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宇宙から飛来したパッションガール「小森めと」の溢れんばかりな魅力とは【バーチャルタレント名鑑】

今回紹介するのは、スクリーンから突き抜けていきそうなほど「パッション・ガール」小森めとさんです

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宇宙から飛来したパッションガール「小森めと」の溢れんばかりな魅力とは【バーチャルタレント名鑑】
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様々なバーチャルタレント事務所が次々に発足し、着実にその裾野を広げ続けているバーチャルタレント(VTuber)シーン。牽引する二大事務所に注目が集まるなかにあって、数年来に渡って活躍を続けるタレントも非常に多い。この連載コラム「バーチャルタレント名鑑」では、様々なカルチャーシーンで奮闘を続けるバーチャルタレント(VTuber)一人一人にスポットライトを当て、これまでの軌跡とこれからの望見について書いていきます。今回紹介するのは、スクリーンから突き抜けてきそうなほどのパッション・ガール小森めとさんです。

「宇宙から飛来した引きこもりニート」である小森めとさんは、2020年5月30日に774inc.の運営するブイアパでデビューを果たしました。以前に紹介した杏戸ゆげさんの後輩にあたり、デビューしてから1年半ほどしか経っていないですが、YouTube登録者数は20万人を突破しました。今回はそんな彼女の魅力を追いかけてみたいと思います。

2020年5月末のデビュー日に初配信を終えると、同日にデビューした不磨わっとさんとコンビを組み人気FPSゲーム『Apex Legends』をプレイ。初配信を終えて初のゲーム配信というと緊張感も計り知れないところ、視聴者が驚いたのは彼女の腕前でした。彼女のランクがダイヤランク、安定したエイムと立ち回りを見せつつ、2人は和気あいあいとした会話で視聴者を笑わせ続けました。

『Apex Legends』の腕前を買われ、3か月後となる2020年8月に開催されるカジュアル大会「VTuber最協決定戦 ver.APEX LEGENDS」に出場するために、日ノ隈らんさんと白雪レイドさんとともに出場。約1週間近い練習配信、大会用スクリムマッチやそれ以外の練習にも時間を費やしつつも、上位に食い込むことができず、悔し涙を流す彼女の姿がありました。

その数日後ともに戦ったレイドさんに、スクリムマッチを通して印象的な活躍を披露していたぶいすぽっ!の一ノ瀬うるはさんを加え、3人コラボで『Apex Legends』を配信する彼女。この出会いは、小森めとさんを含めて3人がその後に大きく飛躍するきっかけとなりました。

デビューしてわずか数か月でカジュアル大会に出場し、結果を残せずに涙を流す。この流れをみれば彼女が負けず嫌いということが十二分に伝わってきます。白雪さん、一ノ瀬さんも同じように負けず嫌いであり、プレイスキルの向上・ゲームへの意欲は非常に旺盛、3人のウマが合うのも必然でした。

その後彼ら3人で頻繁に活動していくようになり、元プロゲーマー/ストリーマー/プレイ動画投稿者でもあるうるかさん、Ak1toさん、ゆふなさんに3人はそれぞれ師事し、「Apex Legendsでのマスターランクを達成」が一つの目標になっていくことになりました。

そんな3人ですが、各々の性格はもちろんバラバラです。レイドさんは物腰柔らかい口調で周囲や2人のテンションを見極めて会話を回し、うるはさんはダウナー気味なテンションながらもヒネた視点で会話を盛り上げるのが得意なタイプ。テンションや声のトーンの浮き沈みが激しく、2人に声をかけ続けて盛り上がようとする小森さんが、徐々にイジられ役・ボケ役へと収まっていくようになります。

とはいえ、3人のトークはこのような簡単な図式に収まるようなものではありません。ゲームプレイや会話の最中で何かしらのミスが起きると即座に「おまえトロールだろ!(オンラインゲーム上での迷惑行為のこと)」と冗談にして言い詰めていく流れが生まれたり、明らかなミス・アクシデントと出くわすと3人全員が笑い合い、イジられ役な小森さんがハネっ返るように相手を煽りだせば、負けず嫌いな2人が意地を張って言葉にノってしまうというように、どんなキッカケからでも笑わせてくれるようなムードが生まれました。

確実に腐っている食物を摂取しながら極論を展開する小森めとと一ノ瀬うるは【切り抜き / 名言集】
押しつけがましい小森、容赦ない一ノ瀬、かわいそうな俺【BIG★STAR / APEX】

最初はお互いの呼ぶことも恥じらっていたなかで、自然とボケとツッコミとイジりの関係性が生まれ、ゲームプレイだけでなくトークのなかからでも「何か面白いことが起きるかもしれない」と期待させてくれるほどの名物トリオになっていきます。時には配信外でドッキリを仕掛けて小森さんを泣かせてしまったり、一ノ瀬さんと小森さんが共に食事に行くに仲良くなっていきます。

こうしたなか「3人のコラボ名を決めてほしい!」とファンのコメントが相次ぎます。コラボ名がハッキリと決まるきっかけになったのは、やはり『Apex Legends』でした。Season7へと更新された際に搭載されたクラブ作成機能を使い、3人のクラブを作る流れに。そこで銘打たれたのが「BIG☆STAR」でした。

以前から小森さんがノリで思いついたものの、その後3人ともに「恥ずかしい」といって名を出すことも憚られるようになりますが、クラブ制作時に白雪さんがエンブレムマークを作り始め、最後はやはりノリと勢いで最終決定されました。

【APEX LEGENDS】シーズン7 Im ready【小森めと / ブイアパ】(17:20からクラブ結成を持ち掛けます)

そんな3人にとって1つの結果となったのが、2021年1月24日に開催された大会「VTuber最協決定戦 ver.APEX LEGENDS Season2」でした。培ったチームワークと向上したスキルを活かし、大会では3位となりました。前回大会よりも高順位で終え、小森さんは悔しさを滲ませながら、清々しく力を出し切れたように見えました。

こうして生まれ、多くのリスナーに注目されたユーザーID「BIG_〇〇〇_STAR」は彼ら3人のファンらが数多く使用し、俗に「BIG族」という愛称として知られていくようになりました。その影響力は計り知れません。

その後、彼女は白雪さん・うるはさんや774inc.内のタレントらだけに留まらず、より多くの方々との絡みが見られるようになりました。まさのりch.さん、アリサカさんとの3人コラボ「SEM」はイジられキャラな小森さんがとことんイジられ続けるという組み合わせであり、にじさんじの叶さんにBIG☆STARの3人が絡んだ「吟遊四人」では、立ち回りとトーク力に冴えのある叶さんに終始翻弄されつづける姿が見られます。

SEMではダメージが一番低かったらハエになってしまうらしい【Apex/エーペックス】
負けたら語尾"にゃん"の地獄の罰ゲーム企画を始めてしまったSEM【Apex/エーペックス】

デビューから1年経つ頃にはより元気に振る舞えるようになったことも影響し、ゲーム中のミスや苛立ちが溜まりに溜まると暴言&台パンすることもままあり、1年を通してイジられつづけた結果かコラボ相手はおろかリスナーからも軽口を飛ばされ、コメント欄とのプロレスらしく煽り合いを始めてしまうなど、やんちゃかつパッション溢れる配信でファンに愛されています。

そんな彼女は、12月10日に自身の誕生日を祝うソロ公演『小森めと生誕祭 ~ニートなりのぶどうかん公演~』を開催。1時間50分ほどの公演では、「VTuber界イチの体張りになりたい!」と称し、様々なネタに体当たりで挑戦していくことに。公演を見ていた友人らが次々と「いま僕らはなにを見せられているんだ?」「アイドルかと思ったらおっさんでてきた」「1人でバラエティ番組やってる」とツイートされてしまうほど。

ですが、小森さんは「これはずっと前からやりたかったことなの!」と元気よく、まさに自分を突き詰めるようにトライし続け、終始笑顔でイベントを進めていきました。

さらに、普段の配信ではほとんど見せることのない歌も披露。ナユタン星人、BiSH、ずっと真夜中でいいのに。などを歌い、最後の曲には初公開となるオリジナル曲「ニート・イート・ミート」でイベントを締めました。ここまでの約1年半近い自身の活動を総括するような、そんな誕生日配信というイベントとなりました。

なにかの折に触れ、一言口を挟まないと納得しようとしない振る舞いを時折見せる彼女。そこからは自身のなかに「自分の理想像」「未来への予感」が満ち満ちている、そんな風に見て取れます。パっと花開くように声をあげ、豊かな色彩となって観るものを惹きつけたかと思えば、雑談配信中にはコラボ配信からは一段落ち着いたトーンでリスナーと会話し、肩を震わせるように笑う。

興奮、悲しみ、喜び、それらを隠すことなく届けるその在り方のまま、2022年以降に彼女がどのような表情を見せてくれるのか、期待は大きくなるばかりです。



《草野虹》

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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