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【特集】レンタルビデオ屋にコナン、パイパーにウマ娘、千夏にボカロ!『ゼンゼロ』ゲーム内に潜む日本カルチャーを探る元ネタ解説GW企画・第2回

『ゼンレスゾーンゼロ』(以下、ゼンゼロ)は、HoYoverseが手がける都市ファンタジー系のアクションRPGです。

ゲーム コラム
【特集】レンタルビデオ屋にコナン、パイパーにウマ娘、千夏にボカロ!『ゼンゼロ』ゲーム内に潜む日本カルチャーを探る元ネタ解説GW企画・第2回
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『ゼンレスゾーンゼロ』(以下、ゼンゼロ)は、HoYoverseが手がける都市ファンタジー系のアクションRPGです。

HoYoverseの代表作である『崩壊シリーズ』『原神』に続く新たなタイトルとして期待され、2024年7月4日にサービスを開始しました。先んじて大ヒットしていた2作品に負けず劣らず人気を集めています。

多くのインタビューで語られているように、HoYoverseのクリエイターや運営スタッフは日本のアニメ・ゲーム・マンガを愛好しており、本作にもその影響が色濃く表れています。キャラクター同士の会話、各章のタイトル、探索中に見つかるさまざまなギミックの中に、ゲームやマンガ、アニメ、映画が好きな人であれば「おっ!?」と思えるネタが混じっています。

本作にはどのようなオマージュやパロディが小ネタとして差し込まれているのか、今回はゲーム内を中心に紹介します。ぜひお楽しみください。

この記事は小ネタの解説が主な内容です。ゼンゼロの内容や関係作品の内容に深く関わる記述がありますので、あらじめご了承の上、お読みください。

ビデオ屋で見られる映画パロディ

主人公である兄妹のアキラとリンは、各勢力と関わりながら、汚染空間「ホロウ」に一緒に潜入するプロキシ(非公式のホロウ調査サポート役)として活動し、さまざまなトラブルを解決していきます。

プロキシとしてのアウトサイダー的な活動の一方、2人は表向きレンタルビデオ屋「Random Play」を営み、さまざまな映像作品を調達・レンタルしています。

このビデオ屋で、おすすめ映画を紹介するというデイリーミッションをこなすのですが、その際にピックアップされているタイトルがオマージュネタ満載です。

「レディプレイヤー∞」「レイダーズ/ホロウの秘宝」「ファミリー・スピード」といったタイトルや説明文から、あの作品この作品が連想されます。

その中に「真実はいつも無数」があり、ジャケットやあらすじから漫画「名探偵コナン」シリーズをパロディしたものと思われます。


走り屋チーム「カリュドーンの子」パイパーから見えるウマ娘・オマージュ

筆者がプレイの初期に頼ったエージェントに、パイパーというキャラクターがいます。

郊外で活動する走り屋チーム「カリュドーンの子」の運送ドライバー役です。気だるげな態度で「最近の若いもんは……」おじさんめいた言動を見せる一方、自身のルックスは幼いというギャップが魅力です。

ゲーム内で使えるようになったエージェントには、信頼イベントや任務イベントを通じて友好度を上げていくという楽しみ方があります。その信頼イベントや任務イベントの会話の中で、「歩道橋に立っていると下に向かって叫びたくなってくる」と話すパイパーに、「わたしは悪役じゃない、ヒーローだー!とか?」と返事をするパートがあります。

一見すると普通の会話ですが、パイパーの声を務めているのは石見舞菜香さん。彼女は『ウマ娘 プリティーダービー』でライスシャワーを演じており、アニメ作品において「ライスは、ヒールじゃない……ヒーローだ!」というセリフとともにレースで勝利し、その演技でファンを魅了したという経緯があります。

おそらくパイパーへの返事は、そのオマージュではないかと思われます。ちなみにこの「ヒールじゃない、ヒーローだ!」というのも、JRAが制作したCMが元ネタと推察されており、引用に引用を重ねた形になっています。

余談ですが、『ゼンゼロ』と『ウマ娘』で重なる声優さんが多く、主要キャラクターでも以下の通りです。

駿川たずな(ウマ娘)/11号(ゼンゼロ):藤井ゆきよさん
ライスシャワー/パイパー:石見舞菜香さん
ミホノブルボン/柚葉:長谷川育美さん
カワカミプリンセス/バーニス:高橋花林さん
ネオユニヴァース/グレース:白石晴香さん
セイウンスカイ/プロメイア:鬼頭明里さん
ソノンエルフィー/雅:小清水亜美さん
ジェンティルドンナ/ニコ:芹澤優さん
セントライト/儀玄:能登麻美子さん
オルフェーヴル/イヴリン:日笠陽子さん
カツラギエース/プルクラ:藤原夏海さん
ナイスネイチャ/アリア:前田佳織里さん
シリウスシンボリ/シーシィア:ファイルーズあいさん

これだけ多くの面々が参加しています。
筆者はパッと今回のネタを思い出しましたが、もしかすると他にも『ウマ娘』の小ネタが本作には隠されているかもしれません。

千夏の心象映画がボカロ曲オマージュ

キャラクター画面を見てみましょう。『ゼンゼロ』では他のソシャゲ同様、プレイアブルエージェントの能力をアップさせることができます。ガチャで入手したプレイアブルキャラクターを最大6段階まで強化する仕組みがあり、本作ではそれを「心象映画」(限界突破)と呼んでいます。

そんな「心象映画」ですが、確認画面ではひとつひとつにエージェントごとのタイトルが振られており、心象「映画」らしい工夫があります。今回は最近プレイアブル化した、妄想エンジェルのメンバー・千夏の心象映画を挙げましょう。

千夏が所属する妄想エンジェルは、ライブハウス「404」で活動するアイドルグループです。千夏はグループ内で作曲・作詞を担当しており、引っ込み思案な性格と関西弁がかわいらしいキャラクターです。

そんな彼女の心象映画タイトルは、それぞれボカロ曲やボカロPの楽曲をオマージュしたものと思われます。

「孤毒が蝕む」 → 「孤独に溺れる」
「猫のまにまに」 → 「神のまにまに」
「ringoになっていく」 → 「potatoになっていく」「転生林檎」
「モーソー☆調査隊のテーゼ」 → 「にっこり^^調査隊のテーマ」
「銀河電車」 → 「銀河電橙」
「ホロウ大爆発」 → 「ちきゅう大爆発」

これらの楽曲は『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』や、バーチャルアーティスト・P丸様への書き下ろしなど、さまざまな経路でリリースされています。一言でボカロ・ボカロPといっても多岐にわたる中、これだけ幅広くネタを引っ張ってこられる感度の高さに驚かされます。

ボカロカルチャーを知らなければ「アイドルらしい尖った音楽タイトル」と思うだけかもしれません。こうした細かな仕掛けが、ゼンゼロの面白さといえるでしょう。


次の記事では、いよいよメインストーリーに踏み込み、その中で見られるオマージュ・パロディネタを取り上げたいと思います。初期のネタと最近のネタ、2つを取り上げますが、多数あるうちのどのネタか、みなさんは当てられるでしょうか?


《草野虹》

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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