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GFF2007 ロングインタビュー【第一回】

ゲームビジネス その他

先月福岡・天神にて開催されました「Game for future 2007」。当サイトでもその会場の熱気をお伝えいたしましたが、イベントの主催である「GAME FACTORYS FRIENDSHIP」の看板と言っても過言ではないレベルファイブの日野社長、サイバーコネクトツーの松山社長、ガンバリオンの山倉社長にインタビューする機会を得ることが出来ました!今福岡で最も元気のある三社の社長が、未来に何を見据えながらゲーム業界をひた走っているのか。少し長めの全二回掲載です。お楽しみください。


第二回




― 初めまして。松山さんはお久しぶりです。NintendoINSIDE代表のMr.Cubeと申します。本日はお忙しい中、お時間を取っていただいて本当にありがとうございます。最初は山倉さん1人の予定だったのが、3人にインタビューさせてもらえると言うことになってビックリしました。実は今もすごい緊張しています(笑)。それでは時間がもったいないので早速質問を。まずは、今回こういうイベントを開催されることになったわけですが、そもそもGFFというものがどういったきっかけで始まったのかをお訊きしたいと思います。

松山よく訊かれる質問なので、さっと行きましょうかね(笑)。事の始まりは2003年で、2003年に1回目のGFFのイベントをやらせてもらったんです。で、今回が2回目で、タイトルにも"2007"って付いてるんですけど、そもそも2003年がなぜスタートしたかって言いますと、まず我々3社はほぼ同時期に会社を設立したんです。順番で言うとうちが最初で、次にレベルファイブさんができて、最後がガンバリオンさん。それで、最初にうちからレベルファイブさんにご挨拶に行って、色々お話をさせて頂いたんですね。それから山倉さんところが、最初は佐世保で会社を興されたんですけど、1年ちょっとして福岡の方に来られたんで、また私がご挨拶に行ってお話をして…。その頃サイバーコネクトツーではちょうど人材を集めるのにいろいろな学校を回って説明会を行ってたんです。そんなときに日野さんから「やるんなら一緒にやろうよ」と連絡がありまして。で、ガンバリオンさんもちょうど福岡に来られているから、じゃあどうせやるんやったら3社でやれば学生さんも集まりやすい、ということで合同企業説明会をやろうと言うことになりました。それが元々の始まりです。ところが、最初は合同企業説明会だけだったんですが、やるならもうちょっと大きくやりたいとか、なるだけ人に注目してもらえるようにとか、展示をやりたいとか、色々(日野)王子の夢がふくらんで…。

日野人のせいにしないでよ(笑)。

松山いや、100%そうでしょ(笑)。

山倉いやーホントそうだったよね。王子の夢に引っ張られたよね(笑)。

松山それで、結果2003年のイベントは大きい形でやらせてもらったじゃないですか。それも業界各誌だけじゃなく、一般のテレビや新聞にも注目して頂けたんです。パブリッシャーがものを売るためのイベントじゃなくって、我々ディベロッパーという作り手側が、ものづくりの楽しさというものを知ってもらうためのイベントってのが業界初で、非常に新しかったんですね。そこから我々は、2004年、2005年、2006年と、ずっと一緒になって活動を続けてきました。参加企業は最初の3社から9社になって、そして九州大学や、福岡市、福岡県とも連携することになりました。2003年のイベントは我々制作会社が3社だけでやったものだったんですけど、今回のイベントはGFFの加盟会社が9社に増えたって言うことと、九州大学や、福岡市、福岡県といった「産・学・官」の連携という、前回とは大きな違いがあります。そういった今までとは違うGFFのイベントって言うものを大きい形でやってみましょう、というのが今回のイベントです。

― それではGFFの主な活動についてお聞かせください。

松山ではそれも僕の方から。主な活動は毎月のミーティングです。GFFの加盟9社、および九州大学の担当の方や、福岡県、福岡市の方が集まって、これからの我々の活動をどうしていくかって言うこととかを話し合っています。あとは隔月での技術交流会ですね。九州大学って色々な研究されてるんですよ。CGの分野の研究とかAI(*1)とかっていうような。そういう研究をされている教授さんとか学生さんに来ていただいて、技術発表会って言う形で交流会をやらせてもらってます。で、彼らからプレゼンテーションを受けて、そういう先進的な技術を今の我々のエンタテインメントに昇華できないかっていうことを考えるのが我々の仕事ですね。

― やはりその技術発表会から何か得る物はありますか?

松山ええ、ありますよ。ただ、九州大学とのやりとりってのは各社それぞれでやってるんです。お互いが具体的に何をやっているかっていうのは機密に触れる部分なので、そこはお互いつつきっこナシっていう形になってます。実際将来的には、我々がそれぞれでやってる九州大学さんとの連携の成果って言うのを、具体的なタイトルとして発表できる日が来るんじゃないかなと思いますね。

― その具体的なタイトルを早くこの目で見たいです。では次に、GFFに加盟されている9社以外にも、福岡にはたくさんゲーム会社がありますよね。そういった会社との関連は何かありますか?

松山(日野さんを見て)上手いこと言おか?そろそろ喋っときや(笑)。

一同(笑)

日野基本的には関連がないわけではないんですけど、やっぱりGFFっていうのは一緒になって研究をして月に1回集まってっていうところなので、みんながそれに同意してくれるわけじゃないですから、誰でも構わずどうぞ参加してください、というわけではありませんね。ただ近いところは何社か誘ってるので、今後そういった他の会社と一緒に何かをやることは可能性としてはありますね。

松山GFFは常に招待制みたいな形になってる訳じゃないんです。実際8社目と9社目は、「1回見学させてください」と、その会社さんの方からお話を頂いてます。それで試しに何回か来て頂いて、お互いにお話をして、その結果「是非一緒にやらせて下さい」ということになりました。そういう流れで加盟会社が増えていってますんで、今福岡にある会社さんからも、今後お声がけ頂ければ、我々の方から「今こういうことをやっています」っていうお話は是非させて頂きたいなと思ってます。ただ、加盟はするけどミーティングには参加できないとか言われてしまうと、「じゃあ一緒にやってる意味あるの?」とかいうことになっちゃいますんで先に日野さんが仰ったように誰でも良いわけではないですね。各社それぞれ忙しいときもそうでないときもありますけど、月に1回は顔を合わせて、お互いある程度は手の内を出し合って、これからのゲーム業界の未来に向かって、一緒に切磋琢磨できる相手かどうかっていうのはやっぱ重要なところだと思います。

― それでは、山倉さんにも一言頂きたいと思います。これだけ今活躍しているメーカーが福岡にはたくさんあるわけですが、そういう元気のあるメーカーが集まった理由っていうのはどういう風に思われますか?

山倉集まった理由ですか…。確かに何でなのかはよく分かんないんですけど、例えば芸能人とかでも、結構福岡出身の方多いんでよね。基本的に福岡の方って出たがりだと思うんですよ。コソコソやってんのはやだとか、なんか自分で作ってみたいとか、表に出たいとか、そういう気質の人が多くって。そんな人達が自分たちでなんか表現できる物をって言ったときにゲームっていう物があって、みんな福岡に集まってきたんじゃないかな。私も佐世保で最初起業してたんですけど、福岡に行こうって思ったのは、さっき言ったことにプラスして、福岡は空港が近かったりだとかで(*2)、ゲームの開発しやすい環境があったからですね。

日野地の利があるというね。

山倉そうそう。人も集めやすいし集まりやすいしっていういろんな良いところがあって。まぁ、松山さん達や日野さん達がいることはあとから知ったんですけど(笑)、来て良かったなと思いますね。

日野でもこの質問に対する答えは昨日辺りからちょっと変わりはじめてるんです。うちらが努力してるんだっていうように。

松山よく訊かれるんですよ。元々産業の中心って東京とか大阪じゃないですか。だって環境が良いだけだったら広島だって良いだろうし、北海道だって良いわけで。なのに最近福岡って元気だし目立ってるじゃないですか。「何で?」って言われると「いや、我々がいるからさ」って(笑)。

山倉カッコイー(笑)!

松山でも実際そうですよ。うちらが活躍することでこの場所を盛り上げていきたいって思って活動してて、それが実を結んでるだけの話ですから。ただ、それをそれぞれ各社がバラバラで頑張るっていうんじゃなくて、出来れば力を合わせて、ここ福岡だけじゃなく、ゲーム業界や日本を、福岡から盛り上げていきたいなって思ってます。もちろん日本だけを見てるんじゃなくて、我々はここ福岡っていう場所から、世界に向けてものを発信していきたいとも思ってますんで。

― それでは逆に、今まで東京や大阪にいなかったことで困ったことなかったですか?

松山…無いですね。ナッシングですねぇ(笑)。

日野むしろ得なことの方が多いですね。

松山メリットの方が多いですよ。みんな知らんだけなんです。だからこそ、こういうイベントをやって知ってもらおうと思ってます。良いことだらけですよ。環境が良いに越したことないんですから。

― 福岡は食べ物も美味しいし都心も近いですしね。

松山そう。何より交通の便がいい。やっぱ飛行機とかでも移動が楽なんですね。実際に不便なとこって言ったら、本社が東京っていうお客さんが多いんで、どうしても打ち合わせで東京に行かなきゃならないって事ぐらいなんですけど、そこは交通の便が良いから、ぴらっと行きやすいんです。開発室100人全員で移動する訳じゃないですし。

一同(笑)

松山ディレクターとかそういうのが行って、打ち合わせするわけですから。で、そんな移動も大した負担ではないんです。飛行機乗って1時間半で東京に着きますからね。下手すりゃ、東京に住んでるクリエイターの通勤時間ですよ。電車乗ってるか飛行機乗ってるかの差なんで、そう考えると凄い有利だな、と思えます。みんなすごいなぁ、苦しい思いして通勤して…。

山倉毎日あの時間を通勤してたらすごいなぁ。

松山ねぇ。ものづくりは楽しくないと。苦しい思いしてものつくったらあかん。

― 3社の社員さんは自転車で通ってる人とか結構多いんですよね。

山倉ああ、もうみんな近いですよ。

松山僕徒歩ですよ。徒歩3分。

山倉私も徒歩8分。

松山で、オチ担当ね。どれぐらいやっけ?時間。

日野え?1時間半。

一同(笑)

日野結構遠いんですよ。

松山日野さんは家が熊本の県境なんですよ。素敵な場所でね。空気がおいしい、必要以上に(笑)。

― 必要以上に(笑)。

山倉空も広いよ、空も。

松山熊本の県境にね、あるんですよ、ラピュタっていう場所が。「ラピュタは本当にあったんだ」ってね思わず言ってしまうような非常に良い聖地がある(笑)。

日野公害に犯されたラピュタが。

一同(爆笑)

山倉そんなこと無いよ、良い所だよ。空気良いし、空は広いし、駅前に建物は何もないし(笑)。

日野空気良いってどういう根拠で…。全然だよ…(笑)。

松山そろそろ止めていいかな(笑)。

― 流れるような掛け合いで思わず笑ってしまいました(笑)。さて、質問を続けます。レベルファイブさんがパブリッシャーになられましたが、そのことについて松山さん、山倉さんのお二方はどういう風に思われましたか?

松山それ何?失敗すればいいのに、とかそういうコメントが欲しいってこと(笑)?

一同(笑)

松山そんなこと全然無いよ。心の底から応援してます。

― やっぱり自分たちもパブリッシャーやりたいって気持ちはありますか?

松山どうでしょう。各社それぞれの考えてるイメージっていうのは違うと思いますけど、将来的に見ればどこの会社さんでも選択肢のひとつとして持ってると思うんですよ。やっぱりやりたいって気持ちは絶対あると思います。で、それを先駆けて日野さんとこが今回された訳じゃないですか。しかも大成功されてますよね。こないだの『レイトン教授』の完成披露会にも呼んでもらったんですけど、ほら、壇上の上で王子が喋ってるわけじゃないですか。

一同(笑)

日野王子と呼ばないように(笑)。

松山王子って書いて良いから(笑)。やっぱりね、こっちもちょっとジンときたんですよ。「あー、ほんと良かったなぁ」って思いました。

山倉私も泣けましたよ。本当に良かった。

松山そんなジーンとする話もね、そのあと堀北真希さんが出てきたから全部吹きとんだんですけど(笑)。「顔ちっさ!めっちゃかわいい!」って(笑)。

一同(爆笑)

― ところでその王子という名前の由来はあるんですか?

日野いやいや、今日初めて聞きましたよ(笑)。

― なんか前からそうだったみたいに自然なんですけど(笑)。

山倉最初に松山さんが言ってたの、王子って。それからもう王子王子で(笑)。

松山だって、レベルファイブ王国の王子様って感じするでしょう。ほら、王冠とか似合いそうだし。

日野王子はちょっとやめて欲しいんだけど。

一同(笑)

日野でも歌舞伎町ではたまに言われる…(*3)。

松山どこ行ってんのアンタ(笑)!

山倉王子、えらいアダルトな…。

松山NintendoINSIDEってそういうサイトやったっけ(笑)?違うよね、業界裏トークじゃないよね(笑)。

― 違うと思います(笑)。

(続きます)


【注釈】

(*1) AI:Artificial Intelligence、人工知能のこと。ゲームならば例えば敵キャラの思考パターンなどがこれにあたる。昨今のゲームのAIはとっても複雑。

(*2) 福岡は空港が近かったり:具体的には博多駅から地下鉄でひと駅、5分で着くとのこと。その他バスが利用できる。ちなみに地下鉄は日本で唯一空港に乗り入れ可能な地下鉄だそうな。

(*3) 歌舞伎町:GFFのホームページで公開されているPodcastにて、セガの名越稔洋氏と飲みに行ったエピソードが話されており、そのときに歌舞伎町だったのではとほのめかす質問が出ている。ちなみに行ったのかどうかはノーコメントだった。
《ヤマタケ》

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