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任天堂ラテンアメリカ幹部「物理メディア廃止計画ない」。8月発表の決算ではソフト売上の全世界デジタル比率は約6割、スイッチはパッケージ版強めか

ディスク廃止やキーカードの導入などパッケージ版を取り巻く環境は変化していますが、形態を変えつつ、その文化は続いていくかもしれません。

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任天堂ラテンアメリカ幹部「物理メディア廃止計画ない」。8月発表の決算ではソフト売上の全世界デジタル比率は約6割、スイッチはパッケージ版強めか
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任天堂ラテンアメリカのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるBill Van Zyll氏は、ブラジルのYouTubeチャンネル「Coelho no Japão」のインタビューで、「物理メディアを廃止する計画はない」と発言しました。

物理メディアを廃止する計画はない

インタビューは、ブラジル最大級のゲームイベント「Brazil Game Show 2026(BGS 2026)」をきっかけに収録されたもので、登録者数約52万人のYouTuberであるRodrigo Coelho(Coelho no Japão)さんが聞き手を務めています。

画像はYouTubeより

業界全体がデジタルへ移行するなか、任天堂は物理メディアを維持するのかという質問に対し、Bill Van Zyll氏は次のように答えました。

「任天堂は歴史的に中立な立場をとっていて、消費者の好みを最優先にしています。ニンテンドースイッチ2でも物理メディアとデジタルの両方に対応しており、物理メディアを廃止する計画はありません。ファンの愛着もよく理解しています」

また別の質問では、ブラジルを含むラテンアメリカ全体ではパッケージ版が好まれる傾向にあるとし、その理由としてコレクション性や貸し借り、売買を挙げています。

パッケージ版とダウンロード版の価格差について問われると、Bill Van Zyll氏は、パッケージ版にはカートリッジやチップの原価、箱、組み立て、輸送、在庫保管など多くの物理的なコストがかかると説明。そうしたコストがかからないデジタル版との間に価格差が生じるのは自然なことだとしています。



そのほかインタビューでは、ブラジルのイベントにおける任天堂ブースの様子や、ブラジルでのニンテンドースイッチとスイッチ2の販売動向、価格改定、ブラジルポルトガル語版ニンテンドーダイレクトへの要望などにも触れられました。

ブラジルポルトガル語に対応するというスイッチ2版『ゼルダの伝説 時のオカリナ』

任天堂は8月の決算でデジタル売上高の比率は約6割と公表

任天堂やソニーの決算資料から、業界の動向を振り返ってみましょう。

2026年8月に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月)の決算説明資料(PDF)によると、同四半期のデジタル売上高は1,327億円です。ゲーム専用機のソフトウェア売上高に占めるデジタル売上高の比率は61.5%で、前年同期の59.3%から上昇しています。

画像は任天堂の資料より。このデジタル売上高には、パッケージ併売ダウンロードソフトのほか、ダウンロード専用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Onlineなどの売上も含まれるとのこと

一方、ソニーグループが発表した2026年度第1四半期(2026年4月~6月)の業績資料では、PS4・PS5向けフルゲームのデジタル版比率は82%でした。任天堂は売上高ベース、ソニーは販売本数ベースと集計方法が異なるため単純比較はできませんが、任天堂のプラットフォームはPSに比べてパッケージ版の比率が高いのでしょう。

任天堂の物理版における売り上げ比率が高いということについては、海外インフルエンサーのStealth氏も指摘しています。



ただし、これら決算資料の数値はいずれも全世界のものです。Bill Van Zyll氏の発言は、あくまでブラジルを含むラテンアメリカ市場についてのものであり、任天堂の8月に発表された決算説明資料では、地域別のデジタル比率は示されていません。

形を変えつつあるパッケージ版

パッケージ版の実態に話を移すと、その中身はカードの方式であれディスクであれ、ニンテンドースイッチ2もPSも仕組みが変わりつつあると言えるでしょう。ニンテンドースイッチ2では、ゲームデータが入っておらず、遊ぶにはデータのダウンロードが必要なキーカードでの販売も行われています(キーカードの仕組みはサードパーティーソフトが中心)。





PSでは、2028年1月以降のディスク製造終了がすでに発表済みです。ソニーグループの2026年度第1四半期における決算説明会では、ゲーム事業を代表して質疑に答えた陶琳氏が、北米ではすでにディスクを含まずパッケージにコードを同梱する販売形態が始まっていると説明していました。

これはコードインボックス版としてパッケージが販売される『グランド・セフト・オートVI』のことだと思われます。





さらに、物理メディアには容量の問題もあります。

たとえば『ファイナルファンタジーVII リベレーション』では、PS5パッケージ版がディスク1枚で販売され、プレイには追加データのダウンロードが必要です(海外ではXBOX Series X|Sパッケージ版も同様)。ニンテンドースイッチ2パッケージ版もキーカードでの販売となっており、ディレクターの浜口直樹氏は、各プラットフォームにはパッケージ容量の制約があり、すべてをディスクに収めるために品質を妥協するのは望ましくないと考えたと説明していました。




容量の制約に生産コストの上昇、そしてPSのディスク製造終了と、物理メディアを取り巻く環境は変化しています。

それでも、今回のBill Van Zyll氏の発言からすると、地域によってはパッケージ版に根強い需要があるのは事実。ディスクからコードへ、さらにはキーカードで販売されるケースもあるなど、メディアの形態は変わりつつあります。それでも、パッケージ版の文化は形を変えてまだ続いていくのかもしれません。






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《重田 雄一》

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