“ノベルゲームをVRで表現する”という挑戦をオリジナル同人ゲーム制作サークル「CAVYHOUSE」が行っています。作品の名は『マヨナカ・ガラン』。プレイヤーは村の案内人となり、主人公を誘導して物語を進め、村に巻き起こる「奇跡」の謎を解き明かしていくという内容です。
2016年に体験版配布、2017年夏完成を予定している本作ですが、2016年7月9日開催の「Bitsummit 4th」ではHTC Viveを使用したデモが出展されていました。多くのVRゲームは“体を動かして楽しむ体験型”ですが、本作ではそういったアクションは採用せず、本作はキャラクター中心のノベルゲームの世界に“だだ入り込む”ことを目指して制作。そのため丁寧に3D空間が作られており、目の前で繰り広げられる物語を傍観者の様な感覚で楽しむことができます。
この感覚は従来のノベルゲーム・アドベンチャーゲームをプレイする感覚とはまったく異なっており、“自分のいる世界で物語が紡がれていく”という没入感を味わうことができます。そして面白いのが、本作はアドベンチャーゲームではなく、ノベルゲームであるということ。
一見すると3Dアドベンチャーに見える本作ですが、ゲームを実際にプレイしてみると、「ああ、これはノベルゲームだ」と思えるのです。というのも、本作ではプレイヤーによるアクションや、激しい演出などがなく、物語はゆっくりゆっくり進行。この感覚は小説を読んでいる時に非常に近く、まさしく本作はノベルゲームであり、“VR空間に小説の世界が展開されている”ともいえます。
ただ“この体験がゲームとして面白いのか”と聞かれれば、その答えは「まだわからない」というしかありません。「CAVYHOUSE」のメンバーも「実際に完成させてみないことには面白いかどうか分からない」とコメント。とはいえ“ノベルゲームをVRで表現する”という挑戦は非常に興味深く、2017年の完成が楽しみで仕方ありません。
編集部おすすめの記事
ゲームビジネス アクセスランキング
-
「日本と海外におけるゲーマーにとってのリージョン制限」・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第22回
-
令和に新作ファミコンカセットを自作!その知られざるテクニック&80年代カルチャーを「桃井はるこ」「なぞなぞ鈴木」らが語る【インタビュー】
-
物理ベースでの絵作りを通して見えてきたもの/アグニのデザイナーが語るリアルタイムワークフロー・・・スクウェア・エニックス・オープンカンファレンス2012
-
任天堂がマイクロソフトにレア社を売却した経緯とは・・・3億7500万ドル巨額買収の裏側
-
FPS界の重鎮“スタヌ”って何者?山田涼介も憧れる人気ストリーマー・StylishNoobの魅力
-
【史跡探訪】トランプ・かるた製造元「山内任天堂」旧本社
-
フロム・ソフトウェア、役員人事を発表 ― 会長に角川ゲームスの安田善巳、社長に『DARK SOULS』の宮崎英高
-
ゲームコントローラーの市場規模、2027年に29億7350万米ドル到達予測─技術的進歩や新型コロナの影響で
-
世界初、“寝ながら”に特化したVRデバイス「HalfDive」発表!クラウドファンディングで支援者を募集
-
タカラトミーがグループ会社4社を統合〜ユージン、ハートランド、すばる堂、ユーメイト