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橘ひなのが見せる多彩なタレントと苦闘、大ブレイクとその道のりについて【バーチャルタレント名鑑】

今回紹介するのは、2021年中にもっともブレイクを果したであろうバーチャルタレントの一人、橘ひなのさんです。

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橘ひなのが見せる多彩なタレントと苦闘、大ブレイクとその道のりについて【バーチャルタレント名鑑】
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様々なバーチャルタレント事務所が次々に発足し、着実にその裾野を広げ続けているバーチャルタレント(VTuber)シーン。牽引する二大事務所に注目が集まるなかにあって、数年来に渡って活躍を続けるタレントも非常に多い。この連載コラム「バーチャルタレント名鑑」では、様々なカルチャーシーンで奮闘を続けるバーチャルタレント(VTuber)一人一人にスポットライトを当て、これまでの軌跡とこれからの望見について書いていきます。今回紹介するのは2021年中にもっともブレイクを果したであろうバーチャルタレントの一人橘ひなのさんです。

2021年12月30日、年の瀬が迫ったタイミングで1年の振り返り雑談。1月に配信していた内容から振り返ろうと口を開くと、リスナーからの指摘に笑いながら同意しつつ言葉を重ねました。

「去年の(2020年の)12月30日、あたし登録者1万人だったからね!すごいよね!?23倍になった!マジでエグイわ、冷静に考えて」

年の瀬が押し迫ってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

わずか1年で1万人から23万人へ。この記事を書いている2022年2月23日現在、YouTube登録者数は27万人を超えています。

もちろん「1に掛け算をすれば大きく見える」という数字の見え方が影響しているとは思いますが、その爆増ぶりは驚異的と言えるでしょう。今回のヒロインは、VTuber/バーチャルタレントの橘ひなのさんについて記していきたいと思います。

前回紹介した英リサさんがデビューした翌日の2020年8月14日、今回のヒロインである橘ひなのさんがデビューを果たしました。

瞳は薄い青紫、ウェーブのかかったロングヘア、右側がピンクで左側がブラウンとキッチリ分けたツートンカラー、ピンク・ブラック・ホワイトを基調にしたフェミニン・ガーリー・ゴスロリに寄せたファッションが目を惹くひなのさん。

Twitterでの初ツイートは2020年8月11日です

配信で見れる彼女は、『Apex Legends』『Overwatch』などFPS~サバイバルゲームで高い実力を発揮し、その他ゲームでも随所に見せてくれるゲームスキルでリスナーを魅了します。またゲームプレイ中でも、むかし流行したゲームやマンガや最近あったこと、「こういう時はどうでしょう?」といった急に送られてくるコメントなどに反応する軽快さを見せ、それはゲーム巧者なストリーマーのお手本のよう。

「1人でゲームをするのが辛いし寂しい」とよく口にし、配信する際には複数人ですることが多く、ソロで配信をスタートしたとしても配信中に2人~3人の友人を呼んで配信をしていくことも。

その多くがぶいすぽっ!メンバーや親しいストリーマーであり、友人らが集まってくるとしっかり者な表情が徐々に柔らかくなり、どこかツンツンとした態度と口調へと変わっていきます。

口調や語気も荒っぽくなっていき、どこか男勝りだったり乱暴な言葉が出てくることも多く、時には大声をあげて感情を露わにして躊躇なくパっと口に出してしまいます。そのオラついた態度から、ぶいすぽっ!メンバーからは「圧をかけてくる怖いヤツ」と茶化することも少なくありません。

逆に言えば、それだけ周りの友人についてよく見ていると言え、コラボ相手との会話では心配性な一幕を見せることもあります。「あたしはメンヘラオタクなんよ」と本人は自己評価することが多いですが、チームのリーダーやまとめる役として信頼される力強さを兼ね備えています。

そんな彼女は配信などを通じて、デビュー以前の話や自身の好きなモノについてしばしば口にしますが、そのどれもが彼女のキャラクターや性格をうかがい知るには十二分なインパクトを持ったものばかり。

・デビュー以前、カッとなるとマウスを投げてしまう事も多く、いくつものマウスを壊してしまった。

・マンガ・アニメ・声優に詳しく、好きなキャラクターやカップリングにもこだわりを持つ典型的なオタク女子。それに合わせてネットカルチャーに明るく、ネットスラングの使い方ひとつにも一家言をもっているほど。

・じつはMobageにあった1万人レベルのなりきりチャットサークルで管理人を務めていたことがあり、作品やカルチャーへの理解力は抜群。その想像力をうまく活かし、にじさんじの奈羅花とストリーマーのカワセらとチーム「夢女子卍會」として出場した『第6回CRカップ Apex Legends』では、特別ルール「夏の思い出ポイント」というネタに乗っかって、夏の淡い恋小説を書いています。

彼女の魅力といえば、しっかりと自分の実力を発揮しようと何度となくトライしていく胆力にあります。
毎日のようにゲーム配信をしていれば、どこかうまくいかない日、負けに負けが続く日も出てきます。他のぶいすぽっ!メンバーと同じように負けず嫌いな性格で、「もう無理!もうホント嫌だ!」と声をあげながらも、諦めることなく立ち向かっていくひなのさん。その姿は、見ている者を強く惹きつけるものがあります。

そのなかでも極めつけなのが、『Apex Legends』シーズン10スプリット1の最終日ラストマッチでのマスターランク昇格でしょう。

さまざまなイベントが重なったことでランクマッチをうまく出来ずにいたなか、マスターランクを目指してバーチャルゴリラさん、kamitoさんとともに5時間半近くプレイし続け、スプリット2へとデータが切り替わる直前のラストマッチ、その最終局面にゲーム中最強武器のひとつクレーバーをゲットします。

あまり得意ではない武器ということで最初は使うことを嫌がりますが、男性2人の言葉に押されて握ることに。一発当たれば即死、当たらなければ敵に大きな隙を見せてしまい、ランクも未到達で終わるかもしれないのです。それでも彼女はギャンブルのようなスナイパー銃を見事に扱って敵を屠っていき、ギリギリのタイミングでマスターランクへ到達しました。

そのプレイングと劇的な幕引きをみたリスナーからは興奮と祝福のコメントで大賑わい。ひなのさんも緊張感から解放されたことで涙声となりつつ、応援してきたファンに感謝の言葉をかけました。

この配信は彼女の配信アーカイブのなかでも上位の再生数を誇っており、彼女のハイライトとなる配信だと言えるでしょう。

【Apex Legends】aaaaaa【ぶいすぽっ!/橘ひなの】

前回紹介した英リサさんに続いて2日連続でのデビューということもあり、2人は非常に仲が良く、配信内だけではなくプライベートで遊ぶこともあるほど。何より、橘ひなのさんにとって英リサさんは「恩人」といっても過言ではないと言えます。

「(コメント:ぶいすぽっ!を辞めようと思ったことある?に対して)思ったときあるよ、辞めようと思ったことは全然ある。運営に相談までしてた。2020年の12月とか1月ごろ、それこそ芸人旅団ができる前かな。」

「全然知らない人ばっかりだし、別に行かなくても良いかな?と思ってた。でも、嫌々行った『Valheim』が思ったよりも面白くて、メンバーとすごく仲良くなった。芸人旅団がなかったら、リサちゃんが誘ってくれなかったら、あたしは辞めていたかもしれないです。」

この配信は2月25日にあり、ぶいすぽっ!の同僚であるリサさんと胡桃のあさんに加え、ヘンディーさん、白雪レイドさん、ギルさん、バーチャルゴリラさん、kamitoさんが集まりました。自身よりも経験豊富なメンバーと仲良くなれたことでひなのさんの運命が大きく変わっていくことになります。

このグループを通して出会ったkamitoさんとのコンビ「おれあぽ」(由来:お菓子の「オレオ」「アポロ」が2人の髪色と一致していることから)での活動は、2人がその後大きく羽ばたくことになるきっかけとなっていきました。

『Apex Legends』では頻繁に2人コンビで配信しており、長い期間をかけてジワジワと進めていった『It Takes Two』配信などで多数配信してきており、オタクカルチャーのなかで育ってきた男女2人による何気ない会話やゲーム上手な男女同士での協力プレイを見せてきました。

最初は会話もヨソヨソしかった2人が徐々に仲良くなり、時に声を荒げて文句を言い合い、時に諸手をあげて褒め合う、絶妙かつ良好な関係になっていきます。そんな2人の関係についてぶいすぽっ!の同僚や友人らが茶化し、初顔合わせとなる人との会話でも話題にあげられるほど。

数年前までは男女のVTuber/バーチャルタレント同士が積極的に絡むのを煙たがるムードも一部ありましたが、2人のコンビは仲睦まじいムードを常に感じさせてくれ、2人に多くのファンを生み出しました。

また自身にとって初の大型大会となった第5回CRカップでは、ニコニコ動画以来長きにわたって活動するらっだぁさん、元プロゲーマーでありゲームストリーマーとして活動しているSPYGEAさんという大先輩2人とともに「岩手県立ポッキー農業高校」として出場。

顔合わせとなった配信から大会配信に至るまで、プレッシャーが強くかかり過ぎないようにとひなのさんをイジり続ける2人と、持ち前の負けん気で食ってかかるひなのさんという構図がうまくできあがり、笑いの絶えない配信を送り続けていきました。

【Apex】CRカップスクリム ポキ農 チームキル合計16キル!初日から熱い戦いをみせる!!

2021年上半期に巡り合った2つの出会いは橘ひなのさんを大きくブレイクさせることになりました。

歌配信や歌ってみた/カバー動画では少しだけザラついた声色とクセのある歌い方が合わさった非凡なボーカリストとなってリスナーを魅了し、数少ない雑談配信ではリラックスした口調で「ネット経験豊富なメンター」のように淡々とリスナーに語り掛けていく。ゲーム配信での感情溢れる姿に留まらず、自身の多彩なタレントを活き活きと届け続けた2021年だったと言えるでしょう。

ダーリンダンス ( COVER ) / 橘ひなの
初めての恋が終わる時 ( COVER ) / 橘ひなの

ぶいすぽっ!内の公式企画や様々なストリーマー大会にも積極的に参加。その数は20前後を数え、ひと月以内に3つの大会や企画に参加することもあるほど。多くのカジュアル大会に参加し自分をアピールする場が増えていくことで、望外なほどに数多くのファンが彼女のもとに集っていくことに繋がりました。

先述の2021年振り返り雑談配信では、このように打ち明けています。

「ちょうど自分の一周年を過ぎたころは、メンタルがグチャグチャだったんよな。登録者数10万人を迎えたり、急にガっと人が増えすぎたり、忙しすぎてメンタルがすごいしんどかった。目に映るもの全てがイヤな時期だったし、今までの倍以上にコメントや視聴者が増えて、VTuberを辞めようと毎日のように思っていた。」

現在ではVTuber/バーチャルタレントをきっかけにし、プロチームに所属するプロゲーマーやゲーム配信者/ストリーマーに加え、YouTuberやテレビで活躍する芸能人といったインフルエンサーらも加わり、それまでの括りを飛び越え、ネットカルチャーに親和性のある方々ならば誰もがゲーム一つで繋がり合える特異で新しいシーンが形成されつつあります。

2021年において次世代Virtual eSportsプロジェクト「ぶいすぽっ!」を牽引したひなのさんは、一ノ瀬うるはさんや胡桃のあさんとともに「シーンの顔」になりえる存在へステップアップしたと言えるでしょう。

彼女が語るように、異常なスピード感で激変していく周囲環境に置かれれば、心身ともに疲弊していってしまいます。大きなブレイクを果しましたが、彼女はまだデビューからまだ2年ほどのストリーマー。メンタルや体力を大切にしながら、自分のペースで長く活動してほしいと願ってやみません。

「バーチャルタレント名鑑」過去記事はコチラ
《草野虹》
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