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ゲーム運営の新しい考え方「LiveOps」に迫るセミナーレポートーMicrosoft Azure 「PlayFab」のコンセプトと国内での動向を本国マネージャーに訊く

Microsoft Azure PlayFabにまつわるセミナーが、日本マイクロソフトにて開催。「LiveOps」というゲーム運営に対する新しい考え方に迫るセミナーの模様を、レポートとインタビューでお届けします。

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2019年7月3日、「"LiveOps"とは!? ゲーム運営の新しい考え方を学ぼう」と題したMicrosoft Azure PlayFabのセミナーが、日本マイクロソフトで開催されました。LiveOpsは、ユーザーのニーズを正確にキャッチし、これを踏まえて発売後もゲームの要素を変化させるというゲーム運営の新しいコンセプトです。

セミナーではLiveOpsを容易に実現するPlayFabの機能紹介や、Unity内で実際に使用するまでの手順が紹介されました。また、Gamebusiness.jpでは、セミナーに併せてMicrosoft PlayFab Head of Developer Successブレンダン・ヴァノス氏、Microsoft PlayFab Partner Engagement Managerネイサン・シム氏にインタビューを行いました。

◆「PlayFab」開発陣インタビュー


――本日はよろしくお願いいたします。自己紹介をお願いします。

ブレンダン:PlayFabのデベロッパーサクセスを担当しているブレンダンです。普段はデベロッパーのコミュニティ管理を担当しており、「彼らがきちんとPlayFabを使えているか?きちんと成功できるか?」というところを見ています。もともと私自身も1996年から8年間ゲームデベロッパーとして活動していて、マイクロソフトに入社してからはXbox Liveやバックエンドサービスの統括などを行っていました。その中で「どんな規模のゲームデベロッパーでも使える、デバイスに依存しないバックエンドサービス」の必要性を感じたことで、現在はPlayFabにて、活用の支援をしています。

ネイサン:アジアのエンゲージマネージャーを担当しているネイサンです。クライアントと直接対話をして、PlayFabを使って頂けるよう働きかけを行うのが主な仕事です。任天堂やSONYのようなプラットフォームを持つ企業もそうですし、AzureではなくAWSやGCPなどを利用している企業もクライアントです。学生時代は天体物理学を研究していましたが、その後アルバイトでゲーム企業に入ったのがきっかけで、2003年にマイクロソフトに入社しました。2016年には一度退職をしていますが、PlayFabと一緒に2018年1月に復職しています。

――早速ですが、PlayFabのサービス内容について教えて下さい。


ブレンダン:PlayFabは総合的なバックエンドシステムで、プレイヤー・ユーザーコミュニティ・デベロッパー間が効果的にエンゲージすることを目的に作られています。ゲームというのは、従来はパッケージ版として開発し、商品として出荷するものでしたが、今はニーズに対応して(運営面での)変化を続ける必要があります。PlayFabは、ゲームデベロッパーやその他のアプリ開発者が「プレイヤーがどのようにエンゲージしているのか、どういった体験を求めているのか」といった情報をデータとして蓄積し、リアルタイムにデータが確認できるシステムになります。

――海外では既にLiveOpsが広く活用されていますか?また、特徴的な開発事例などはありますか?

ブレンダン:もちろんです。実際の海外事例などは、PlayFabのWebサイトに掲載されておりますので、是非ご覧いただきたいです。既にゲームにおいてどのようにPlayFabが活用されているかのケーススタディはかなり蓄積されていて、これらを踏まえたチュートリアルやLiveOps Guideというドキュメントもダウンロード可能になっています。

「PlayFab」公式サイト
ネイサン:PlayFabに関するドキュメントは、アジアでは日本語・中国語・韓国語で展開しています。

ブレンダン:日本のデベロッパーに関しても、プライバシーはセンシティブな部分もありますが、使って頂いている会社は少なくありません。具体的な名前を言いづらい部分もありますが、「PlayFab」のロゴが出てくるゲームもありますし、我々としては今後そういったゲームがどんどん増えて行くと良いな、と思っています。

――既に使用している企業にとって、PlayFabが求められた理由はどこですか?

ブレンダン:理由はいくつもあると思いますよ!内製でバックエンドサービスを作ることは不可能ではありませんが、その場合は社員が24時間365日アップデートをし続けなくてはいけません。PlayFabは、彼らの代わりに、バックエンドサービスのオペレーションチームになることを目指しています。私たちがそれを担うことで、開発者はクリエイティブにもっと時間をかけることができます。迅速に、容易く、洗練されたバックエンドを作ることができると、時間的な投資も少なくて済むし、ゲーム自体にもっと集中できるはずです。

ネイサン:付け加えると、PlayFabはプラットフォームに依存しないという点も大きな理由だと思います。コンソールだけではなくPCやSteam、モバイルプラットフォームなど、いかなるシーンにも対応できるのがポイントです。つまり、デベロッパーやパブリッシャーが、PlayFabを通じてクロスプレイに対応できるということを意味します。

ブレンダン:確かに。異なるデバイスでも、同じワールドで遊ぶことができるようになります。従来は個々に体験するしかなかったゲームが、デバイスに依存せず遊べるようになります。あとはユーザー生成コンテンツなど「マインクラフト」用に作られた機能も多いですね。

――これまでは大手のユースケースが多かったと思いますが、日本国内でもインディーゲームの開発が活発になってきています。今後はどういった層にリーチしたいと考えていますか?


ネイサン:あらゆる規模をターゲットにしていきたいですね。ただ、もちろんインディーズもその中に入っています。「Indie Studio($99/mo)」といったインディーズ向けのサービスモデルも展開しているので、是非触って欲しいですね。実際、僕たちはBitSummitやBIC(Busan Indie Connet Festival)、台北ゲームショウなどでのミーティングを行っていますし、今年はブースも出すつもりです。もちろん「Essentials(無料)」のモデルでも、PlayFabの提供するコアテクノロジー(ユーザ管理・ランキング機能)などが入っていますので、気軽に使って頂きたいですね。

ブレンダン:私自身はもちろん大きなデベロッパーとの仕事も多かったのですが、インディーゲームも大好きなんです。特に“Dream-Build-Play (ドリーム ビルド プレイ / 投票制のゲームコンテストで、優勝者はXbox Live Arcadeと契約ができる)”というコンペティションで選ばれたゲームデベロッパーとのコミュニケーションはとても面白い体験でした。大手ではできないようなクレイジーなゲームデザインが見れますし、自由な発想によるゲームは本当に面白いです。また、『ざくざくキング:採掘王国(Idle Miner Tycoon)』はリリース当初から自分自身もプレイしていて、今ではこのゲームの中でもPlayFabが利用されています。。

――全体像と狙いは良く分かりました。ちなみに、PlayFabの機能でお二人がイチオシしたいものはありますか?

ブレンダン:プレイヤーのセグメンテーション機能ですね。それぞれのプレイヤーが何を求めているのか?というニーズを把握するためには、プレイヤーごとのセグメント化が必要です。それぞれのセグメントに適切なアクションを起こすことで、よりよい体験を生むことができます。あとは、A/Bテストを簡単に試せるのもポイントです。ゲームは要素に応じて細かくチューニングする必要がありますよね。もちろんPlayFabがなくても可能ですが、ツールがないと大変だと思います。そのために我々がツールを作っているんです。

ネイサン:グルーピング・ギルド・クラン機能をおすすめします。今のゲームはネットワークに繋がることが前提です。ユーザー自身がクランのようなものを作って、仲間と一緒にプレイすることも一般的になっていますが、そういったことを簡単に実現する機能です。実はこの機能は、自前で用意するのがかなり大変なんです。時間もかかりますし…。だからこそ、今あるPlayFabを使ってもらえたら嬉しいな、と思います。

――マイクロソフトファミリーにPlayFabが加わったことで、Microsoft Azureとの組み合わせがメジャーになってくるのでしょうか。

ネイサン:そうですね。実際、いくつかの機能がAzureに入りますよ。アナリティクスやインサイト、マルチサーバーやマッチングなど…あとはパーティーチャットもあります。ただのチャットではなく、マイクロソフトの持つ機械学習などのテクノロジーを用いたトランスレートも可能になっています。

――ありがとうございます。最後に、日本の皆さんに向けてメッセージをお願いします。


ブレンダン:LiveOpsの考え方を始め、急速にモダンになっていくゲーム開発の手法は学ぶべき価値があると思っています。ぜひ、PlayFabの資料に目を通していただいて、質問があったら連絡して欲しいです。いかなる方法でも、必ず回答します。皆さんの成功が、私たちの成功にもなります!

ネイサン:LiveOpsは、ゲームのライフを長くするための重要な要素です。PlayFabはそれをものすごく簡単に、かつ使いやすくするためのツールです。ブレンダンの言ったこととも重なりますが、とにかくまずはトライして欲しい!その上で、意見や質問があれば、ぜひ気軽に教えて欲しいです。

◆満員御礼!PlayFabの機能と実装手法が紹介された実践的なセミナー



"LiveOps"とは!? ゲーム運営の新しい考え方を学ぼう」と題して開催されたセミナーでは、冒頭にブレンダン氏よりLiveOpsの説明が行われました。ブレンダン氏は2017年の売上TOP10のゲームタイトルのうち9タイトルが2018年のTOP10にも名を連ねていることから、ユーザーとのエンゲージのもとゲームを継続的に運用するLiveOpsが重要であることを示しました。

PlayFab 実演デモでは、セグメント化されたVIPユーザーに対して限定ショップを開放するという内容で進められました。ブレンダン氏が用意したデモアプリケーションのダッシュボードからセグメント化されたユーザーを確認し(今回はExperience Pointが3000以上のユーザーと定義)、これらのプレイヤーに対してリアルタイムに限定ストアが開放されるといった内容のデモが行われました。

Experience Pointの閾値を上下させることで、
リアルタイムにセグメント化するプレイヤーを選別することができる

事前に定義されたプレイヤーに「アクション」と呼ばれる誰でも容易に設定可能なロジックを付与することで、
一切コードを書く必要なくゲーム内容を変化させることができている

ブレンダン氏は、今後キャンペーンマネージャ(ホリデーイベントのような日程や時間を定義するための機能で、スケジュールに沿った変更が可能になる)、スナップショット、離脱予想などの機能が予定されていると説明します。離脱予想では、チュートリアルなどの自動リポートが生成され、何に問題があるか、どの部分と相関関係があるかなどの情報を閲覧可能とするほか、スナップショットを用いたゲームすべての保存によるバックアップが容易であることも示唆されました。


続いて行われたsession2 「誰でも今日から実践できるUnity x PlayFab」では、日本マイクロソフト株式会社 梅津 寛子氏、個人開発者 南氏が登壇。「1.UnityにPlayFabのEditor拡張とSDKを入れる」、「2.ユーザー認証と実装」、「3.データストアとして使う」、「4.全プレイヤーにギフトを配る」という実践的なデモが行われました。

PlayFab Essential版の利用は非常に簡単で、まずはPlayFabにログインし、[新しいスタジオ]を設定した後、Unityから同名のマイゲームを選択するだけですぐに利用可能となります。

SDKはPlayFab公式サイトからダウンロード可能。
インストール失敗時は、Unityを再起動して対応する。

Unity画面内からPlayFabにログイン(少し分かりづらいが、左下のLog Inをクリックする)。

先ほど作ったマイゲームが表示されている。

また、「2.ユーザー認証と実装」は、ドキュメント内のサンプルコードを活用して実装していきます。「QuickStartの導入手順に従えば良く、ログインの手順もコピぺするだけですぐに実装可能です。」と説明する南氏ですが、実際に2,3分でデバッグログにログイン成功を示すログを表示させることができています。

「3.データストアとして使う」は、ユーザーデータやゲームのマスターデータなどキーバリューストアで管理するという手法が示されました。特に小規模制作の場合、サーバー自体にコストがかかったり、RDBの管理が煩雑になる場合が多いですが、PlayFabを用いることで設定不要でスコアなどのデータ管理が可能になるとのこと。



デモでは南氏が用意したUnitychanの縄跳びゲームを使用。
Jump CountとPlayer Nameの2つが、リアルタイムにPlayFab上にアップデートされている

最後の「4.全プレイヤーにギフトを配る」は、GameManager上でスケジュール済みタスクを作り、全ユーザーにアイテムを配布する仕組みの作り方が解説されました。設定自体は非常にスムーズで、PlayFab[自動化]をクリック→スケジュール済みタスクを作成し、その中身を適宜設定していくだけ。「誰に(どのセグメントに)」「どのような内容のアクションを(今回はアイテムの配布)」「いつ行うか」の設定を済ませておけば、即時的にアイテム配布が行われるという仕組みです。従来であればバッチを書くなどの対応が必要でしたが、PlayFabを使えばプログラムの知識がないメンバーでも設定可能な上、「誰がいつ設定したか」の作業ログも確認可能なため、非常に安全に作業が進められるとのことです。


その後の質疑応答でも、実際の導入に関する質問やコストに関する質問など、具体的な内容が多く、非常に熱量の高いセミナーとなっていました。
《神山大輝》

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