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『ENDER LILIES』少女と黒騎士が辿る“滅びの物語”を、良質なメトロイドヴァニアが彩る!充実のマップ機能に極短ロードなど快適性も抜群【プレイレポ】

少女と黒衣の騎士による、終わった世界を旅する『ENDER LILIES(エンダーリリーズ)』。歯応えのあるメトロイドヴァニアと、ストレスフリーなゲームシステムが、魅力的なプレイ体験を提供してくれます。

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複数の注目作や人気作が一時期に集中する、というのはよくある話。ゲーム業界でも、年末商戦や年度末のタイトルラッシュはすっかりお馴染みと言えます。

この6月~7月も多数の人気作が頻出しており、時間が足りなくて嬉しい悲鳴を上げている方も多いことでしょう。これはゲーマーにとって幸せな状況ですが、リリースされるタイトルを追い切れず、見逃してしまう可能性もあります。

タイトルの存在を知らなければ、遊ぶかどうか判断することすらできません。そして、こうしてラッシュに埋もれてしまい、後日「隠れた名作」と呼ばれることになる作品も少なからず存在します。

後々評価されるだけ救われているかもしれませんが、やはりリリース直後からしっかりと評価されて欲しいもの。そこで、この時期のラッシュに埋もれず、ぜひ広く知られて欲しいタイトルとして、今回『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』(以下、ENDER LILIES)のプレイレポートをお届けします。

『ENDER LILIES』は、ニンテンドースイッチとPC(Steam)向けにリリースされた2DアクションRPGで、いわゆるメトロイドヴァニア要素が色濃い作品。このジャンルが好きな方はもちろん、歯応えのあるアクションゲームを求めているユーザーにもオススメできる、6月でも指折りの良作だと個人的に実感しています。

その魅力を語り始めると長くなりますが、物語や作品世界、そしてゲーム性に絞り、この『ENDER LILIES』の特徴へと迫ります。なお、今回プレイしたのはニンテンドースイッチ版です。

■終わった人々の物語を拾い集める少女リリィの旅路が、悲しくも美しく彩られる

画面を見るとまず伝わってくるのが、美しく描かれた世界。芸術は細部に宿ると言われますが、キャラクター描写や背景、光と影の取り入れ方まで、その全てがきめ細やかに描かれています。

ただし、本作の世界は陰鬱としており、生きる者の気配が極限まで感じられない荒涼とした風景がほとんど。退廃と死を彩るダークファンタジーは、どこか絵画にも通じるような印象を受けます。そして綺麗とは真逆のはずの世界を、本作は驚くほど美しい描写とセンスで表現しました。

『ENDER LILIES』の世界がなぜ荒廃しているのかといえば、舞台となる王国が既に滅んでいるため。「死の雨」によって、生きとし生けるものが狂暴な生きる屍──穢者(けもの)──へと変貌してしまい、王国は無惨にも滅びの道を辿りました。

そんな過酷な世界の片隅で、ひとりの少女「リリィ」が目覚めます。そして、記憶を失った彼女を助ける黒衣の騎士と共に、この王国に何があったのかを辿りつつ、生の輝きが失せた世界へ足を踏み出すのです。

彼女たちの行く手に立ちはだかるのは、今もまだ蠢き続けている「穢者(けもの)」。穢れの狂気に侵されているため、容赦なくリリィに襲いかかってきますが、ただの「敵」だけで終わらないのが『ENDER LILIES』の魅力のひとつ。

道中の中ボスや展開の節目で待つボスは、彼らのバックボーンが見え隠れし、「穢者」になった経緯の前後や、どのような想いを抱いて生きていたのか、生前の様子がピンポイントながらしっかりと描かれているのです。

例えば、最序盤で戦う「シーグリッド」は、鉄球を振り回す恐るべき相手。しかし生前の彼女は、穢れを浄化できる「白巫女」に仕える「守り人」になりたかったものの、その役目に選ばれなかったという過去を持っていました。

挫折した彼女の支えになったのは、いずれ白巫女になると言われていたリリィ。シーグリッドは、この幼い少女を守るため聖堂の奥へと匿い、自分はひとりで敵へ立ち向かいました。ですが、その戦いは終わることがなく、狂気へと蝕まれた末に、ゲーム内でリリィと戦うという皮肉な顛末を迎えます。

しかも、シーグリッドと戦う場所は聖堂の中。狂気に囚われる最後の瞬間までリリィを守るために戦い続けていたことが窺え、その心境と今の現実を重ねると、切ないものが胸をよぎるばかり。

こうした「終わってしまった人たちの物語」を通して、この国に何が起こり、どうしてこうなったのかが紡がれていき、その積み重なりが『ENDER LILIES』の大きな物語を形作っていきます。

ゲーム内でリリィが出会うのは、人の姿を失った穢者たち。彼ら彼女らの人生は幕を閉じており、今はもう痕跡を辿ることしかできません。共に歩む黒衣の騎士ですら、不死の契約に縛れており、穢者に近い存在。せめてリリィだけでも救いたいという黒衣の騎士の願いは、プレイヤーの心境とも合致し、この物語を没入感たっぷりに味わわせてくれます。

既に滅び、過ぎ去った時間だけが横たわるこの世界で、どのような可能性や希望が残っているのか。優れたビジュアルや音楽に力強く支えられ、アクションゲームながら良質な物語を提供してます。

■快適な操作性と至れり尽くせりのシステムに支えられた、良質なメトロイドヴァニア─もちろんゲームバランスは骨太!

世界観や物語なども魅力ある作品ですが、ゲーム性も同等以上に大事な要素です。本作では、リリィを操作して広大なマップを移動します。動きのレスポンスは良く、アクションのひとつひとつも機敏。少女のモーションもかなり凝っているので、その見た目でも楽しませてくれます。

敵への攻撃は、セットしたスキルを発動する形で行います。黒衣の騎士も、ゲームシステム上ではスキルという扱いで戦闘に参加。この黒衣の騎士は、クールタイムや使用回数の制限なしで使用できる、いわゆる“通常攻撃”に当てはまります。

ちなみにスキルは、黒衣の騎士だけではありません。ボスや中ボスに勝つことで倒した穢者の力が使えるようになり、その力がスキルとして手に入ります。黒衣の騎士は振りが早いという特徴を持ちますが、遅いけども威力が高かったり、タメ攻撃が可能なスキルなど複数あり、使い分けを考えるのも楽しいポイントです。

また、一度発動するとクールタイムがあり、使用回数も決められているスキルが数多く存在します。前述のシーグリッドの場合は、鉄球を振り回して周囲の敵にダメージを与えるというスキルに。このほかにも、遠距離攻撃や範囲攻撃、カウンターに自動攻撃など、その種類は多岐にわたります。

そして、スキルと共に冒険を助けてくれるのが、レリックの存在です。これは、自動的に効果が発動するパッシブ装備で、最大HPの増加や被ダメージの減少、回避をパリィに切り替えるなど、こちらも様々な効果があります。

リリィの機敏なアクションをベースに、複数の通常攻撃を使い分け、局面に応じて様々なスキルやレリックを駆使する。これが、『ENDER LILIES』におけるアクションの基本。装備とレリックの組み合わせを試行錯誤し、強敵・難所を突破する醍醐味を、しっかりと楽しませてくれます。

続いては、本作が持つメトロイドヴァニア的な要素に迫りたいと思います。メトロイドヴァニアについて明確な定義はありませんが、同系統の作品に多く見られる「横スクロールの2Dアクション」「部屋とその繋がりで構成された広大なマップ」「成長要素がある」「探索要素が大きい」など、主だったポイントは本作にも導入されています。

また、特に昨今のメトロイドヴァニア系では、「拠点で体力などが回復」「道中の回復が回数制限」「倒した雑魚敵は、拠点で休むと復活する」「全体的に難易度が高い」といった、ソウル系のシステムを踏襲するケースが増えました。

こうしたソウル系要素も取り入れている『ENDER LILIES』ですが、その上でハッキリとお伝えしたいポイントがいくつもあります。まず、ソウル系要素の「死ぬとその地点にリソースを残し、回収しにいく必要がある」といったリスタート方式は採用しておらず、死んでも一切のデメリットが発生しません。

しかも、死ぬまでに獲得したアイテムや経験値を持ったままリスタートできるので、それまでの頑張りも無にならないと、嬉しいことづくめ。敵にやられがちなエリアでも、繰り返して挑むことで、レベルアップも望めます。また、死んでリスタートする際にロードを挟まないので、気持ちが途切れずそのままプレイできるのも評価すべき点です。

ロードについては、リスタート時のみならず、全般的にかなり短め。部屋と部屋を移動する時もスムーズですし、スキル・レリックの変更やメニュー画面の開閉でもたつくことも一切なし。

プレイ中に最も長いロード時間は、拠点から拠点に移動できるファストトラベル。といっても、ファストトラベルを実行してから再操作できるまで、わずか5秒前後。しかもこれは、移動演出(馬車で移動)を含めた時間で、ロード画面が出ている時間自体はわずか1秒程度です。

また、ゲームシステム面でもうひとつ特筆したいポイントとして、マップ画面があります。探索要素が色濃いメトロイドヴァニアをプレイする場合、マップ画面は攻略を左右する重要な存在ですが、『ENDER LILIES』のマップ画面はかなり行き届いているのです。

本作のマップ画面は、部屋と部屋の繋がりを網羅しているだけでなく、部屋ごとに探索状況を明示。まだ探索しきれていない部屋と、全て終えた部屋が色分けで区別されているので、“見つかるものがない部屋を延々調べる”といったプレイ上の空振りを一切省くことができます。

さらに、まだ通ってない未開ルートも明記されており、探索する候補先も一目で分かります。本作は、特定のスキルを手に入れることで進める場所も多く、その時に「どこに行けばいいんだっけ?」と記憶を探る必要がなく、マップ画面を見るだけで済むのは本当に助かります。こうしたマップ画面のサポートのありがたみは、メトロイドヴァニア好きの方ほど分かってくれることと思います。

快適な操作性とスキル・レリックの組み合わせによる攻略が楽しく、メトロイドヴァニアの基本を押さえ、リスタートもしやすく、ロードの煩わしさもほとんどなし。マップ画面のサポートも心強く、ゲームシステムの面では「ほぼストレスなし!」と声高に主張したいほど、まさに至れり尽くせりです。近年のメトロイドヴァニア系の中でも、屈指の遊びやすさだと個人的に感じました。

ですが、遊びやすさと歯応えはまた別の話。ゲームバランスは決して易しくはなく、的確な判断とそれを実行できるテクニック、アイテムを見つける観察眼や推察力、手強いボスでも折れない心などが求められます。

といってもこれは、ゲームとして十分やり甲斐があるという話に過ぎず、必要以上に恐れることはありません。ソウル要素のあるメトロイドヴァニアという観点で見ると、システム面の良好さもあり、個人的にはむしろ遊びやすい部類だと感じました。総じて、広くお勧めできる1作です。


グラフィックや音楽も含めて良質な世界観と物語を描き、遊びやすいシステムと歯応えのあるバランスが探索とバトルを大いに盛り上げてくれる『ENDER LILIES』。全体的に高いレベルでまとまっている上に独自性も感じられ、見逃すには本当に惜しいタイトルです。少女と黒衣の騎士が辿る旅は、きっと忘れられない思い出が残ることでしょう。

《臥待 弦》

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