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ここまで快適な進行はかつてあっただろうか?『Horizon Forbidden West』は前作からより進化した誘導デザインだった【PS4版特集】

前作で完成したシステムをより磨き上げ、丁寧に作られたゲームという印象を受けました。

ソニー PS5
ここまで快適な進行はかつてあっただろうか?『Horizon Forbidden West』は前作からより進化した誘導デザインだった【PS4版特集】
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注意

本記事はシリーズ最新作のタイトルを取り扱うため、その内容にどうしても過去作含むネタバレが入ってしまいます。そのため事前情報は極力入れずにプレイしたい方は、この時点でブラウザバックすることを強くおすすめします。

『Horizon Forbidden West』とは?

本作は、2017年にPS4向けにリリースされた『Horizon Zero Dawn』の続編にあたります。舞台はかつての文明が滅んだ後の地球。人類は原始的な狩猟・農耕生活に逆戻りしており、大地には危険な機械獣が溢れています。

前作において主人公アーロイは、そんな厳しい世界を旅しながら自分の出自を知り、迫る人類破滅の危機を回避するために戦いました。今作はその戦いが終わった後から物語が始まります。

古代の爪痕が残る厳しくも美しい大自然のオープンワールド、アクション抜群の移動、手に汗握る機械獣との戦闘・部位破壊、探索による収集要素……などなど美味しい部分を挙げたらキリがありませんが、それら全部を丁寧にまとめあげて、手軽で遊びやすいプレイ体験として提供する素晴らしい作品でした。

今回、ありがたいことにPS4版での先行プレイの機会を頂きました。とはいえ既に詳細なプレイレポが別にあるので、本記事では本作の誘導などのガイド、マップ機能、インターフェースなどを中心に、前作からどのように進化したのかを見ていきたいと思います。

誘導

本シリーズは、ゲーム中のプレイヤーへの「誘導」が優れており、今作ではそれらがよりわかりやすいよう作り込まれています。またそれと同様に、画面内の情報密度はバランス良く整えられており、これも快適なプレイに繋がっていると感じます。

本編中、物語の進行に関わる特別なエリアを除き、オープンワールドを自由に冒険できるのが本作の強み。クエストを追いかけるも良し、機械獣の生態を眺めるも良し、はたまた登れそうな崖をロッククライミングしても良し……広大なマップを移動するのは、実際に旅をしているような気分にもなります。

とはいえ興味のままに行動していたら、いつの間にか本筋から外れて、脇道のタスクばかりをこなし続けていた……なんてこともしばしば。そんな自由すぎるが故に「何をすればよいのか」となる部分を、本作は複数のアプローチで「これができる」「あれもできる」と示しつつも、本筋に戻れるようガイドしてくれます。以下、項目ごとに紹介していきましょう。

プレイ画面

プレイヤーが操作中に見る画面はこちら。中央で小走りの主人公アーロイを取り囲むように、HUDと各アイコンが表示されています。

こうしたオープンワールドでは、あえていきあたりばったりに乱数要素(?)を楽しむのも最高ですが、ある程度は計画的に本筋であるストーリークエストを追いつつ、その道中にあるサイドクエストや、各タスクをこなしていきたいところ。本作はそのあたりを強制しない程度に、画面内に情報を並べ、プレイヤーが迷わないよう誘導します。

我々プレイヤーの視点は基本的にはアーロイの頭部周りに置かれ、カメラを上下左右に振ることによってその先の対象を見ます。その際、コンパスとクエスト詳細情報がちょうど視点周りに存在しているので、状況の確認がしやすいですね。

より細かく調整できるようになった操作設定

ところでプレイ画面、HUDに表示される情報は設定項目から、どのタイミングでどんな項目を表示するのかを調節できます。こういったシステムは前作の時点で完成しており、今作では目立った変化は特にありませんが、HUD内の各アイコンやゲージは比較的小さくまとめられています。ともあれゲームに慣れてきた頃のプレイヤーにとって、表示される情報の取捨選択は非常にありがたい機能ですね。

メニュー画面の変化

ちなみにメニュー画面の項目も同じで、左から右へと視点が進むよう情報がアニメーション表示されていく基本的なスタイルは変わりませんが、こちらもアイコンはやや小ぶりにまとめられているので、情報がより密に表示されるようになりました。ただし武器や装備などの映像を読み込むのに少し時間がかかります。

フィールド

強いて希望を述べるなら、いちいち立ち止まらずに走りながらアイテム回収とかしたかったですね……。

かつての時代の遺物と大自然が融合した特徴的なデザインのフィールドマップにおいて、人が通ってできた「道」は、最高の誘導と言えましょう。道に沿って歩くもよし、道を外れて草木をかき分けるもよしと、その移動ルートは自由です。

本作は、ちょっと歩いているだけで古代の遺跡や機械獣の群れ、さらには逆賊の拠点などといった周辺情報がコンパスやマップに次々と表示されるので、繰り返しになりますが、それら全てに手をのばすと、あっという間にメインクエストから外れてサイドタスクをはしごしていくことになります。

特に筆者は目的地に向かう途中、薬草や木材を収集するため道を外れたら機械獣を見つけ、ついでとばかりに資源アイテム剥ぎ取りに向かっているうちに気が付けばよくわからない場所を目指して崖を登っていました。

こういった地名は、言語設定によって表示も変化します。

そのため本作は、行動の自由は確保しつつも、本筋に関わる方向づけとして、基本的にストーリークエストの開始地点は、街や拠点などに設けられていることが多く、道に沿って移動すればほぼ必ずそういった人里にたどり着けるようになっています。

拠点にはストーリー以外にも様々なクエストや、武器や防具の購入の施設といったものがあり、また「保管庫」で荷物の整理もできます。話は脇道にそれますが……この保管庫、道中で集めた素材で持ちきれなかった分が自動的に保管されるという物凄く便利な機能でした。

地味な機能と思うなかれ……この保管庫のおかげで、前作で頭を悩ませたアイテム所持数の上限問題が見事に改善され、プレイヤーは探索で素材を取得するたびにいちいち荷物整理をしていたストレスから解放されたのです。

マップ機能

マップには、クエスト開始地点、未発見の場所、機械獣などについて、方角含む位置情報が次々と現れます。そんな魅惑溢れる脇道ストリートを正しく進むためにもマップ機能は是非とも使いたいところ。

周辺情報は大量に表示されますが、クエスト中であれば、目標地点までのルートがマップ上で優先的にセットされます。またその時、たとえば道中に片手間でこなせそうなタスクが存在していれば、経由地点としてルート上にセット表示することも可能。脇道に手は出しつつも、本筋に戻りやすいよう自分で設定できるのが強みですね。

お馴染みトールネックにオーバーライドすれば、周辺情報を一気に集めることができるのでそれも利用するとさらに計画的なルート設定ができたりと便利。

目の前には作業台までの歩数が、コンパス上には新しいクエスト目的地までの歩数が表示されています。

またコンパス上において、マーカーにアーロイの進行方向を重ねると、「〇〇に合う」「機械獣の群れ」などの情報が添えられ、「到着までの歩数」とともに表示されます。これらをあわせると各地点までの距離感をはっきりと読み取れるようになります。メインクエストへ向かう道中、そう遠くない距離に別のタスクがあるのでやってみよう、という判断はこういった機能のおかげでより効率的に行えますね。

便利になったファストトラベル

そんな中でファストトラベル機能は、前作と比べて使い勝手が良くなりました。拠点含むフィールドには、「焚き火」と呼ばれるセーブポイントが点在しており、それは同時にファストトラベルの行き先座標としても機能しています。

前作は、アイテム消費によってその機能を利用していましたが、本作は「焚き火」間であれば、アイテム不要で移動できるのでだいぶ便利に。特に今作は装備類のアップグレードは拠点のクラフト作業台でしか行えないため、必然的に足を運ぶ回数が増えます。

フィールドの任意の場所から焚き火へトラベルする場合は依然アイテムは必要になりますが、焚き火自体が割とあちこちに配置しているため、アイテム消費してまで行う頻度は低い感覚です。機械獣に騎乗できるようになると移動速度が大幅にあがりますしね。

フォーカス

本作の象徴的な機能の一つであるフォーカス。文明世界が崩壊する前に作られた、こめかみ装着型のウェアラブルデバイスで、スティックの押し込みで周辺情報をスキャンできます。

この機能はとても便利で、例えば移動中であれば周囲の資源アイテムを発見しやすくなり、索敵することだってできます。特に索敵は戦闘でも有用で、相手が機械獣であれば、彼ら(?)の移動ルートや各部位のハイライト、さらには取得可能なアイテムなど詳細を確認して、効率的に戦いを進めることができます。

個人的に前作から進化した部分でありがたかったのは、忙しい戦闘中でも対象を見誤らず的確に攻撃を加えられるという点で、部位を選択してハイライトできる機能でしたね。

他にもフォーカスは、探索中において「特殊ギミックによる通行可能箇所」「収集要素のデータログ」といったものをハイライトする機能があり、それ以外に前作から進化した点で、個人的にありがたいのは「足場」を表示してくれるようになったことです。

足場の悪い場所を渡ったり、崖を上ったりすることが多い本シリーズ。今作も移動可能な場所には基本的に、黄色く塗られた杭や縁などの人工物が用意されていることが多いのですが、フォーカスの「足場」表示のおかげで、移動できる場所とそうでない場所がより明確にハイライトされるようになりました。

特に感動したのは人工物が無いような切り立った場所でも、フォーカスを使えば、実は登れるのだと気づいて、上りきった先でレアな素材をゲットする……そういうことが可能なのです。

おわりに

操作の誘導とは少し異なりますが、ゲーム冒頭でとある味方キャラにフォーカスを渡す下りは、既に古代文明の真実をよく知っているアーロイ=シリーズ経験プレイヤーと、そうではない味方キャラ=新規プレイヤーという関係性を見せつつ、ゲームの世界観や基本概念などが説明がされるので、物語に引き込む自然な演出だったのが個人的に好印象でした。

またこれ以外にも、イベントシーン直後など進行の節目で、アーロイが独り言で「今はこういう状況で、これからはこうしなければ」「そういえばあそこに気になるものがあったな」という具合に状況をまとめてくれるのも、地味ながらもしっかり誘導を設けているのが素晴らしい本作。今回の執筆にあたり、開発チームはプレイ体験の細部に渡るまでプレイヤーの目線で作り込もうとしている、と改めて感じましたね。

ちなみに一番それを感じたのは、PS4コントローラーを机にコトッと置いた際に、自動的にメニュー画面が表示された時でした。どこまでプレイヤー目線なんだこの開発は!?と瞠目してしまいましたよ……!なお最初は信じられず「いやいやどうせこれ私のPS4がちょっとくたびれてるから、たまたま反応しちゃっただけなんでしょう?」と何度かコトコトしたのですが、やっぱりメニュー画面が表示されました。

ともすれば、演出したいことや新しい技術のお披露目が優先された結果、それまでに築いてきたシステムの良い土台をぶち壊してしまう……なんてこともあり得るのに、今作は、前作で完成させたものをさらに洗練させようと、より丁寧な作り込みをしています。


《麦秋》
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