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【特集】今から振り返る『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の歴史―人気バトロワの歩みを徹底解説

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【特集】今から振り返る『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の歴史―人気バトロワの歩みを徹底解説
  • 【特集】今から振り返る『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の歴史―人気バトロワの歩みを徹底解説

2017年、Blueholeから配信され、世界中のゲーマーを瞬く間にその虜としたバトルロワイアルシューター『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』。この作品は突然にその姿を表した訳ではなく、人気が爆発するまでにも5年に及ぶ長い歴史があったのです。本記事では、その歩みについて迫ります。

■ 『Arma 2』時代―『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』
いきなり『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の原点へと迫りたい所ですが、まずはその存在を支えた『Arma』シリーズ、そして『DayZ』について触れておく必要があるでしょう。

・『Arma』って?
『PUBG』の話題の際に度々名前が上がる『Arma』。『Arma』シリーズとは、簡単に説明すれば、Bohemia Interactiveによって開発されたミリタリーサンドボックスタイトル。10km四方のマップや乗り物を扱えるリアル系FPSなのですが、最大の特徴として、非常に高度にスクリプティング可能な、ミッションベースのゲーム内容であることと、強力なインゲームエディタを備えていることが挙げられます。

読み込んだミッション次第でゲーム内容が全く別のものになる、と捉えてもらえば分かりやすいでしょう。『ゴーストリコン』のような屋外での部隊行動から、『コールオブデューティー』のようなドラマティックな内容、『バトルフィールド』のようなお祭り騒ぎ、それ以外の思いもよらないような内容まで、どのようにも再現できるのです。

・『DayZ』って?
そんな流れの中生まれたのが、サバイバルジャンルに革命を起こした『DayZ』。これは『Arma 2』に空腹などのサバイバル的システムと、最低限のゾンビ要素、サーバー関連の特殊な部分をModで実装し、ゲームエンジン側ではゾンビサバイバルミッションを動かすという仕組み。元々リアル系であった『Arma』ベースにサバイバルジャンル的な仕組みを導入することで発生した独特の緊張感や空気は、全世界のユーザーを虜として、数え切れないほどの派生やサバイバルジャンルの隆盛を巻き起こしました。

・『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』
海外ユーザーの映像
そんな流れの中で生まれたのが、2013年に初めてPLAYERUNKNOWN氏が手がけたバトルロワイアルタイトル『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』。この『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』は、『Arma 3』への移行や『DayZ』のスタンドアローン化に伴って、現在ではダウンロード不能となっていますが、多くのユーザーが映像を投稿しており、当時の雰囲気を味わうことが可能です。映像では『PUBG』と変わらない部分だけでなく、ゲームの開始方法などより「バトルロワイアル」に近い部分、他にも様々な発見をすることができるでしょう。なお、『PUBG』でゲームでは初めて触れた人も多いだろう銃の“ゼロイン”については『Arma 2』でエンジン側に実装されていたものでもあります。

海外ユーザーの映像
実は、『Arma』でバトルロワイアルをする、というアイディアはPLAYERUNKNOWN氏が初めて実現したものではなく、単体のマルチミッションの形でそれらしい内容のものはいくつかそれ以前にも作られていました。『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』が特に優れていたのは『DayZ』ベースとしたことによる更なるリアリティや、より「バトルロワイアル」の空気を反映できていた部分であったと考えられます。

■ 『Arma 3』時代―『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE』
海外ユーザーの映像
『Arma』は『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』の登場と並行して、新作『Arma 3』の開発・アルファ版早期アクセスが行われていました。この『Arma 3』が正式版となったのは同年9月。また、爆発的な人気を誇った『DayZ』には程なくしてスタンドアローン化の話が浮上。このような状況の変化に際して、『ARMA 2: DayZ Battle Royale Mod』もまた、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE(PUBR)』として、今では皆が良く知る“PLAYERUNKNOWN”の名前を冠した新たなModとなり『Arma 3』へと2014年に登場したのです。

海外ユーザーの映像
『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE(PUBR)』は今でもSteamワークショップからダウンロード可能となっており、新規にプレイすることもできます。ユーザーによる映像を見て頂ければ分かる通り、航空機によるエントリーを始め(パラシュートは自動では開かないのと、速度を自分で調整しないと地面と激突するのですが)、『PUBG』の基本要素はこの時点でほぼ完成を見ていると言ってもいいでしょう。ちなみに、『PUBR』開始時の航空機は、プレイヤーたちの降下開始後爆破されており、『PUBG』の航空機が墜落している箇所などはこのオマージュではないかと思われます。

・『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE: Ghost Hotel』
海外ユーザーの映像
実は『Arma 3』時代の『PUBR』には番外編とも呼ぶべきタイトルが存在しています。それがこれからご紹介する『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE: Ghost Hotel』です。このタイトルは『Arma 3』にて2013年末から2014年後半にかけて行われたユーザーメイドコンテンツの大型公式コンテスト“Make Arma Not War”にてPLAYERUNKNOWN氏が投稿したもの。

内容としては、『Arma 3』の舞台Altis島にある、廃墟となった“Ghost Hotel”周辺のみを舞台とした1人称限定、CQBメインのバトルロワイアルで、通常のバトルロワイアルとは違うスピーディーな近距離戦が主体となっています。あくまで『Arma 3』、それもModを使用しない、ミッションのみの形であるために、格闘攻撃などができないなど、どうしてもCQBに向かない部分はあるものの、いつかはこういった風変わりなスタイルでの試合を『PUBG』でも体験してみたい、と思える内容になっています。また、『Arma 3』ならではの対人地雷のようなトラップが特に有効なのも特徴です。

■ 『H1Z1』時代
海外ユーザーの映像
サバイバルジャンルの時代を築いた『DayZ』からは多くの影響を受けたタイトルが生まれました。これからご紹介する『H1Z1』もそんなタイトルの1つ。『H1Z1』は、2014年4月に当時“Sony Online Entertainment”であったDaybreak Gameから発表されました。ソニー傘下から、当時非常にホットなゾンビサバイバルタイトルがリリースされるという情報は多くのゲーマーから大きな期待を集めることになります。

2015年1月に早期アクセスタイトルとしてリリースされた同作には、ある対人特化モードが導入されていました。それが「Battle Royale」モード。すなわち、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE』を忠実に移植したモードなのです。このモードは『H1Z1』開発からのオファーによってPLAYERUNKNOWN氏がライセンスを出す形で実装されており、また、本作から3人称メインへと移行、エリア外での毒の霧の要素が初登場となりました。ユーザーの映像などでは更に『PUBG』に近い形となっているのが伺えるでしょう。

・『H1Z1: King of the Kill』へ
その後、『H1Z1』はゾンビサバイバルタイトルが陥りやすい開発の遅延や、プレイヤー嗜好の対人への傾倒などを迎え、タイトルの分割という一つの決断を下すこととなります。こうして『H1Z1: King of the Kill』として分割されたバトルロワイアルモードは今でもSteamプレイヤー数上位を保つほどのタイトルに成長しています。

■ 『PUBG』登場
これらの流れの後に、PLAYERUNKNOWN氏の指揮のもと、完全新規のバトルロワイアルタイトルとして作られることになったのが『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』。『PUBG』が最初にアナウンスされたのは2016年6月末のこと。当時は100人対戦ではなく64人対戦のタイトルとしてアナウンスされていました。

・期間限定クローズドテスト
その後、2016年7月末にはプレアルファを実施、様々な開発映像などを公開しながら、『PUBG』の制作は進み、同年9月にはアルファ1回目、11月にはアルファ2回目が実施されています。アルファでは様々なアップデートが行われた他、各テストではテスターの参加地域などについてのレポートも公開。当時は日本含むアジア地域からの参加は殆どなかったことを伺うことができます。また、アルファ2からそのユーザー規模が跳ね上がったことも確認可能です。(プレアルファレポートアルファ1レポートアルファ2レポート

時は進んで2017年に入り、2月24日から3月19日まで、週末限定でクローズドベータが実施。クローズドベータ中にはスクワッドの実装、皆が良く知る100人対戦への移行などが行われました。また、3月から短期間行われた予約では、特典として、本記事執筆時点でどのアイテムも数万円~10万円以上の価値となってしまっている限定スキン「PLAYERUNKNOWN SET」が配布されています。

・Steam早期アクセス開始、そして伝説へ
『PUBG』がクローズドテスト中、どの規模でユーザーの推移が起こったのかを外部から正確に知ることは難しいですが、Googleの検索インタレストを表示するサービス「Google Trends」によれば、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の検索人気度が最初に跳ね上がったのは2017年2月19日から25日までの間。これはクローズドベータの開始と重なっており、ベータ終了直前の3月18日から4月1日まではかつてないほどの盛り上がりを見せ、最も注目された時期となっています。3月23日からはSteam早期アクセスが開始されており、リリース直後から、ストリーミング配信や口コミを中心に爆発的に本作の知名度が向上していったことが伺えます。

また、日本のプレイヤーにとっては早期アクセス開始時に「日本語が最初から導入されていた」のも非常に大きいでしょう。興味のあるゲーマーを躊躇させることなく新たなユーザーとして獲得できたのは、日本での売上数十万本以上という、PCゲームとしては異例の反響を大きく支えているポイントではないでしょうか。

余談ですが、『PUBG』の形成には欠かせない存在であった『Arma』開発のBohemia Interactiveと、PLAYERUNKNOWN氏は今でもその関係を保っており、以前の海外インタビューなどによれば、『PUBG』のモーションキャプチャーは少なくとも今のところチェコにある同社設備で行われているとのこと。また、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEROYALE』もPLAYERUNKNOWN氏が自費でその一部サーバーを維持しています。

こうして振り返ると、一躍時の人となったPLAYERUNKNOWN氏は、決して天からその恩寵を突然賜ったアイディアマンではなく、バトルロワイアルというジャンルに魅せられ、道を求め続ける求道者であることが伺えるのではないでしょうか?氏の今後の活躍、そして、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』が何処へとたどり着くのか。まだまだ目が離せません。
《Arkblade》

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