
スマイルゲート・メガポートが手がけ、IAN Gamesが開発する『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』は、渡辺静先生の漫画『デッドアカウント』を原作とするチーム型ローグライトRPGです。
5人のキャラクターを編成し、それぞれの電能を組み合わせて「化け垢」と戦う本作。敵との距離を見極めるバトルはもちろん、草津の街を歩いてキャラクターと交流したり、原作で描かれなかった出来事を知ったりできるのも魅力です。

今回は、開発を統括するIAN Gamesのキム・ビョンギ氏に、原作をゲーム化した理由やバトルの工夫、ゲームならではの物語について聞きました。
※ゲーム内画像は全て開発中の海外版のものです。
◆「除霊はチームプレイ」をゲームでも。電能の組み合わせが生む多彩なバトル
――本日はよろしくお願いします! まずは、キムさんが本作で担当されていることを教えてください。
キム・ビョンギ氏(以下、キム氏)IAN Gamesで『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』の開発を統括するPDを務めています。プロジェクトの初期段階から、ゲームの方向性やコンテンツ、戦闘、キャラクターの企画など、開発全般に携わっています。

――では、ゲームの出発点から伺わせてください。『デッドアカウント』をサバイバー系のチーム型ローグライトにしたのは、なぜでしょうか?
キム氏もともと私たちは、モバイル向けのチーム型ローグライトを作りたいと考えていました。戦闘中にどの能力やスキルを選ぶかによって、毎回違うビルドや攻略を楽しめるゲームです。
その構想を進める中で『デッドアカウント』と出会い、原作を読みました。キャラクターたちはそれぞれ個性的な電能を持ち、特殊な敵である化け垢と戦います。また、「除霊はチームプレイ」という言葉のとおり、仲間と協力して戦う場面もあります。私たちが目指していたチーム型ローグライトと、相性がいいと感じたんです。

――なるほど。「除霊はチームプレイ」が、もともと考えていたゲームの形と重なったんですね。では、実際のバトルは一般的なサバイバー系とどう違うのでしょう?
キム氏多くの敵を避けながら次第に強くなっていく、サバイバー系の気持ちよさは大事にしています。そのうえで、自動攻撃に任せきりにせず、プレイヤー自身が操作する面白さを出したいと思いました。敵の動きを見て、離れるべきときは距離を取り、攻撃するときには踏み込む。そうした「カイティングアクション(※1)」を大切にしています。
電能の特性を生かして敵を引き寄せたり、特定の場所に追い込んだりと、状況に応じた攻略も楽しめます。
※1 MOBAやサバイバー系において、敵との距離を調整しながら攻撃する立ち回り。
――距離を取るだけでなく、攻めるタイミングも自分で決める、と。1回の探索は何分くらいを想定していますか?
キム氏ローグライトが好きな方だけでなく、原作ファンにも気軽に遊んでいただきたいので、序盤は2~3分ほどでプレイできるようにしています。まずは短い時間でゲームに触れていただき、後半には攻略を考えたり、挑戦したりするコンテンツも登場します。そうした部分ではプレイ時間も長くなるよう、バランスを調整しています。
――序盤は2~3分ですか。ちょっとした時間にも遊べそうですね。通常の探索以外にPvPもあると伺いましたが、こちらはどんな遊びになりますか?
キム氏通常のストーリーモードでは5人のキャラクターを編成して操作します。一方、PvPでは6人を編成します。相手がどのキャラクターを使っているかを見ながら、14マスの盤面に自分のキャラクターを前衛・後衛などに配置していくんです。相手の正確な配置は分からないので、こちらの編成と配置をどうするかが駆け引きになります。
戦闘自体は自動で進む形式です。キャラクターを直接操作するストーリーモードとは、違う戦略を楽しんでいただけると思います。PvPは正式リリース時のお楽しみにしていただければと思います。
――正式リリースを楽しみにしておきます。バトルの話に戻ると、「同じキャラクターでも編成によって戦い方が変わる」という点も気になりました。例えば、どんな組み合わせができるんでしょう?
キム氏キャラクターが持つ電能やスキルの組み合わせが大きいです。例えば、亜科伴(あしなばん)のスキルで敵を一か所に引き寄せ、草場恵流(くさばえる)の広範囲を連続で攻撃するスキルを使えば、集まった敵をまとめて攻撃できます。そこに南蔵是清(なんぞうこれきよ)を加えて、攻撃範囲をさらに広げることもできます。
範囲を広げる代わりに、より大きなダメージを与えたいなら、ゆもみ君を加えてクリティカルダメージを高める組み合わせも考えられます。どのキャラクターを組み合わせるか、戦闘中に何を選ぶかで、同じキャラクターを使っていても異なるビルドを作れます。




――サバイバー系らしい気持ちよさがありそうですね! 編成には、ほかにも考えるポイントがありますか?
キム氏電能同士のシナジーに加えて、編成したキャラクターによって発動する「チームバフ」も用意しています。原作にちなんだ「最悪の三人」のような組み合わせのほか、クリティカル率やクリティカルダメージに関わる効果を得られる編成もあります。個々の能力とチームバフの両方を考えて、戦略を組み立てられるようにしています。
――ゲーム内のイラストなども新たに描き下ろされたものですよね。イラストやバトル中のSDキャラクターにもこだわりを感じました。
キム氏そうですね。キャラクターのビジュアルはゲーム用に新たに制作しています。バトル中のSDキャラクターは小さく描かれるため、それぞれの個性が見えなくなる心配がありました。原作を知っている方が見ても、シルエットや表情、動き方から「このキャラクターだ」と分かるように意識しました。
スキルを使う場面ではキャラクターを一時的に約1.5倍の大きさに見せたり、動きにスローをかけたりして、アクションが見やすくなるよう工夫しています。背景を少し暗くして、技を使う姿に目が向くようにもしました。原作で見せる表情や、そのキャラクターならしそうな動きも取り入れています。

――ちなみに、制作した中で、キムさんがとくに気に入っている演出はありますか?
キム氏とくに亜科伴と対決する場面ですね。もともと同じクラスではない生徒が敵として立ちはだかり、登場人物の感情が高まるシーンなので、ゲームでも力を入れて制作しています。原作の展開を大事にしながら、ゲームならではの見せ方も考えています。
――TGSの試遊でも体験できた部分ですね。そういえば、キムさん自身はどのキャラクターがお好きですか?
キム氏主人公の縁城蒼吏(えにしろそうじ)も好きですが、灰島ひよりも気に入っています。普段は引きこもりがちで人見知りですが、仲間が危機に瀕したときにはしっかり支えてくれる。そのギャップが魅力ですね。
――灰島ひよりですか! ゲーマーとしても共感できる点が多いキャラクターですね。
キム氏そうですね(笑)。
◆原作の“裏側”を描く物語と、キャラクターに会える草津フィールド
――続いてシナリオについて伺います。本作は原作の物語を追体験する形になるのでしょうか?
キム氏原作の物語を追体験できる内容に加えて、ゲームならではの視点も取り入れています。原作で描かれた出来事と同じ時間に、ほかのキャラクターたちは何をしていたのか。そうした裏側も見られるようにしています。
例えば序盤に、霞流括(かすばたくくる)が緋里を祓おうとして蒼吏と対峙する場面があります。その間、別の仲間たちは何をしていたのかを、ゲームでは描いています。先行体験テストでは、こうした部分を原作ファンの方にも喜んでいただけました。
正式リリースに向けては、「最悪の三人」が一緒に行動する場面で、ほかの仲間たちが同じ時間にどうしていたかも描いています。原作の展開に沿いながら、ゲームだからこそ見られる出来事も楽しんでほしいです。

――「その場面の裏では何が起きていた?」という疑問に、ゲームで答えてくれるわけですね。正式リリース時には、物語がどこまで進む予定ですか?
キム氏リリース時の内容は、今も内部で調整しているところです。どこまで収録するかは、正式リリース時に確認していただければと思います。
――そこはリリースを楽しみに待ちます。もう一つ気になっていたのが「草津フィールド」です。自由に歩き回れるそうですが、どんな場所になっているんでしょう?
キム氏原作に登場する草津を再現したフィールドです。湯畑の周辺や弥電学園などを歩き回れるようにしています。原作では草津を舞台に学生たちの物語が進むので、ゲームでも戦闘だけでなく、その場所に実際に行ってキャラクターと出会う体験を作りたかったんです。
フィールドには戦闘を楽しむコンテンツもありますが、好きなキャラクターに会いに行き、話すこともできます。原作ファンなら、知っているキャラクターに会う楽しみがあります。ゲームから入る方にも、会話を通じて「このキャラクターが好きだ」と思うきっかけになればうれしいです。
――湯畑や弥電学園を歩いて、好きなキャラクターに会いに行ける。そこで交流を重ねると、何か変化はありますか?
キム氏はい。親密度を深めるコンテンツがあります。親密度が高まると会話も増えていきますので、ぜひ見ていただきたいです。リリース後には、プレイヤーがどのキャラクターを好きになり、どんな関係性を見たいのかという声も聞きながら、交流の内容を追加したいと考えています。
――会話が増えていくんですね。親密度は、プレゼントを渡して上げるような仕組みでしょうか?
キム氏そうした形よりも、日常の中で自然に出会い、交流できることを大切にしています。学園や湯畑の周辺を歩いているとキャラクターと出会って、そこで会話をする。そうした体験です。
――なるほど。町や学園でばったり会うような感覚なんですね。ちなみに、ガチャで入手していないキャラクターともフィールドで会えますか?
キム氏ガチャで入手しているかどうかに関係なく、フィールドで会えます。
――まだ仲間にしていないキャラクターにも会えるのは、うれしいですね。話題を変えて、先行体験テストでは、プレイヤーからどんな声が寄せられましたか?
キム氏原作の物語を再現した部分だけでなく、ゲームオリジナルの内容も予想以上に好評だったことが印象に残っています。開発チームで工夫して作ったところなので、うれしかったですね。
もう一つ気にしていたのが操作です。モバイルのローグライトでは一人のキャラクターを動かす作品も多いですが、本作は5人のチームで戦います。操作が複雑に感じられるかもしれないと心配していましたが、テストでは遊びやすいという声をいただけました。
――ちなみに、開発中はどんな工夫をされたんでしょう?
キム氏開発初期には5人を同時に出して、それぞれにHPを持たせる形も試しました。ただ、それでは自分がどのキャラクターを操作しているのか、誰が攻撃を受けて倒れたのか分かりにくかったんです。
そこで、プレイヤーが操作するリーダーを明確にし、ほかのキャラクターはサブとしてチームに加わる形にしました。画面上の表示も、チームの状態を把握しやすいよう整理しています。一人のリーダーを動かしながら、5人のチームで戦っている感覚を出したかったんです。
――確かに、5人分のHPや動きを一度に追うのは大変そうですね。攻撃する方向やスキルの操作も、調整されたんですか?
キム氏はい。初めはメンバーごとに移動や攻撃の方向がばらばらで、誰がどこを攻撃しているのか分かりにくい状態でした。今はチームの移動や攻撃の方向をそろえ、状況をつかみやすくしています。
スキルも、当初はボタンを押したらすぐ発動するだけでした。それだと意図しない場所で使ってしまうことがあります。現在はボタンを押して使うことも、ドラッグして狙う場所を決めることもできます。敵が迫ってきたとき、どこへスキルを撃てば切り抜けられるかを、自分で判断できるようにしました。

――ボタン一つでも使えるし、狙って撃つこともできる。場面に合わせて操作できるんですね。続いて、キャラクターを入手するガチャについても教えてください。
キム氏キャラクターを集めるゲームとして、キャラクターを入手できるガチャを用意しています。ただ、キャラクターと装備の両方をガチャで集める仕組みにはしていません。装備などの成長要素は、ゲームをプレイする中で手に入れられるように考えています。
たくさん課金してキャラクターを獲得することだけが面白さにならないようにしたいんです。それぞれの電能や能力に個性を持たせていますので、手持ちのキャラクターをどう組み合わせるか、さまざまな方向で楽しんでいただきたいと思います。
――なるほど、ありがとうございます。最後に、正式リリースを待っているファンへメッセージをお願いします。
キム氏開発チーム一同、原作ファンの皆さんに満足していただけるゲームを目指して、力を入れて制作しています。ゲームで初めて『デッドアカウント』に触れる方にも、好きなキャラクターを見つけて、作品の世界に入り込んでもらえたらうれしいです。そして、興味を持ったら原作も読んでみてほしいですね。
リリース後もプレイヤーの声を積極的に聞き、よりよい方向へアップデートしていきたいと考えています。正式リリースを楽しみにお待ちください。

『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』は、iOS/Android、PC(STOVE)向けに配信予定です。
©渡辺静/講談社














