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「Steamキーが欲しい」そのYouTuberのチャンネル、本物ですか? 有名インディーゲーム開発が遭遇した悪質な手口とは…

開発者を悩ませるSteamキー転売問題、国内でも被害……。

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ゲーム開発者を悩ます問題のひとつとして、怪しげなゲームメディアやインフルエンサーからSteamキーを要求されるというものがあります。そこでおきた被害について、『PICO PARK』開発元であるTECOPARKの代表取締役である三宅俊輔氏が報告しています。

そのYouTuber、本物ですか?

Steamゲームの開発者は、メディアやインフルエンサーなどに送付するための製品キーを作ることができます。これに対し、メールなどで開発者にレビュー用と称してキーをもらった後、転売するといった被害が多く報告されています。

こうした手口は広く知れ渡るようになりましたが、三宅氏が遭遇したのは、より悪質なものでした。三宅氏は複数のゲームレビューYouTuberから送られてきたキー請求のメールを見て、「登録者数やコメントが一定数ある」「定期的なチャンネル更新や本人確認もできる」という条件に合致するチャンネルにメールで送付したといいます。

しかし、発売してしばらく後にチャンネルを確認すると、渡したうちの7割がチャンネルごと消えていたといいます。そのため、巧妙な手口でダミーのチャンネルを作っていたと考えられます。YouTubeは3ヶ月に1回名前を変更できたり、登録しているメールアドレスも変更できたりするため、悪用されているようです。

Game*Sparkも遭遇していた

実はこの手口、Game*Spark Publishingで発売している『ウィザードリィ外伝 五つの試練』でも遭遇しています。複数のチャンネルからきたキー請求をチェックしていくと、別々の名義であるはずのチャンネルが同じようなゲームを同じ時期に取り扱い、独自性が薄い動画ばかりを出していました。加えて動画を確認してみると、ゲストでもないのに話者が動画によってバラバラで、(おそらくは無関係の第三者の映像を転載して)ダミーとして作られている可能性が高かったのです。あるいは本来あったチャンネルが不正アクセスにより乗っ取られた可能性もあるかも知れません。

これが完全に偽物であるという確証はありませんが、怪しく見えるのは事実。開発者やパブリッシャーができる対策としては、キーを送るメディアやインフルエンサーは開発者側で信頼できるところを決めて送る、相手の情報をチェックして少しでも怪しいと思ったら無視するなどが考えられます。三宅氏は今後、配信者ではないレビュアー系YouTuberにはキーを送らない方針であるようですが、こうした基準を設けるのも良いでしょう。

なお、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』のケースでは明らかに当人を騙った配信者からのメールも複数確認されたことは報告しておきます。



以前紹介した事例では、開発者が無料の体験版キーを渡すという手段を取ったものも。正当なレビュアーは後日、本編のキーを再度要求したものの、悪質な者は体験版キーを販売することとなったようです。ただ、後に報復として低評価レビューをつけられ、それをValveに報告してBANしてもらうというひと手間が発生しているため、必ずしも万能な手ではなさそうです。

いずれにせよ、キーを請求してくるユーザーには一定数悪質な目的を持つ人もいます。送る相手や基準はしっかり定めておくと、被害を低減できるでしょう。


《みお》
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