを自作!その知られざるテクニック&80年代カルチャーを「桃井はるこ」「なぞなぞ鈴木」らが語る【インタビュー】
-
シフトがWW向け新作アクションRPGを開発中と明らかに!『ゴッドイーター』や『フリーダムウォーズ』を手掛けたスタジオ
-
アバターの口の動きがより滑らかに!音声認識リップシンク「CRI LipSync」が「Animaze」に標準搭載
-
なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る
-
USJのVRジェットコースター「XRライド」がヤバ過ぎる…レールのない空間を走り、前振りなく急落下する
-
目黒将司×LAM 無二の個性派クリエイター対談-「目黒サウンド」「LAM絵」と称される“キャッチーさ”はどう育まれた?