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【特集】体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」鼎談─第2回「マダミス制作で抑えておきたいポイント、初心者におすすめ作品とは?」

Rabbithole(ラビットホール)オーナーの酒井りゅうのすけ氏、コンサルタントの久保よしや氏、ゲームクリエイターの佐藤倫氏の対談、第2回です!

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左から酒井りゅうのすけ氏、佐藤倫氏、久保よしや氏

いま話題の体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」。プレイヤーは殺人事件に関わる人物のひとりとなり、事件当日の行動や人物背景などが書かれたキャラクターシートなどをもとに、犯人当てを行います。また、各シナリオは一度体験するとすべての真実が明らかになるため、一生に一度しかプレイできないことも特徴です。

▼鼎談者プロフィール
酒井りゅうのすけ:マーダーミステリー専門店「ラビットホール」オーナー。「双子島神楽歌-ハルカゲカグラウタ-」を制作し、ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」を経営。
佐藤倫:HNは「じゃんきち」。福岡にある「人狼ヴィレッジ」店長で、「パンドラの人狼」などのコンテンツを作る。マーダーミステリーでは「ランドルフ・ローレンスの追憶」制作。
久保よしや:店舗コンサルタント、GM(ゲームマスター)をはじめ、さまざまなエンターテインメントに携わる。「ヤノハのフタリ」というマーダーミステリーを制作。

今回は、マーダーミステリー業界のトップランナーである3名に対談を実施し、全3回の連載でお届けします。第2回は、現在マーダーミステリーを作られている方々に向けたアドバイス、そして初心者におすすめの作品などについてお話いただきました。

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マーダーミステリーを広げるために必要なことは?


──マーダーミステリーの面白さについて伺ってきましたが、よりエンターテインメントとして広めていくためには、どのような取り組みが必要だと思いますか?

久保よしや(以下、久保)私はインフルエンサーの獲得とファン化、キラーコンテンツが出てくること、ゲームやアニメIPとのタイアップ、そしてYouTubeやニコニコ動画でのメディア化。これらが今後のマーダーミステリーが手を打てる範囲だと思います。

合わせてケアしていく問題としては、演技する・嘘を付くという参加障壁の高さに配慮すること、GM(ゲームマスター)やシナリオによるムラがあるので、ラビットホールを始めとして面白さが担保されている施設の打ち出しも必要です。店舗については予約が取りづらいという課題もあるので、公演の予約に関する仕組みを構築しないといけません。公演されるシナリオについては作り手が少なく、みなさん最初の状態なのでレベルアップも必要ですね。

酒井りゅうのすけ(以下、酒井)あと、ボードゲームカフェをやってきた目線から言うと、マーダーミステリーでは最終盤面(ゲームが終わった時)の写真にネタバレが含まれるので撮れません。これは意外とクリティカルで大きな問題だと思っています。


ボードゲームカフェが増えた時、起点になったボードゲームのひとつに「枯山水」という庭園を作るゲームがありました。このゲームが終わった際、カフェのスタッフは全員「素敵なお庭ですね!ぜひお写真を撮ったほうがいいですよ!」と声がけをしていたんですね。すると、「俺の庭作った!」みたいな投稿がFacebookに突然あがる。まったくボードゲームに意識がない人から「これなに?」というレスがつく。すると投稿者は承認欲求が満たされて、「教えてあげるよ!ボードゲームっていうめっちゃ面白いものがあって……」と次のリピートにつながるんです。

こうしたフックになる絵作りがマーダーミステリーにはまだありません。現状あるのは、みんなでキャラクターシートを持って写真を撮るという構図の記念写真がほとんどです。何かフォトジェニックな盤面によって、参加者たちが作品世界を体験して面白かったという状態を共有できる必要があると思っています。例えば、館もののマーダーミステリーだったらミニチュアの館を作っちゃうなど。

久保そうした問題をケアするために、先日マダミ新年会をやったんですよね。このイベントでは、自分のキャラクターシートをSNSにあげてもいいことにしたので、体験を共有しやすいかなと。

酒井プレイしたことを口コミしてくれる人はたくさんいるのですが、フォロワーの反応が弱いので、もっとリアクションしたくなるようなものを渡してあげないといけません。強く面白さを伝えてくれるインフルエンサーもいるのですが、フックが弱すぎるからフォロワーたちが反応できていない。だから、リアクションを喚起できる写真と、それを面白くするための仕掛けが必要だなと思っています。

久保そういう意味でいうと、佐藤さんの作品(「ランドルフ・ローレンスの追憶」)って何にも映えないよね(笑)。

酒井それがないのにこうした話題ができているのはすごいと思う(笑)。

久保終わったあとの行動って、物語体験をした100%の状態だと行わないと思うんですよね。「楽しかった、はぁ帰ろう」じゃなくて「楽しかった、もっと他の人たちもやってほしい」っていう、120%の満足度が出た時に、Twitterでつぶやいたり、こんな作品ができたよっていうプレミア感が得られる。だから、終わったあとの演出も今後していく必要があって、そのひとつがビジュアル映えだったり伝えやすいアイコン的なものになるとは思います。

酒井僕らはまだなしえていませんが、マーダーミステリー先進国の中国の専門店では専用のフォトブースが用意されています。脱出ゲームの公演をされているSCRAPさんでも、終わったあとにここで写真を撮ってくださいというスペースがしっかりある。とりあえず自発的に写真を撮れる場所を設けつつ、120%の満足度を提供してく必要がありますね。

佐藤倫(以下、佐藤)現状では、Twitterなどでなんとか言語化しないといけないため、がんばって絞り出している状況ですよね。ちなみに「ランドルフ・ローレンスの追憶」では、120%の満足度になるように「まだくるのか!」の波状攻撃を用意しています。

久保私は口コミでの広がりも含めて、「ランドルフ・ローレンスの追憶」は、映画「君の名は」に近いと思いました。「あ、終わった……」と思ったら「終わってないんかい!」みたいなところが(笑)。

マーダーミステリーのクリエイターに向けたアドバイス


──久保さんはマーダーミステリーを作られている方とのコミュニケーションも多く取られていますよね。
久保はい。私はマーダーミステリーのテストプレイにたくさん参加しています。最近では、「場所代や参加費を全部(私が)出してテストプレイを実施する」という企画をやっているんです(笑)。ちなみに、制作者にはテストプレイでお金をとるようにお願いしています。タダだとその金額に対して面白さが数値化できないので。

──マーダーミステリーのクリエイターの方々に向けたアドバイスはありますか?

久保マーダーミステリーはまだ作り始められたばかりなので、これまで作られてきたものも面白いけれど、その定義に縛られる必要はないと言っています。マーダーミステリーの定番の流れは、情報カード(事件に関する情報)が配られて、キャラクターシートを読み込んで、犯人当てと個人ミッションの達成を目指す。これがマストではなくて、もっとイマーシブ(体験型劇場作品)や謎解き、人狼的なものでもいいと思います。定義に縛られないで、当たり前を疑ったところに気づきがあると思うので。

こうした気づきのことを、私は「死角から殴る」と言っています。システム的に進んでいくものは予定調和でダラダラしますが、例えばランドルフでは常に死角からボコボコ殴られるから面白い。


佐藤私はマーダーミステリーを作ろうとしたのではなくて、一番ゲームとして面白いものを作ることだけに徹底して作りました。遊んだ人たちの楽しさを最大化することがゲームを作る人の絶対の目標なので、達成するために何が必要かを考えてもらいたいですね。私はたまたまランドルフの形でしたが、人によってそれは違うので、自分が考える「参加者の楽しみ」を最大化できるものを作るのが良いのではと思います。

──物語メディアとしてもマーダーミステリーは新しい立ち位置のエンターテインメントですよね。

酒井マーダーミステリーって、ゲーム要素もありつつストーリー要素もあるので、どちらかに極端に寄せていくと別のエンタメになると思っています。そして、僕は物語を体験させるツールとしてマーダーミステリーは優れていると思っていて、この体験価値は映画や小説では得られないものかなと。

そのため、各プレイヤーさんにどんな体験をしてもらいたいのかを考えるのがいいと思います。こんな物語を伝えたい、そのためにはこの10人のキャラクターが必要だ──これだけのアプローチでは映画や小説で満たされてしまうんですよね。しかし、その10人のキャラクターが個別のプレイヤーになった時、それぞれ異なる体験を想定するような物語がやりたいのであれば、マーダーミステリーが最適解だと思っています。

佐藤映画の一番つまらないポイントって、観る人がそこにいなくても流せることです。でもマーダーミステリーは、本人がそこにいてしゃべらないと動かないというのが面白いポイントですよね。あなたがそこに居なければならない。私はそこが好きです。

酒井ただ、映画は作品が自分に合わないとか、怖いとか思ったら止められるのですが、マーダーミステリーは逃げられない。そのため、あなたの作品が面白くなかったらそのまま2時間耐えないといけないので、面白く作らないとやばいですよとはお伝えしたいです(笑)。

久保あとは、各シナリオは1回しかできないから、ある程度クオリティが担保されたものを世に出すようにしてほしいですね。


佐藤いまマーダーミステリー業界において、シナリオの淘汰がほとんど起こっていないのはよくないですよね。需要に対して供給が追いついていない状態なんです。


酒井黎明期なので、そもそもタイトル数も少ないんですよね。日本語で仕上がっているもので150ないぐらい。そのなかでみんながアクセスできる本数は40~50ぐらいという状態なので、面白い・面白くない関係なく全部プレイできてしまうんです。

佐藤だから、あまり評判が良くないシナリオでも募集すればある程度開催できてしまう。

久保映画だったら1回あたり1800円で、1時間半~2時間じゃないですか。だからあまり面白くなくてもリスクが少なく、別のものを観ればいい。でも、マーダーミステリーの場合、3500円払って10人ぐらいでプレイして、面白くなくて嫌な気持ちになった場合、もう次やらなくなってしまうんですよね。どのコミュニティでもユーザーや作品は淘汰されていくのであまり気にしてはいませんが、現状1本目に何をやるかは大事ですよね。

マーダーミステリー初心者向け!最初にプレイすべきおすすめ作品とは?
《カミヤマ》

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