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今どきゲーム事情■杉山淳一:『A列車で行こう8』デフォルメと現実の間〜京浜急行電鉄の品川駅−羽田空港駅、こだわりの再現に挑戦!

 『A列車で行こう』シリーズと言えば、都市づくりゲーム、鉄道経営シミュレーションの代表的なタイトルです。第1作が誕生してから23年目にあたる今年、PC版としてはシリーズ8作目の『A列車で行こう8』が誕生しました。ゲームシステムは前作『A列車で行こう7』を踏襲しつつ、フル3D描画へと大進化。収録車両数も大幅に増やしています。列車を走らせると町が発展する。町が発展すると利益が上がり、さらに鉄道に投資できる。この面白さは永久不変です。鉄道ファンも箱庭ゲームファンも買って間違いなしです。

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今どきゲーム事情■杉山淳一:『A列車で行こう8』デフォルメと現実の間〜京浜急行電鉄の品川駅−羽田空港駅、こだわりの再現に挑戦!
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 「『A列車で行こう8』はゲームなんだ。」…それを重々承知としても、やはり納得しがたい部分があります。

 それは“タイムスケール”です。どう見ても数分で到着しているけれど、ゲーム内での時間は半日経っている。通勤電車が駅に1時間停車となっている。これはやはり不自然でしょう。タイムスケールに沿って風景が朝昼晩と変わっていきますから、朝8時に通勤電車に乗った人が、会社に着くのは深夜というのは妙です。私はここがどうしても納得できなくて、時間と風景の関連をオフにして、常に昼間の状態で遊んでいます。夜景が見てみたくなったときだけ時間帯を反映させています。

 とくに困る場面はダイヤ設定です。24時間以内で列車を元の位置に戻さないと次の日に影響しますから、かなり短距離の列車ばかり運行することになります。長距離列車は2日サイクル、3日サイクルの運行計画を作りますが、これでは土日用ダイヤなど無理な話です。私はほんとうはダイヤ作成が好きなのですが、タイムスケールの部分で違和感に悩み挫折します。ゆえに「A列車で行こう8」で遊ぶときは、列車ごとに停車駅だけ決めて、あとは24時間走らせっぱなしです。時刻表好きの鉄道ファンとしては、駅の停車は1分、30ブロック先の駅までは5分くらいが嬉しいです。極端な話、太陽が動く速度なんて本物の太陽と同じでいいと思います。本物の窓の外の景色と、ゲームの世界の景色が一致している。それもゲームのリアリティを高める手法ではないでしょうか。

■建物のコンストラクションも欲しい

 人間とは贅沢なもので、長いこと同じ景色を見ていると飽きます。「A列車で行こう8」にはたくさんの建物が収録されていますが、都市を発展させていくと、結局どのマップも同じ風景に見えてしまう。これが少々残念です。箱庭ゲームファンの不満点は、ここに集約されるのではないでしょうか。形を変えることは無理だとしても、せめてテクスチャを貼り替えて別の建物として追加登録できたらいいと思います。車両も同様に自作したい。ユーザーが作ったデータを流通させるしくみもほしい。「『シムシティ4』ならできるじゃないか」という意見もあろうかと思いますが、私は「A列車で行こう」で街を作りたい。列車を走らせたいわけで…。

■2011年(?)の「A列車で行こう9」も期待してます!

 なるべく改善のアイデアも盛り込んだつもりですが、いろいろと不平ばかり並べて見苦しい文章になってしまいました。それでも結論としては「A列車で行こう8」は面白いのです。ダイヤ作成にしても制約が多いほどパズル的に楽しめたりします。最近はゲーム用PCで一日中「A列車で行こう8」を走らせたまま、細いビルの隙間を通過する電車を楽しんだりしています。電車全体を見通せないアングルで画面を固定。うっかりすると新しいビルが建ってしまい、その角度から電車が見えなくなってしまう! この自虐的なチラリズムがなんとも快感になりつつあります。

 「A列車で行こう」の変遷を辿ると、おおむね3年ごとに新作が登場しています。ということは『A列車で行こう9』は2011年頃の登場になるでしょうか。「A列車で行こう8」を遊びながら、次回作も待ち遠しい。潰えたと思われる「A列車オンライン構想」への期待も捨て切れません。四角い一面マップではなく、集合式レイアウトのような感じで、誰かのモジュールの隣につなげたらいいな、とか。建物や車両を自作して交換できたらいいな、とか。そんな期待を抱きつつ、私は京浜急行マップを完成に近づけようと思います。

 発展途上のマップばかりお見せしてしまいましたので、最後は製品に収録されているマップから、世界のランドマークの画像で締めくくることにいたします。





ブランデンブルク門。ベルリンの観光名所です。情報ウインドウを開いてみるとかなり赤字です。維持すると決めた途端、マップの難易度が上がりそうです Copyright 2008 ARTDINK.All Rights Reserved. ※クリックで拡大画面を表示

一般の住宅も欧風列車のそばに置くと外国のように見えますね Copyright 2008 ARTDINK.All Rights Reserved. ※クリックで拡大画面を表示

パリのエッフェル塔です。海外のランドマークは空港並みの資材が必要です。ゲームの目標になるかも Copyright 2008 ARTDINK.All Rights Reserved. ※クリックで拡大画面を表示

イタリアのコロッセオ。鉄道の観光輸送に役立ちそうです Copyright 2008 ARTDINK.All Rights Reserved. ※クリックで拡大画面を表示

ビッグ・ベン。大胆な構図で画面撮影するのもA列車の楽しみの1つ Copyright 2008 ARTDINK.All Rights Reserved. ※クリックで拡大画面を表示

■関連サイト ・A列車で行こう8 http://artdink.com/japanese/title/a8/
《杉山淳一》
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