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地味になったり派手になったり…『あつまれ どうぶつの森』で釣れる「ウグイ」ってどんな魚?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

『あつまれ どうぶつの森』に登場する生き物を、生物ライターが解説!第42回は「ウグイ」です。

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地味になったり派手になったり…『あつまれ どうぶつの森』で釣れる「ウグイ」ってどんな魚?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
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※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!
『あつまれ どうぶつの森(※以下、あつ森』)』では「つりざお」系のアイテムを水辺で使用することでいろいろな魚を釣り上げることができます。

ところで釣りといえば、わずかでも『あつ森』での釣りにトライしたプレイヤーなら誰もが「この魚」を一度は手にするのではないでしょうか。


ウグイっ!!
作中でも「なんか、マイナー?」と失礼な言い草を食らっていますが、おっしゃる通り!数ある淡水魚の中でも、コイやフナ、メダカあたりと比べるといくらか知名度が落ちる魚です。

▲群れて泳ぐことの多い魚です。

とはいえ、ウグイは北海道から本州、四国、九州にかけて広く分布するコイ科の魚です。
人里を流れる川にも多く出現することから、実は日本の人々が触れる機会の多い魚でもあります。マイナーとは言わず、準メジャーくらいの魚と思っておいていいのではないでしょうか。

▲ゲーム内では一年中いつでも釣れてくれる気の利くやつです。うんざりするやつとも言います。

婚姻色が美しい!


その「身近さ」は『あつ森』内でも再現されており、川でつりざおを伸ばせば時期を選ばず頻繁に釣れてくれます。

ところで、釣れたウグイをディスプレイ上でよく観察してみるとオレンジ色のラインがボディに走る、なかなか美しい魚であることがわかります。
こんなにキレイな魚なら、リアルでももっと目立ちそうなものですよね?


実はこれ、いわゆる「婚姻色」というもので、春から初夏にかけての繁殖期にのみ身に纏うとびきりのお洒落着なのです。恋をするとキレイになる、というやつでしょうか?コイ科だけに。

なお、『あつ森』では釣った季節にかかわらず常にこの姿。年中繁殖期とは、あつ森ワールドのウグイはお盛んですね。


では繁殖期以外のウグイは本来どんな色なのかというと、実に奥ゆかしい銀色をしています。
これはこれで日本さんの淡水魚らしい渋さがあって素敵だと思いますが、たしかにゲームのグラフィックにするには没個性かもしれませんね。

▲婚姻色の出ていないウグイ。う~ん、地味!

…そういえば、上の写真を見て何か気づくことはありませんか?
そう!背景が海ですよね!
ウグイはコイ科の魚にしては珍しく、海と川を行ったり来たりする生活を送ります。『あつ森』内では川でしか釣れることはありませんが、現実世界ではアジを釣っていたらウグイが…ということがたまに起こります。

▲大型のウグイの仲間であるマルタウグイ(単にマルタとも)の婚姻色。オレンジと黒の晴れ着姿がウグイ一族の証です。

釣りエサとしての利用も


なお、ウグイは食べられますが味わいは可もなく不可もなし。同じ川魚でもマスやアユ、ワカサギには味でかないません。ゆえに食用魚として取引されることはほとんどないのです。
そんな面を反映してか『あつ森』内でも売値は240ベルとかなりお安め…。


しかし、ウグイにだって利用法はあります。
海でも川でも元気に泳ぐ特性を利用し、スズキなどの大型魚を釣るための生きエサとして「銀白(ギンパク)」とか「銀兵(ギンペイ)」という名で販売されているのです。

うーん、エサかぁ…。なかなか損な役回りですが、そういう非花形なポジションもウグイっぽいといえばウグイっぽいような…?

『あつ森』博物誌バックナンバー


■著者紹介:平坂寛

Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。


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