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【特集】ゲーム業界の重鎮が夜な夜な集う“住所非公開”の会員制飲食店「84」へ潜入、そこはまさに聖地だった

 

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◆店を始める切欠は“降ってきた”から


そして「84」の店長である橋本徹さんにお店を立ち上げた理由などを伺いました。そこから見えてくるのは、このお店が縁によって作り上げられたということでした。

■橋本徹 プロフィール

1962年兵庫県生まれ。1984年に任天堂へ入社し、1998年からはゲームのデバッグやバランス調整を行う会社「猿楽庁」を立ち上げる仕事へ関わることに。任天堂のゲームをモチーフにしたブランド「THE KING OF GAMES」などを手がけるアパレルメーカー「エディットモード」の役員でもある。2017年1月いっぱいで猿楽庁を退社した。

──本日はよろしくお願いします。まず、もともとゲーム業界にいた橋本さんがこのお店「84」を始めるようになった切欠を教えていただけますか。

橋本:昔、お偉いさんがたくさん集まるすごい重たいミーティングに参加していたんです。その際中に「飲食店やれば?」というのが突然“降ってきて”はじめました。

──もともと飲食店をやろうと思っていたり、あるいは料理が得意だったりしたんですか?

橋本:今まで飲食店をやりたいと考えたことはなかったし、料理もやらないです。

──本当にそれまで一切関係がなかったんですか!

橋本:はい。今お店で料理を作ってくれているのは友達なんですが、その子も飲食店経験がなくて、「じゃあ何が作れる?」と聞いたところ「家のご飯」ということだったのでそういうお店になっています。

──では、本当にノープランで……。

橋本:ノープラン・ノーマネーのスタートです(笑)。

──急に飲食業界へ乗り出そうとして周囲は反対したりしなかったんですか?

橋本:全然ですね。逆にみんな面白がってくれました。降ってきたあとお店をやるまで1年くらい時間があったんですが(「84」のオープンは2015年2月)、その期間に偶然飲食関係の人と知り合えて、必要なピースがハマっていくように店を作ることができました。

──人の縁のおかげで今の形になったというわけですね。

橋本:そうですね、不思議なものです。ただ、実は流されているだけなんですけどね。


「84」の会員証

──人に紹介してもらえないと入れない会員制のお店にした理由は?

橋本:まず僕が人見知りだということがあって──。

──本当ですか!?(笑)友人や知り合いの方もたくさんいらっしゃるようですし、見ている限りとてもそうは思えないのですが……。

橋本:本当です!共通の知り合いがいる人とかなら安心して話ができるんですけど、まったく知らない人とはあまり。なので、友達の友達を……というふうに交流できるよう会員制にしてます。

──友達を集めていったらこのお店になっていったということですか。

橋本:飾ってあるサインやイラストも、僕が頼める方に声をかけてお願いしたものなんですよね。「『ファイナルファンタジー』はないんですか?」とか「『逆転裁判』はないんですか?」とか言われることもあるんですが、繋がりのある人にお願いしているのでこうなっています。あと、お店のフロアにはゲーム関係のものを飾っているのですが、トイレにはそれ以外(漫画家や芸人など)の方にサインをお願いしています。


──ゲーム業界と飲食業界、だいぶ違う業界のように思えますが苦労はされませんでしたか?

橋本:飲食業界のことはまったく知らなかったので、本を一冊読んで「じゃあなんとかなるか」という感じでした(笑)。細かい問題は確かにあったんですが、苦労というほどのものはないですね。楽しいと思いながらやれています。

猿楽庁では誰かが作ったゲームのバランス調整やアドバイスを行ったり、要は縁の下の力持ち的なことをやっていたわけですね。少し形は変わっていますが、このお店でやっていることも似ていて、人と人を繋げて活動を応援したり、ゲーム業界の横の繋がりを助けられればいいなと思っています。

──もともと人との繋がりを活かす仕事が得意だったのでしょうか。

橋本:割とお節介焼きなので、人を繋ぐようなことは好きですね。猿楽庁ではライブとかボードゲームが楽しめるクローズドのイベントをやっていたんですが、「それを毎日やればいいんだな」と考えて行動に移したような感じです。

──ところで、お店のメニューは家庭料理がメインになっていますが、プレミアムモルツの超達人店としてビールを出していますし、京都の有名なお店「第一旭」のラーメンがメニューにあったりと、こだわっていますよね。

橋本:それも人との縁によるものですね。ビールは行きつけの居酒屋で働いていた知人がサントリーに就職した縁からだし、ラーメンも第一旭に18歳のころから通っていたからという理由で……。本当に縁ですね。

会員、つまりお客さんにも恵まれています。お客さんは常連会員になるとほかの人を紹介できるんですが、連れてくる人を本当に信頼できるか見極めてから来てくれるんですよね。うちには芸能界の方も遊びに来てくれるんですが、おかげでそういった方たちも安心して飲めるような場になっています。


──猿楽庁を退社してこれからどのような展開をされていく予定でしょうか。

橋本:何も考えてないですね。僕は人生設計なんかしたことがなくて、ずっと流されてここまで来ましたから。猿楽庁を作った時も声をかけてもらったからだし、この先に店をどうしたいとかも決めないでいこうと思ってます。決めちゃうと達成できなかった時に凹んじゃいますから(笑)。ノープランでも真面目にやればなんとかなるというのが僕のやり方ですかね。この店もいつまであるかわからないです。

──わからないというと、どこかに移転するというようなことですか?

橋本:先のことは決めてないので、急にやめてしまうかもしれませんね。以前、店を移転した時もお客さんに前もって連絡しなくて驚かせたことがあります。そんな風にいつも流されるような生き方をしているので、流れに身を任せて楽しくやっていこうと思います。

──最後に読者の方へメッセージをお願いできますか。

橋本:「84」は会員制のお店ではありますが、暗くてジャズが流れてて値段が高くて……、みたいなイメージとはまったく違う実家のような場所になってます。お店を探すのもゲームのような楽しみのうちだと考えているので、頑張って会員カードを持っている人を探して遊びに来てください。あ、エディットモードのほうでも次の展開を考えているので期待していてください。

──本日はありがとうございました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

「84」の成り立ちやお店の雰囲気には、やはり店長である橋本さんの人柄が大きく影響しています。周囲にさまざまな人が集まってうまく行くのは、その人徳や親しみやすさを証明しているのでしょう。

橋本さんはほかの席に座っているゲームメーカーの方を紹介してくれたり、カレンダーやステッカーをプレゼントしてくれたりと、本当に初対面とは思えないような親切ぶりでした。それでいて嫌味でないのですから、このお店に人が集まるのも道理なのかもしれません。
《すしし》
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